はじめに
灯台は塔状の建造物で、夜間には最上部に設置された、強力な光源が明滅し、航行する船舶が場所を識別する目印となる。
私は、何故か岬の絶壁の先端に建つ灯台を眺めるのが好きである。青い空と蒼い海を背景に建つ白亜の灯台が眩しい。
日本は島国であり、周囲を海に囲まれているので、半島や岬と呼ばれる場所が全国各地に点在する。岬の先端には灯台が設置されていることが多く、船舶の航海の安全を見守ってきた。
GPSが発達した今日では灯台の役割は低下しているかも知れないが、岬の先端に建つ白亜の灯台は岬や半島のシンボル的存在であることには変わりはない。そんな灯台を私は愛おしく思う。
灯台とは
灯台(lighthouse)は、その外観や灯光により船舶の航行目標(陸地、主要変針点又は船の位置を確認する時の目標)となる施設である。
岬の先端に設置される灯台を「沿岸灯台」、港湾の所在、港口などを示す灯台を「防波堤灯台」と呼び、二種類に区分されている。
灯台は塔状の建造物で、最上部には遠方からでも識別可能な強力な光源が設置される。夜間には光源が明滅(大型のものでは光源に前置されたレンズが回転)し、航行する船舶が場所を識別する目印となる。
現在の灯台は多くがコンクリート製だが、歴史的には木造や石造、煉瓦造、鉄造もあり、一部には現存する灯台もあるという(引用:ウィキペディア)。
観光地になった沿岸灯台
GPSなど新しい航海計器の普及で灯台の姿が消えつつあるという。日本の沿岸部で現存する灯台の数は約3000基ほどらしい。
灯台が持つ歴史や文化を掘り下げ、地域の海のシンボル、観光資源として残す試みが始まっているようではあるが、本来の機能的役割は終焉を迎えているのは紛れものない事実のようだ。
日本での灯台建設は幕末から明治維新期に始まったとされる。上述のように新技術の進歩により歴史的役割を終え廃棄される灯台が増えつつあるようだが、青い空と海を背景に岬の先端に立つ美しい白亜の姿はロマンにあふれている。
維持費などコストもかかるだろうが歴史的・文化的遺産として後世に一つでも多く残していけないものだろうか。
北海道の灯台
宇登呂岬・宇登呂灯台
知床半島・宇登呂岬にある宇登呂灯台は観光地になっておらず、立入禁止扱いで関係者以外は近づくことはできない。
「フレペの滝」近くの岬に立地し、木々の合間から白黒灯台が確認できる。
名 称 | 宇登呂岬・宇登呂灯台 |
所在地 | 北海道斜里郡斜里町遠音別村岩尾別 |
Link | 宇登呂灯台 |
神威岬・神威岬灯台
神威岬灯台(積丹町草内)は、ニセコ積丹小樽海岸国定公園に指定された風光明媚な神威岬の先端に建つ灯台である。
1892年(明治25年)に竣工され、北海道の灯台では5番目の歴史を誇っている。現灯台は、1960年(昭和35年)に改築された2代目であるという。
神威岬灯台の灯高は11.8 m、平均海面から灯火部分までの灯高は81.65 mである。光達距離は23.0海里(約43km)に及ぶ。
灯台が建設されて理由は、北前船以来の海の難所であったことと、ニシン漁の漁場として栄えたことが背景にあるという。
そんな歴史的背景も大切にして、後世に残してほしい灯台の一つである。
名 称 | 神威岬・神威岬灯台 |
所在地 | 北海道積丹郡積丹町草内 |
Link | 神威岬灯台 | 北海道Style |
美国港外防波堤灯台
美国港外防波堤灯台(積丹町)は、「防波堤灯台」であり、1963年(昭和38年)に建設されている。
灯高は10.2 m、平均海面から灯火部分までの灯高は13.0 mである。光達距離は、不動光として2.0海里(約3.7km)、閃光として5.0海里(約9.3km)である。
名 称 | 美国港外防波堤灯台 |
所在地 | 北海道積丹郡積丹町 |
Link | 美国港外防波堤灯台(小樽海上保安部) |
石川県の灯台
禄剛崎・禄剛埼灯台
禄剛埼灯台(珠洲市狼煙町)は、能登半島の最先端に位置する灯台として知られ、明治時代にイギリス人技師の設計によって造られた白亜の灯台である。
禄剛埼灯台の塔高は12m、灯高は48mであるという。光達距離は18海里(約33km)に及ぶ。
