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くらがり渓谷を指定区域に含む本宮山県立自然公園

はじめに

愛知県には7つの県立自然公園(渥美半島、南知多、段戸高原、振草渓谷、本宮山、桜淵、および石巻山多米)が指定されているが、本稿で取り上げたいのが本宮山【ほんぐうさん】県立自然公園である。

引用:愛知県の自然公園 (pref.aichi.jp)

本宮山県立自然公園は、本宮山【ほんぐうさん】を中心に、山麓のくらがり渓谷、戸津呂、周辺の巴山、雁峰山などの山々と巴川、寒狭川などの河川を含む自然公園である。

私がこの県立公園に興味があるのは、私の娘たちが幼い時に連れて行った「くらがり渓谷」が指定区域に含まれていることを知ったからである。


<目次>
はじめに
本宮山
  • 砥鹿神社奥宮
  • 本宮山スカイライン
くらがり渓谷
巴山
雁峰山
あとがき

本宮山

本宮山【ほんぐうさん】(標高789m)は、愛知県の岡崎市・豊川市・新城市にまたがる山である。山一帯は大きな杉が生い茂っている。

本宮山の山頂近くには、かつて三河国と呼ばれていた頃の一宮である砥鹿神社の奥宮がある。

本宮山スカイラインが山頂近くまで通っているのでアクセスは容易である。

本宮山は「三河富士」と呼ばれる美しい山であるが、山頂にはアンテナが林立しているので見晴らしは悪い。山頂からわずかに三河湾を望むことができる程度である。奥宮へ上がる石段の途中には富士山が見える場所もあるというが天候次第である。


砥鹿神社・奥宮

砥鹿神社【とがじんじゃ】は、愛知県豊川市にある神社で、東海地方の総鎮守として崇敬される。御祭神は大己貴命【おおなむちのみこと】、つまり大国主命【おおくにぬしのみこと】である。

本宮山(標高789m)の山頂近くに奥宮【おくみや】が鎮座し、山麓にも里宮(豊川市一宮町西垣内)が鎮座する。

名 称砥鹿神社・奥宮
所在地豊川市上長山町本宮下4
駐車場あり(無料)
Link砥鹿神社奥宮 | 【公式】愛知県の観光サイト
砥鹿神社|三河國一之宮「砥鹿神社」愛知県豊川市

本宮山スカイライン

本宮山スカイラインは、愛知県新城市の作手保永から作手白鳥に至る延長11.6kmの道路である。かつては有料道路であったが、現在は「愛知県道526号本宮山作手保永線」および「愛知県道527号本宮山作手白鳥線」として県道に認定されている。

県道に移管後も、「本宮山スカイライン」の名称は道路の愛称として残されているようだ。

本宮山山頂入口を通過する道路であるため、天候に恵まれれば、眼下に三河湾を、遠望に富士山まで見ることができるという。

名 称本宮山スカイライン
所在地新城市作手保永
駐車場あり(無料)
Link本宮山スカイライン | 奥三河観光ナビ
本宮山スカイライン (愛知県新城市)

くらがり渓谷

闇苅渓谷【くらがりけいこく】は、愛知県岡崎市を流れる乙川【おとがわ】の上流部に位置する渓谷で、「くらがり渓谷」と表記されることが多い。くらがり渓谷は、ちょうど本宮山の北西斜面に位置している。

くらがり渓谷へは夏は涼しい清流とカジカの声を聴くつもりで行ったが、「マスつかみ」などの川遊びの方が好評であった。

この「マスつかみ」は意外に面白く、娘たちと一緒にやってみると大人でも夢中になるものである。

マスが泳いでいるのを初めて観た幼い娘たちは最初は見ているだけであったが、すぐに娘たちも積極的に参加するようになった。

マスは網ですくうより「手づかみ」の方が断然、面白い。

一般にはマスを「手づかみ」することは容易ではない。しかし、ここでは放流されているマスの数が多いので「手づかみ」できると錯覚してしまう。

私の幼い娘たちも水遊びと「マスつかみ」が融合した初めての体験に夢中になって楽しんでいたようだ。

結構大きなマスも放流されており、「手づかみ」できそうで、それが容易にできないところが絶妙に楽しいのである。

水深もそれほど深くなく、幼い子供たちを遊ばせても比較的安全であり、なによりも家族全員で楽しめるのが良い。

大人も童心に戻り、娘たちと一緒に「マスつかみ」参加し、大いに楽しんだ想い出が私にもある。

獲れたマスは宿で料理してもらうことができ、美味しく食することができる。

くらがり渓谷は、その名のとおり日中でもあまり直射日光が届かないので、世間が熱中症を心配するような季節でも涼しい。まさに家族連れの夏のアウトドアの遊びには最適であると思う。

