はじめに
瀬戸内海【せとないかい】国立公園は、瀬戸内海を中心とする国立公園である。公園の指定区域は広く、東は和歌山市から西の北九州市にまで及ぶ広大な公園である。指定区域に含まれる都道府県は、和歌山・兵庫・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・福岡・大分の10県にも及ぶ。
そもそも瀬戸内海とは本州、四国、九州に挟まれた内海で、沿岸地域を含めて瀬戸内【せとうち】とも呼ばれている。瀬戸内海は内海であるので、太平洋や日本海などの外海と違って海が荒れることが少なく、海の色もきれいで、独特な雰囲気がある。
鞆の浦(広島県)など歴史のある港町も瀬戸内沿岸には多い。かつて瀬戸内は現在以上に海上交通や陸上交通の要衝として栄えていたという証左である。
瀬戸内海には多数の島がある。大小の島々がおよそ730ほどもあるという。大きさ順で言えば、トップ3は、淡路島(兵庫県)、小豆島(香川県)、そして周防大島(山口県)である。
島が多い瀬戸内海では大規模な吊橋も多い。明石海峡大橋や大鳴門橋、瀬戸大橋やしまなみ海道に架かる7つの大吊橋、関門海峡に架かる関門橋など規模と数で他の地域を圧倒している。
昔、学校で習ったように、温暖で雨量が少ない気候、いわゆる「瀬戸内式気候」が特徴の地域でもある。なかでも岡山県は「晴れの国」と呼ばれていて、降水日数が全国で一番少ないらしい。
瀬戸内海は、新鮮な魚介類にも恵まれている地域である。タコ、カキ、タイ、タチウオ、サワラやフグなどの魚介類が特に有名である。海鮮グルメは旅の楽しみにもなっている。
また、愛媛県、広島県、山口県ではみかんやレモンなどの柑橘類の栽培が多い。岡山県では桃や葡萄などが栽培されている。ご当地のソフトクリームやジェラートなどにも利用されていたりするので、旅の想い出として食するのは楽しい。
このように瀬戸内の旅は、独特の風情と時間の経過を忘れさせてくれる憩いにもなる。瀬戸内が国立公園に指定されているのは至極当然にように実感する。そう思うのは私だけではあるまい。
和歌山県
和歌山県内における瀬戸内海国立公園の指定地は、加太と和歌浦の2ヶ所である。
加太
加太【かた】は、かつては寄港地として栄えた、漁業が中心の港町で、四国を望む景勝地である。加太に属する友ヶ島【ともがしま】は、紀淡海峡に位置する無人島で、第二次世界大戦中の砲台跡が残されている。友ヶ島は、地ノ島、神島、沖ノ島、虎島の総称である。
和歌浦
和歌浦【わかうら】は、かつて万葉の歌垣として知られた景勝地である。その和歌浦の西部に位置する「新和歌浦」の裏手、紀伊水道に位置する景勝地が雑賀崎【さいかざき】である。
雑賀崎
雑賀崎【さいかざき】は、瀬戸内海国立公園の指定特別区域にあり、雑賀崎漁港周囲の丘陵部に家々が建ち並ぶ風景から「日本のアマルフィ」とも呼ばれている。
アマルフィは、ユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されているアマルフィ海岸の中核都市(人口約5,100人)で観光拠点である。急峻なアマルフィ海岸に面して築かれたイタリアの都市で、中世にはアマルフィ公国(アマルフィ共和国)として自立し、強盛を誇った海洋国家であったらしい。(引用:ウィキペディア)
名 称 | 雑賀崎 |
所在地 | 和歌山県和歌山市雑賀崎 |
Link | 雑賀崎まち歩き体験 | 和歌山県公式観光サイト |
雑賀崎灯台