禄剛埼は外浦と内浦との接点に位置するため「海から昇る朝日と、海に沈む夕陽」の両方が見られる場所として知られている。
名 称 | 禄剛崎・禄剛埼灯台 |
所在地 | 石川県珠洲市狼煙町イ-51 |
Link | 禄剛崎・禄剛埼灯台(狼煙の灯台)|ほっと石川旅ねっと |
和歌山県の灯台
潮岬・潮岬灯台
潮岬灯台は、明治6年(1873年)の初点灯以来、海上交通の要所として航行する船舶を照らし続けている現役の灯台である。
高さ30mの断崖に建つ白亜の灯台で、本州最南端のシンボルにもなっている。潮岬灯台の塔高は23m、灯高は49mである。光達距離は19海里(約35km)に及ぶという。
名 称 | 潮岬・潮岬灯台 |
所在地 | 和歌山県東牟婁郡串本町潮岬 |
Link | 潮岬灯台 – 南紀串本観光ガイド |
樫野崎・樫野崎灯台
樫野崎灯台は、紀伊大島の東端に位置する灯台である。
樫野埼灯台と旧官舎は、イギリス人技師の設計により明治3年(1870年)に建設された。現在の灯台は、昭和29年(1954年)に大規模な改築が実施されたものである。
樫野崎の先端断崖の上に建つ樫野崎灯台の塔高は15m、灯高は47mである。光達距離は18海里(約33km)に及ぶという。
名 称 | 樫野崎・樫野崎灯台 |
所在地 | 和歌山県東牟婁郡串本町樫野埼1006番地1 |
Link | 樫野埼灯台 – 南紀串本観光ガイド |
雑賀崎・雑賀崎灯台
雑賀崎灯台は、昭和35年(1960年)に建設されている。塔高は7.7m、灯高は75mであり、光達距離は18海里(約33km)に及ぶという。
雑賀崎灯台は、夕陽展望の名所として知られており、紀伊水道に沈む夕陽を気軽に眺めることができる。
夕陽が沈む瞬間、誰もが私語を止め、その美しさに魅了される。
名 称 | 雑賀崎・雑賀崎灯台 |
所在地 | 和歌山県和歌山市雑賀崎 |
Link | 雑賀崎灯台・展望広場|和歌山市【公式サイト】 |
兵庫県の灯台
江埼灯台
江埼灯台【えさきとうだい】は、淡路島北端の江崎に立つ石造の灯台である。塔高は約8mとあまり高くはないが、海面からの灯火標高は約49 mもある。
江崎灯台は、明治初期に建設された5基の洋式灯台の最初の一つで、Aランクの保存灯台である。歴史的文化財的価値が高く、国の重要文化財にも指定されている。
設計は、イギリス人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンによるものとされ、明治4年(1871年)4月に初点灯した現役の灯台である。我が国の現存灯台で、3番目に古い灯台である。
周辺海域は瀬戸内海国立公園に指定され、眼下に明石海峡が広がり、明石海峡大橋が望める位置に灯台は建っている。
名 称 | 江埼灯台 |
所在地 | 兵庫県淡路市野島江崎字小磯17番 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 江埼灯台が国の重要文化財(建造物)に! – 淡路市HP |
島根県の灯台
日御碕・出雲日御崎灯台
出雲日御崎灯台は、日本一の高さ(塔高:43.65 m)を誇る白亜の石造灯台である。断崖絶壁が続く海岸線の先端に聳え立っている。
真っ白な外壁は、松江市美保関町で切り出された硬質の石材で作られている。内壁はレンガ造りで、外壁と内壁の間に空間を作った特殊な二重構造になっているという。
出雲日御崎灯台の内部には163段のらせん階段があり、灯台上部の展望台へ上がることができる稀有な灯台である。
狭い階段を一段ずつ登っていくのは結構大変であるが、最上部からの景色は格別であった。尤も高所が苦手な私は長居はしたくはなかった。
光度は48万カンデラで、夜間は約40km沖合まで達し、初点灯日から100年以上が経過した今日でも現役として海の安全を守っているという。
名 称 | 出雲日御崎灯台 |
所在地 | 島根県出雲市大社町日御碕1478 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 出雲日御碕灯台|出雲観光ガイド【出雲観光協会】 |
美保関・美保関灯台