名 称闇苅渓谷くらがり渓谷
所在地愛知県岡崎市石原町
駐車場あり(無料)
Link闇苅風致探勝林(くらがり渓谷):林野庁
くらがり渓谷|岡崎市観光協会公式サイト

巴山

巴山【ともえさん】(標高719m)は、愛知県の新城市作手清岳【つくできよおか】、作手高里【つくでたかさと】と岡崎市千万町町の境界にある山である。巴山の頂上近くには白髭神社が鎮座する。

また、歌人としても有名な藤原俊成が国司として三河国へ赴任した際に、三河国の由来が豊川水系巴川・矢作川水系巴川・男川の3つの河であると聞き、これら3つの河の歌を詠んだとされる。この和歌の歌碑が巴山頂上近くにあるという。

名 称巴山【ともえさん】
所在地愛知県岡崎市千万町字巴山
駐車場あり(無料)
Link巴山三川分流碑・巴山白髭神社 | 奥三河観光ナビ

雁峰山

雁峰山【かんぽうやま】(標高628m)は、愛知県新城市に位置する山である。

武田軍と徳川・織田軍が戦った「長篠の戦い」(1575年)で、武田軍に包囲された徳川方の長篠城・城主貞昌の命を受けて鳥居強右衛門【とりいすねえもん】が夜半に城を抜け出し、豊川を下って脱出し、家康・信長に援軍要請し、長篠城で籠城している仲間に知らせるために狼煙を上げた山が雁峰山だということを、私は今年放映中のNHK大河ドラマ「どうする家康」を観て、はじめて知ることができた。

雁峰山の山麓には「長篠の戦い」の歴史資料館があるらしいので、是非、立ち寄ってみたいものだ。

名 称雁峰山
所在地新城市須長
Link雁峰山登り口 | 奥三河観光ナビ

あとがき

童心【どうしん】に戻るとは、「子供に帰ったような気持ちで無邪気に振る舞うこと」を意味する言葉である。童心は子どものような純真な心、無邪気な心(気持ち)を意味する。人は年齢を重ね大人になるにつれて、身体の成長と共に心も成長する。

子どもの頃のような無邪気だった精神は成熟すると共に、子どもならではの純粋で曇りのない気持ちは失われていく。そして本当はどうでもよいような世間体や常識といった大人にとって避けられない心の葛藤も経験する。

そうした大人の事情を一切忘れ、何も考えず一心不乱に行動していた幼かった頃のような気持ちに戻って、心のまま純粋に行動してみたいという願望は成熟した大人には必ず同居しているはずである。「童心に戻る」とは、まさしく大人の精神の解放であると言ってよいかも知れない。

シニア世代となった私は、自分が童心に戻って遊んだという経験がほとんどないことに気付いた。否、それは正しくはない。私にも幼かった娘たちと一緒に童心に戻って遊んだ経験がある。

それは愛知県にある本宮山県立自然公園の指定区域に含まれる「くらがり渓谷」での想い出もその一つであろう。

大人が童心に戻るのは子どもと一緒の時の方が良い。子どもと一緒に遊ぶことで童心に戻れるのではないかと私は思っている。私一人ではなかなか童心には戻れない。「大人」という鎧をまとい過ぎてしまっているように感じる。

子育ては大変だという話をよく耳にする。確かに親にとって子育ては大変である。しかし、見方を変えれば、子どもたちによって私たちは大人として成長させてもらったように思う。また子供たちと一緒に遊ぶことによって無意識のままに童心に戻してもらっていたのである。

シニア世代の仲間入りをした今、私には自由な時間はある。しかし、人間には寿命というものがある。残りの人生は日一日とカウントダウンされていく。そうした中で、私は童心に戻って夢中になれるものを探し始めたところである。

それは旅(旅行)であるかも知れないし、そうではないかも知れない。まだ何物とも分からないものを探していく。しかし、私にとってそれを探すことが「旅」なのかも知れない。


【参考資料】
愛知県の自然公園 (pref.aichi.jp)
砥鹿神社奥宮 | 【公式】愛知県の観光サイト
砥鹿神社|三河國一之宮「砥鹿神社」愛知県豊川市
本宮山スカイライン | 奥三河観光ナビ
本宮山スカイライン (愛知県新城市)
闇苅風致探勝林(くらがり渓谷):林野庁
くらがり渓谷|岡崎おでかけナビ – 岡崎市観光協会公式サイト
巴山三川分流碑・巴山白髭神社 | 奥三河観光ナビ
雁峰山登り口 | 奥三河観光ナビ