雑賀崎灯台【さいかざきとうだい】は、昭和35年(1960年)に建設された灯台で、塔高は7.7m、灯高は75mである。光達距離は18海里(約33km)に及ぶという。
雑賀崎灯台は、夕陽展望の名所として知られており、紀伊水道に沈む夕陽を気軽に眺めることのできる。
名 称 | 雑賀崎・雑賀崎灯台 |
所在地 | 和歌山県和歌山市雑賀崎 |
Link | 雑賀崎灯台・展望広場|和歌山市 |
兵庫県
兵庫県内における瀬戸内海国立公園の指定地は、六甲山地、淡路島、播磨灘沿岸と家島諸島の4つのエリアである。
六甲山地
六甲山地は、瀬戸内国立公園内の陸地部分の指定地において最も広範な面積を占める。古くから瀬戸内海を望む景勝地として知られる。
最高峰の六甲山(標高931m)を始め、摩耶山【まやさん】、再度山【ふたたびさん】や長峰山などが六甲山地としてそびえる。六甲山からは神戸市街や神戸港は勿論のこと、遠くは大阪平野を望むことができる。
摩耶山にある掬星台【きくせいだい】は、日本三大夜景の一つである神戸の夜景の展望台としても有名である。勿論、六甲山からは別の場所からでも神戸の夜景を展望できる。
摩耶山掬星台の混雑を避け、別の場所からゆっくりと神戸の夜景を楽しむことを個人的には勧めたい。
六甲山地の周辺には日本有数の名湯で知られる有馬温泉を始め、武田尾温泉などの温泉地もある。
名 称 | 六甲山地 |
所在地 | 兵庫県神戸市灘区六甲山町 |
駐車場 | あり(有料) |
Link | 六甲山 | 【公式】兵庫県観光サイト HYOGO!ナビ |
淡路島
淡路島【あわじしま】は、瀬戸内海東端に位置する島で、兵庫県に属する。
淡路島における瀬戸内海国立公園の指定地としては、明石海峡を挟む松帆の浦、汐鳴山など北岸の一部、津名丘陵の妙見山近辺、先山千光寺一帯、大浜海岸と三熊山、由良海岸と一部山岳地帯、諭鶴羽山地の一部及び沼島、慶野松原、そして鳴門海峡沿岸の一部が指定されている。
明石海峡
明石海峡【あかしかいきょう】は、淡路島(淡路市)と明石市・神戸市の間に位置し、大阪湾と播磨灘を分ける海峡である。
明石海峡には明石海峡大橋が架かっている。
明石海峡大橋は、神戸市垂水区東舞子町と淡路市岩屋とを結ぶ、全長3,911 mの吊橋である。
本州と四国を結ぶ3本の本州四国連絡橋ルートの一つ「神戸淡路鳴門自動車道」の一部として供用されている。
名 称 | 明石海峡大橋 |
所在地 | 神戸市垂水区東舞子町 |
Link | 明石海峡大橋ブリッジワールド-JB本四高速- 明石海峡大橋 | 【公式】淡路島西海岸 by PASONA 明石海峡大橋【公式】兵庫県観光サイト HYOGO!ナビ |
慶野松原
慶野松原【けいのまつばら】は、兵庫県南あわじ市松帆古津路から松帆慶野に位置する、播磨灘に面した松原である。
海岸の砂浜に約2.5kmに渡って約5万本のクロマツ林が広がる景勝地であり、国の名勝に指定されている。遊歩道も整備されているのでゆっくり散策するのに最高の場所の一つである。
慶野松原において特に有名なものに「根上がりの松」がある。慶野松原には他にも根が浮いている松は多くあるが、この松は群を抜いて根が浮いて生育している。暴風で倒れないか心配してしまうほどである。
また、松原を背に海岸から眺めることができる播磨灘に沈む夕陽は非常に美しい。夕陽鑑賞スポットとしても有名な場所である。
名 称 | 慶野松原 |
所在地 | 兵庫県南あわじ市松帆古津路・慶野 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 慶野松原 | 兵庫県公式観光サイト |