美保関灯台は、明治31年(1898年)に初点灯された山陰最古の石造灯台として知られている。
塔高は約14 mとそれほど高くはないが、海面からの高さは約83 mとなっており、光度49万カンデラの光は夜間には約44kmの沖合まで達するという。初点灯日から120年以上経った今も現役の灯台である。
明治の面影を残す石造りの風格ある灯台は、設置から100年目にあたる1998年(平成10年)にドイツ・ハンブルグで開催されたIALA(国際航路標識協会)の総会で、歴史的・文化的価値のある文化遺産として「世界の歴史的灯台100選」に選出された。
美保関灯台は、歴史的価値が高く、現役の灯台として初めて文化庁によって登録有形文化財(第32-0048~0049号)に指定されている。経産省からも近代化産業遺産(平成20年度)に指定されている。
美保関灯台は、まぎれもなく日本を代表する灯台であり、「日本の灯台50選」や「恋する灯台(2018年)」にも選ばれている。
灯台に隣接した旧事務所や宿舎は、現在は「ビュッフェ」に改築されており、日本海を眺めながら休息できるようになっている。
天候が良ければ、美保湾を隔てて大山や弓ヶ浜を眺めることができ、また遠く隠岐の島も望むことができるという。雄大な景観の眺望はこの灯台の魅力らしい。
残念ながら、悪天候のためその雄大な眺望を私は眺めることはできなかった。次回に期待したい。
名 称 | 美保関灯台 |
所在地 | 島根県松江市美保関町美保関字大平 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 美保関灯台|美保関町観光公式サイト |
山口県の灯台
角島・角島灯台
角島灯台は、明治9年(1876年)にイギリス人技師の設計により建設された日本海側初の西洋式灯台である。今日でも現役の灯台である。
角島灯台の塔高は30 m、灯高は45mであり、光達距離は18.5海里(約34km)に及ぶという。竣工時には石造の灯台としては最も高い灯台であったと言われている。
名 称 | 角島・角島灯台 |
所在地 | 山口県下関市豊北町角島2343-2 |
駐車場 | あり(有料) |
Link | 角島灯台【公式サイト】 |
高知県の灯台
室戸岬・室戸岬灯台
室戸岬と言えば、日本本土に上陸する台風の気象情報の際によくテレビ中継で荒波が押し寄せている風景をよく目にする。普段でも太平洋の波が打ち寄せて、激しく岩に当たって水飛沫を立てている。
室戸岬灯台は、室戸岬のシンボルである。明治32年(1899年)に室戸岬の先端に建設された白亜の灯台の塔高は15.4mであるが、海面からの灯高は154.7mにも及ぶ。そして光達距離は26.5海里(約49km)にも及ぶという。
中岡慎太郎は、薩摩藩と長州畔の有力者を説得して回り、薩長同盟の成立に尽力したと伝えられている。薩長同盟成立に貢献した功労者の一人である。室戸岬灯台の眼下に中岡慎太郎像が建立されている。
名 称 | 室戸岬・室戸岬灯台 |
所在地 | 高知県室戸市室戸岬町 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 室戸岬灯台 | 高知県観光情報Webサイト |
足摺岬・足摺岬灯台
足摺岬【あしずりみさき】は、高知県南西部(土佐清水市)に位置し、太平洋に突き出る足摺半島南東端の岬である。四国最南端でもある。
黒潮によって浸食された断崖は約80 mの高さがある。南向きの岬であるため、各所からは日の出や日の入りが一望できる。しかし、よく台風の進路にあたる場所であることから「台風銀座」とも呼ばれ、しばしば暴風に見舞われる。
足摺岬灯台は、そんな足摺岬の突端に立つ白亜のコンクリート造りの大型灯台である。塔高は18.1mで、海面からの灯高は60.6 mである。
足摺岬の周囲はツバキ、ウバメガシやビロウ等の亜熱帯植物が密生している。沖合いはカツオの好漁場として知られる。そのため土佐清水市はカツオのたたきなどで有名である。
名 称 | 足摺岬・足摺岬灯台 |
