はじめに
室生赤目青山【むろうあかめあおやま】国定公園は、三重・奈良の両県にまたがる山間部が指定地域の国定公園である。
室生寺周辺の室生高原、赤目四十八滝や香落渓といった山峡部を中心とした赤目渓谷、そして青山高原及び高見山地を包括した自然公園である。
青山高原は、かつて「関西の軽井沢」と呼ばれたこともあり、多くの別荘地が建てられた場所である。現在では、その別荘地の多くが廃墟となっているが、バブルが崩壊し、経済的な問題を抱えているだけで、青山高原自体の魅力が消失したわけではない。
本稿では、そんな青山高原の魅力ついて書いてみたいと思う。
青山高原
青山高原【あおやまこうげん】は、津市と伊賀市の境に位置する笠取山から南北約15kmに渡って広がる高原である。
標高756mにある三角点は、伊勢湾を一望できる絶景スポットの一つとなっている。
また、山頂付近は風力発電基地にもなっていて、89基の風車が建ち並ぶ様子は迫力満点である。何十年ぶりかで青山高原を訪ねて、風車の数が増えていることに率直に驚いた。ススキの群生地の数よりも風車の数の方が多いのではないかと思ってしまう。
青山高原公園線と東海自然遊歩道が整備されているのでアクセスも良く、春はアセビやツツジの群生、秋はススキの白い穂が風に揺れてハイキングを楽しむには最適の場所である。
特に、9月下旬~10月下旬頃はススキの穂と迫力満点の風車とを一緒に写真に収められるのが嬉しい。遊歩道をゆっくりと散策するもよいし、ベストアングルを探して高原を歩き回るのもよい。
青山高原は、星空が綺麗に見れる場所としても知られている。
名 称 | 青山高原三角点駐車場 |
所在地 | 三重県伊賀市勝地1852-63 |
Link | 青山高原|津市観光協会公式サイト レッ津ゴー旅ガイド 青山高原|観る・体験する|津市観光協会公式サイト 青山高原〜風わたる南伊賀〜 – 青山観光振興会・青山高原周辺の施設と観光 |
青山高原には合わせて7ヶ所に駐車場(いずれも無料)が整備されているので、行きたい場所の近くに車を駐車して、散策を楽しむことができる。
青山高原ウインドファーム
青山高原ウインドファームは、風力発電事業及び電力の供給を行う企業で、青山高原に位置する集合型風力発電所の名称である。青山高原に所有する風力発電機は全部で60基もあり、最大出力は95,000kWで、日本の風力発電所の中では最大である。
所有する風力発電機は次のとおりである。
- JFEエンジニアリング製風力発電機(20基)
ローター直径:50.5m、タワー高さ:50m、出力:750kW - 日立製作所製風力発電機(40基)
ローター直径:80m、タワー高さ:65.4m、出力:2000kW
名 称 | 青山高原ウインドファーム |
Link | 株式会社 青山高原ウインドファーム(公式HP) |
青山高原には、青山高原ウインドファーム(60基)のほかにも次のような発電用風車が存在するので、あわせて89基もある。
- ウインドパーク久居榊原(2基)
- ウインドパーク美里(8基)
- ウインドパーク笠取(19基)
メナード青山リゾート
メナード青山リゾートは、伊賀市と津市の境にある布引峠付近に位置する、日本メナード化粧品が所有するリゾート施設である。室生赤目青山国定公園の一部になっている。
名 称 | メナード青山リゾート |
所在地 | 三重県伊賀市霧生2356 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | <公式>メナード青山リゾート|三重県伊賀市青山高原 |
メナード青山リゾートハーブガーデン
メナード青山リゾートハーブガーデンは、メナード青山リゾート内にある、面積が8haもある広大なハーブガーデンである。
一年間に約300種類を超えるハーブを栽培しているという。ハーブの彩りと香りのハーモニーが見る者の心を癒してくれる。ハーブの香りは心を和ませてくれる自然の魔法のようなものである。
ハーブは香だけでなく、その可憐な花も魅力的である。決して派手さがあるわけではないが、風に揺れる香りの庭で、ハーブの花の魅力を心ゆくまで楽しもうではないか。
ハーブを香りで楽しむためのオリジナルハーブティーや料理を提供してくれるカフェが併設されている。ハーブグッズをお土産として購入できる「ハーブショップ」もある。
名 称 | メナード青山リゾートハーブガーデン |
所在地 | メナード青山リゾート内 |
Link | メナード青山リゾート・ハーブガーデン |
あとがき
青山高原の印象は、かつて幼かった娘達と一緒に遊んだ当時のおもかげと全く違っていた。まず風車の数の多さに驚いてしまったのである。かつては風車はわずか数基しかなかったが、現在では89基もあって青山高原のどこを歩いていても風車を目にする。
風車の数が多いから青山高原の自然がダメになったと決して言っているわけではない。私が如何に長い間、青山高原に行っていなかったかということを風車の数で思い知っただけである。現在ではこの風車が目当てで青山高原を訪れる若いカップルの姿を多く目にするようになったのが印象的である。