由良海岸・成ヶ島
由良海岸は、洲本市由良町由良の東側に位置する、紀淡海峡に面した海岸である。由良湾内ではハマチの養殖が行われている。由良港は、天然の良港であり、かつて瀬戸内の海上交通上、重要な紀淡海峡における交易拠点として栄えた場所である。かつては安宅水軍の本拠地であり、戦国時代には洲本の政治・産業の中心でもあったと伝わる。
景勝地である成ヶ島【なるがしま】は、由良海岸から約100mほど離れた沖合に、紀淡海峡に面して、南北に約2.5kmにわたり細長く伸びた砂州で形成された島(陸繋島)である。海岸線が入り組み、変化に富んでいるので人気の観光スポットとなっているようだ。
成ヶ島へは由良港から渡し船があり、約2分ほどで島に連絡している。成ヶ島に行く場合は渡船を利用することになる。
名 称 | 由良海岸・成ヶ島 |
所在地 | 兵庫県洲本市由良町由良 |
Link | 紀淡海峡と由良・成ヶ島 | 淡路島観光ガイド 成ヶ島 | 【公式】兵庫県観光サイト HYOGO!ナビ |
播磨灘沿岸
播磨灘沿岸のおける瀬戸内海国立公園の指定地としては、新舞子海岸(たつの市)から室津海岸を経て坂越浦沖の生島、そして赤穂御崎に至る沿岸部一帯が該当する。
新舞子海岸
新舞子海岸は、兵庫県たつの市御津町に位置する砂浜海岸である。名称の由来は、神戸市垂水区にある舞子海岸に似た材質を持つ砂浜であり、風景も非常に似ていることからであるという。
名 称 | 新舞子海岸 |
所在地 | 兵庫県たつの市御津町黒崎1414 |
駐車場 | あり(有料) |
Link | 新舞子浜 – 【公式】兵庫県たつの市の観光サイト 新舞子浜 |【公式】兵庫県観光サイト HYOGO!ナビ |
室津海岸
室津海岸【むろつかいがん】は、播磨灘に面し、藻振ノ鼻(室津半島先端部)と金ヶ崎(たつの市と相生市の市境)で囲まれた室津湾に面する海岸である。
室津は、兵庫県たつの市に属し、港町として約1300年の歴史を持つ。奈良時代に行基によって港として整備され、江戸時代には日本最大級の宿場町として栄華を極めたらしい。
大半の西国大名が参勤交代のために海路で室津港に上陸して、そこから陸路を江戸へと向かって行ったためだと言われている。宿場に建つ本陣(身分が高い者が泊まった建物)は、通常1軒、多くとも2軒あるが、室津には本陣が6軒もあったという。海上交通と陸上交通の要衝として室津は大いに栄えたのだろう。
栄枯必衰ではないが、明治時代になると参勤交代の制度が無くなり、鉄道や道路が内陸部に発達すると急速に衰退していったという。現在では、室津は瀬戸内海の一漁港に過ぎないが、カキの養殖が盛んで漁業の町として知られている。
古い街並みが残こされているので、今では歴史と風光明媚な漁村の雰囲気を求めて多くの観光客が訪れる観光地になっている。
名 称 | 室津海岸 |
所在地 | 兵庫県たつの市御津町室津小川 |
Link | 室津 | 【公式】兵庫県観光サイト HYOGO!ナビ 室津漁港(室津港)【公式】兵庫県たつの市の観光サイト |
金ヶ崎
金ヶ崎【かねがさき】は、播磨灘に面する相生湾【あいおいわん】の東端に位置する岬である。
山部赤人がこの地で歌を読み、その歌が万葉集に記載されているためこの岬を「万葉の岬」と呼ぶ。山部赤人をはじめ3基の歌碑が設置されている。万葉歌碑の周辺には、多種類のツバキ(椿)を植栽している「つばき園」もある
金ヶ崎からは相生湾に浮かぶ君島が正面に良く見える。また、家島諸島の浮かぶ播磨灘が一望できる。