所在地 | 高知県土佐清水市足摺岬字足摺山214番地5 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 足摺岬・足摺岬灯台 | 土佐清水市観光協会 足摺岬灯台 – 土佐清水市 |
愛媛県の灯台
佐田岬・佐田岬灯台
佐田岬灯台は、佐田岬半島の先端の岸壁に、大正7年(1918年)に建設された白亜の灯台である。塔高は18 m、海面からの灯高は49 mである。光達距離は19海里(約35km)に及ぶ。
佐田岬灯台は、四国の最西端に位置するため、晴れた日には豊予海峡を隔てて九州を遠望できるという。夕暮れになると海に沈む夕日を間近に眺めることもできる。
名 称 | 佐田岬・佐田岬灯台 |
所在地 | 愛媛県西宇和郡伊方町正野 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 佐田岬灯台|愛媛県の公式観光サイト |
日本の灯台50選一覧
日本の灯台50選は、平成10年(1998年)11月1日の第50回灯台記念日の行事として、海上保安庁が募集し、一般の投票によって選ばれた「あなたが選ぶ日本の灯台50選」の灯台群である。(引用: ウィキペディア(Wikipedia))
最近の灯台は鉄筋コンクリート造になっているが、明治時代に造られた灯台には石造のものが多い。そのためか今なお現役の灯台も多いように思う。これらの多くは貴重な文化歴史遺産であるとの認識から保存灯台として次の世代にも引き継がれていく。
日本の灯台50選のリストを下記に記す。
保 | 灯台名 | 構造 | 塔高 | 所在地 | 初点灯日 |
---|---|---|---|---|---|
稚内灯台 | コン | 43 | 北海道稚内市 | 1900.12.10 | |
宗谷岬灯台 | コン | 17 | 北海道稚内市 | 1885.09.25 | |
知床岬灯台 | コン | 12 | 北海道斜里町 | 1963.10.15 | |
納沙布岬灯台 | コン | 14 | 北海道根室市 | 1872.08.15 | |
花咲灯台 | コン | 10 | 北海道根室市 | 1890.11.01 | |
落石岬灯台 | コン | 15 | 北海道根室市 | 1890.10.15 | |
襟裳岬灯台 | コン | 14 | 北海道えりも町 | 1889.06.25 | |
チキウ岬灯台 | コン | 15 | 北海道室蘭市 | 1920.04.01 | |
恵山岬灯台 | コン | 19 | 北海道函館市 | 1890.11.01 | |
A | 尻屋埼灯台 | レン | 33 | 青森県東通村 | 1876.10.20 |
大間埼灯台 | コン | 25 | 青森県大間町 | 1921.11.01 | |
龍飛埼灯台 | コン | 14 | 青森県外ヶ浜町 | 1932.07.01 | |
鮫角灯台 | コン | 23 | 青森県八戸市 | 1938.02.16 | |
陸中黒埼灯台 | コン | 12 | 岩手県普代村 | 1952.07.01 | |
魹ヶ埼灯台 | コン | 34 | 岩手県宮古市 | 1902.03.01 | |
A | 金華山灯台 | 石造 | 13 | 宮城県石巻市 | 1876.11.01 |
入道埼灯台 | コン | 28 | 秋田県男鹿市 | 1898.11.08 | |
塩屋埼灯台 | コン | 24 | 福島県いわき市 | 1899.12.15 | |
A | 犬吠埼灯台 | レン | 31 | 千葉県銚子市 | 1874.11.15 |
野島埼灯台 | コン | 29 | 千葉県南房総市 | 1870.01.22 | |
観音埼灯台 | コン | 19 | 神奈川県横須賀市 | 1869.02.11 | |
A | 姫埼灯台 | 鉄造 | 14 | 新潟県佐渡市 | 1895.12.10 |
A | 禄剛埼灯台 | 石造 | 12 | 石川県珠洲市 | 1883.07.10 |
大野灯台 | コン | 26 | 石川県金沢市 | 1934.03.01 | |
石廊埼灯台 | コン | 11 | 静岡県南伊豆町 | 1871.10.05 | |
A | 神子元島灯台 | 石造 | 23 | 静岡県下田市 | 1871.01.01 |
A | 御前埼灯台 | レン | 22 | 静岡県御前崎市 | 1874.05.01 |
伊良湖岬灯台 | コン | 15 | 愛知県田原市 | 1929.11.20 | |
神島灯台 | コン | 11 | 三重県鳥羽市 | 1910.05.01 | |
A | 菅島灯台 | レン | 10 | 三重県鳥羽市 | 1873.07.01 |
安乗埼灯台 | コン | 13 | 三重県志摩市 | 1873.04.01 | |
大王埼灯台 | コン | 23 | 三重県志摩市 | 1927.10.05 | |
A | 経ヶ岬灯台 | 石造 | 12 | 京都府京丹後市 | 1898.12.25 |
A | 潮岬灯台 | 石造 | 23 | 和歌山県串本町 | 1873.09.15 |
A | 美保関灯台 | 石造 | 14 | 島根県松江市 | 1898.11.08 |
A | 出雲日御碕灯台 | 石造 | 44 | 島根県出雲市 | 1903.04.01 |
D | 高根島灯台 | 石造 | 5 | 広島県尾道市 | 1897.05.15 |
A | 角島灯台 | 石造 | 30 | 山口県下関市 | 1876.03.01 |
A | 男木島灯台 | 石造 | 12 | 香川県高松市 | 1895.12.10 |
佐田岬灯台 | コン | 18 | 愛媛県伊方町 | 1918.04.01 | |
A | 室戸岬灯台 | 鉄造 | 15 | 高知県室戸市 | 1899.04.01 |
足摺岬灯台 | コン | 18 | 高知県土佐清水市 | 1914.04.01 | |
A | 部埼灯台 | 石造 | 10 | 福岡県北九州市 | 1871.01.22 |
B | 白州灯台 | 石+鉄 | 17 | 福岡県北九州市 | 1873.09.01 |
大瀬埼灯台 | コン | 16 | 長崎県五島市 | 1879.12.15 | |
女島灯台 | 石造 | 11 | 長崎県五島市 | 1927.12.01 | |
A | 水ノ子島灯台 | 石造 | 39 | 大分県佐伯市 | 1904.03.20 |
都井岬灯台 | コン | 15 | 宮崎県串間市 | 1929.12.22 | |
佐多岬灯台 | コン | 13 | 鹿児島県南大隅町 | 1871.10.18 | |
平安名埼灯台 | コン | 25 | 沖縄県宮古島市 | 1967.03.27 |
1998年(平成10年)11月1日の第50回灯台記念日の行事として、海上保安庁が募集し、一般の投票によって選ばれた「あなたが選ぶ日本の灯台50選」の灯台群である(引用: ウィキペディア)。A:保存灯台(Aランク)、B:保存灯台(Bランク)、D:保存灯台(Dランク)、コン:コンクリート造、レン:レンガ造、塔高の単位:m
日本の保存灯台
私が「保存灯台」という呼び名があることを知ったのは最近のことである。灯台好きを自負していたわりにはお粗末な話で、本当に恥ずかしい。
保存灯台は、明治時代に建設された現役の灯台の中で、特に歴史的・文化財的価値が高いものを海上保安庁が選んで、保存処置している灯台のことをいう。
日本の灯台のうち、明治時代に建設され、今なお現役で活躍しているものは67基あるというが、築後100年ほどが経過したことで、歴史的・文化財的価値も増してきている。
保存灯台のクラス分け
灯台を管轄する海上保安庁では、1985年(昭和60年)に有識者を交えた「灯台施設調査委員会」を結成し、これらの灯台の文化資産的価値を検討し、価値の高い順にAランク(23基)、Bランク(10基)、Cランク(15基)、Dランク(16基)と4段階に区分した。
保存灯台一覧(Aランク:23基)
1991年(平成3年)に灯台施設保全委員会を設置し、Aランクに指定された灯台について、景観を損ねない改修や保存方法をはかっている。これらのAランクの灯台を「保存灯台」と呼ぶ。
灯台名 | 構造 | 塔高 | 所在地 | 初点灯日 |
---|---|---|---|---|
尻屋埼灯台 | レン | 33 | 青森県東通村 | 1876.10.20 |
金華山灯台 | 石造 | 13 | 宮城県石巻市 | 1876.11.01 |
犬吠埼灯台 | レン | 31 | 千葉県銚子市 | 1874.11.15 |
姫埼灯台 | 鉄造 | 14 | 新潟県佐渡市 | 1895.12.10 |
禄剛埼灯台 | 石造 | 12 | 石川県珠洲市 | 1883.07.10 |
神子元島灯台 | 石造 | 23 | 静岡県下田市 | 1871.01.01 |
清水灯台 | コン | 18 | 静岡県静岡市 | 1912.03.01 |
御前埼灯台 | レン | 22 | 静岡県御前崎市 | 1874.05.01 |
菅島灯台 | レン | 10 | 三重県鳥羽市 | 1873.07.01 |
経ヶ岬灯台 | 石造 | 12 | 京都府京丹後市 | 1898.12.25 |
潮岬灯台 | 石造 | 23 | 和歌山県串本町 | 1873.09.15 |
友ヶ島灯台 | 石造 | 12 | 和歌山県和歌山市 | 1872.08.01 |
江埼灯台 | 石造 | 8 | 兵庫県淡路市 | 1871.06.14 |
美保関灯台 | 石造 | 14 | 島根県松江市 | 1898.11.08 |
出雲日御碕灯台 | 石造 | 44 | 島根県出雲市 | 1903.04.01 |
角島灯台 | 石造 | 30 | 山口県下関市 | 1876.03.01 |
男木島灯台 | 石造 | 12 | 香川県高松市 | 1895.12.10 |
鍋島灯台 | 石造 | 10 | 香川県坂出市 | 1872.11.15 |
釣島灯台 | 石造 | 10 | 愛媛県松山市 | 1873.06.15 |
室戸岬灯台 | 鉄造 | 15 | 高知県室戸市 | 1899.04.01 |
部埼灯台 | 石造 | 10 | 福岡県北九州市 | 1871.01.22 |
水ノ子島灯台 | 石造 | 39 | 大分県佐伯市 | 1904.03.20 |
鞍埼灯台 | コン | 14 | 宮崎県日南市 | 1884.08.15 |
明治時代に建設された現役の灯台の中で、特に歴史的・文化財的価値が高いもの(Aランク)を海上保安庁が選んで、保存処置している灯台(引用: ウィキペディア)。コン:コンクリート造、レン:レンガ造、塔高の単位:m
Aランク以外の現役灯台一覧
クラス分けの結果、Bランク(10基)、Cランク(15基)、およびDランク(16基)に区分された灯台について調べたところ下記のようなリストになった。
Bランクの現役灯台(10基)
灯台名 | 構造 | 塔高 | 所在地 | 初点灯日 |
---|---|---|---|---|
横浜北水堤灯台 | 鉄造 | 15 | 神奈川県横浜市 | 1896.05.16 |
掛塚灯台 | コン | 16 | 静岡県磐田市 | 1897.03.25 |
樫野埼灯台 | 石造 | 15 | 和歌山県串本町 | 1870.07.08 |
安芸白石灯標 | 石造 | 20 | 広島県大竹市 | 1903.04.01 |
六連島灯台 | 石造 | 11 | 山口県下関市 | 1872.11.21 |
白州灯台 | 石+鉄 | 17 | 福岡県北九州市 | 1873.09.01 |
口之津灯台 | レン | 7 | 長崎県南島原市 | 1880.03.10 |
関埼灯台 | 鉄造 | 10 | 大分県大分市 | 1901.07.20 |
姫島灯台 | 石造 | 12 | 大分県姫島村 | 1904.03.20 |
屋久島灯台 | 石造 | 20 | 鹿児島県屋久島町 | 1897.01.10 |
明治時代に建設された現役の灯台の中で、特に歴史的・文化財的価値が高いもの(Bランク)を海上保安庁が選んで、保存処置している灯台。コン:コンクリート造、レン:レンガ造、塔高の単位:m
Cランクの現役灯台(15基)
灯台名 | 構造 | 塔高 | 所在地 | 初点灯日 |
---|---|---|---|---|
石狩灯台 | 鉄造 | 14 | 北海道石狩市 | 1908.–.– |
立石岬灯台 | 石造 | 8 | 福井県敦賀市 | 1881.07.20 |
平磯灯台 | コン | 12 | 兵庫県神戸市 | 1893.11.01 |
馬島灯台 | 石造 | – | 島根県浜田市 | 1898.–.– |
中ノ鼻灯台 | 石造 | 5 | 広島県大崎上島町 | 1894.05.17 |
小佐木島灯台 | 石造 | 7 | 広島県小佐木島 | 1894.07.04 |
大浜埼灯台 | 石造 | 9 | 広島県尾道市 | 1894.07.04 |
中ノ瀬灯標 | – | – | 広島県沖美町 | 1903.–.– |
百貫島灯台 | 石造 | 9 | 愛媛県百貫島 | 1894.05.15 |
大下島灯台 | 石造 | 9 | 愛媛県今治市 | 1894.05.15 |
中渡島灯台 | 石造 | 9 | 愛媛県今治市 | 1900.–.– |
伏瀬灯標 | コン | – | 長崎県崎戸町 | 1908.11.06 |
豆酘埼ミョー瀬 照射灯(標柱) | コン | 23 | 長崎県対馬市 | 1909.03.19 |
上的島灯台 | 石造 | 7 | 熊本県天草市 | 1897.04.08 |
寺島灯台 | 石造 | 11 | 熊本県宇城市 | 1898.05.10 |
明治時代に建設された現役の灯台の中で、特に歴史的・文化財的価値が高いもの(Cランク)を海上保安庁が選んで、保存処置している灯台。コン:コンクリート造、塔高の単位:m
Dランクの現役灯台(16基)
灯台名 | 構造 | 塔高 | 所在地 | 初点灯日 |
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伊豆岬灯台 | 石造 | 10 | 東京都三宅島 | 1909.06.01 |
長太夫礁灯標 | 石造 | 9 | 広島県尾道市 | 1894.–.– |
高根島灯台 | 石造 | 5 | 広島県尾道市 | 1897.05.15 |
屋形石灯標 | コン | 8 | 広島県江田島市 | 1904.02.– |
西五番之砠灯標 | 石造 | 13 | 広島県倉橋町 | 1904.03.10 |
蓋井島灯台 | コン | 15 | 山口県蓋井島 | 1912.–.– |
根ナシ礁灯標 | 石造 | 17 | 山口県屋代島 | 1902.04.01 |
波節岩灯標 | 石造 | 13 | 香川県丸亀市 | 1895.01.25 |
叶埼灯台 | コン | 8 | 高知県土佐清水市 | 1911.08.20 |
クダコ島灯台 | 石造 | 10 | 愛媛県松山市 | 1903.04.10 |
大藻路岩灯標 | 石造 | 15 | 福岡県北九州市 | 1895.02.15 |
面高白瀬灯台 | コン | – | 長崎県西海市 | 1903.–.– |
戸島灯台 | 石造 | 6 | 熊本県天草市 | 1897.04.20 |
戸馳島灯台 | 石造 | 8 | 熊本県宇城市 | 1898.05.– |
五通礁灯標 | コン | 12 | 熊本県天草市 | 1904.03.20 |
守江港灯標 | レン | 10 | 大分県杵築市 | 1900.08.01 |
明治時代に建設された現役の灯台の中で、特に歴史的・文化財的価値が高いもの(Dランク)を海上保安庁が選んで、保存処置している灯台。コン:コンクリート造、レン:レンガ造、塔高の単位:m
灯台の保存活動:
和田岬灯台(2代目)の場合
灯台施設調査委員会が発足する以前にも灯台の保存活動は行われており、酒田灯台(初代)、和田岬灯台(2代目)や安乗埼灯台(初代)のように老朽化が懸念され、元の場所に設置が困難な灯台の場合には文化施設等に移設され保存されている。
(引用:ウィキペディア)
あとがき
断崖絶壁の岬の先端に建つ白亜の灯台に魅了されるのは私だけではないはずだ。何故、魅了されるのかは各人によってその理由は異なるかも知れないが、擬人化した孤高の気高さを感じて感傷的にすらなる。
日本全国には数多くの灯台があるので、その全部を観て回ることは私にはできない。せめて日本の灯台50選に選ばれている灯台や保存灯台に指定されている灯台ぐらいは生きている間に観て回りたいものだが、夢は叶うだろうか。