奈良時代の歌人、赤部赤人【やまべのあかひと】がこの地で歌を詠み、その歌が万葉集に記載されていることからこの岬を「万葉の岬」と呼ぶらしい。
【山部赤人が詠んだ歌(万葉集巻三・三五七)】 「縄の浦ゆ 背向に見ゆる 奥つ島 漕ぎ廻る舟は 釣しすらしも」 |
万葉の岬(金ケ崎)は、 相生湾(瀬戸内海)が180度展望できる絶景スポットであり、晴れた日には、東は明石海峡大橋、南に四国の稜線、西は牛窓まで見通すことができるという。ここから眺める朝日や夕日もきっと素晴らしいに違いない。
万葉の岬(金ケ崎)には、相生市の市木にもなっている椿が咲き誇る「つばき園」がある。園内には約30品種、約200本の椿が植栽されており、12月~4月にかけて開花するという。
名 称 | 金ヶ崎 |
所在地 | 兵庫県相生市相生金ケ崎5321 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 万葉の岬 | 相生市観光協会公式サイト 万葉の岬 – 相生市 相生文学碑めぐり(18)縄の浦山部赤人万葉歌碑 |
赤穂御崎
御崎【みさき】は、兵庫県赤穂市御崎に属し、播磨灘に面する岬である。
海岸線には奇岩や節理などの崖と磯が続く変化に富んだ岬で、沖合に家島諸島や小豆島が展望できる景勝地として知られる。
海岸線に沿って遊歩道も整備され、沿道には伊和都比売神社も鎮座する.
赤穂御崎温泉のエリアには旅館や保養所が並ぶ。赤穂御崎遊歩道が整備されており、海岸沿いにゆっくりと散策するには最高の場所である。
名 称 | 赤穂御崎公園 |
所在地 | 兵庫県赤穂市御崎 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 赤穂御崎公園|赤穂市を代表する夕日百選の岬 |
家島諸島
家島諸島【いえしましょとう】は、播磨灘に位置し、兵庫県姫路市の沖合い約18kmにある、姫路市に属する大小40余りの島々である。有人島はわずか4島(家島、坊勢島、男鹿島、西島)で、他の島は無人島である。
典型的な沈水海岸であり、溺れ谷が発達した変化に富んだ海岸が特徴的であるため景勝地に挙げられている。
名 称 | 家島諸島 |
所在地 | 兵庫県姫路市家島町宮110-1 |
Link | 帰りたくなる場所|MY HOME ISLAND 家島諸島 家島諸島 | 【公式】兵庫県観光サイト HYOGO!ナビ |
岡山県
岡山県内における瀬戸内海国立公園の主な指定地は、日生諸島と児島半島の2つのエリアである。
日生諸島
日生諸島【ひなせしょとう】は、岡山県南東部に位置する、日生町の南方沖にある14の島々である。海産資源が豊富で、カキの養殖も盛んであるという。
夕立受山
夕立受山【ゆうだちうけやま】は、岡山県備前市の片上湾の入口に位置する山で、展望所からは片上湾や日生諸島を眼下に見ることができる。日生諸島の展望台と言ってよいかも知れない。
名 称 | 夕立受山【ゆうだちうけやま】 |
所在地 | 岡山県備前市穂浪 |
Link | 瀬戸内海国立公園夕立受山| 岡山観光WEB【公式】 夕立受山-岡山県の山(備前市) |
牛窓
牛窓【うしまど】は、かつて「唐子の瀬戸」と呼ばれた風待ち・潮待ちの良港である牛窓港の後背地として発展した地域である。
江戸時代には岡山藩に属し、大名たちの参勤交代や朝鮮通信使の停泊港・宿泊地とされて賑わい、造船の町としても栄えたというが、明治時代以降は瀬戸内の海上交通の縮小によって衰退した。
近年はマリンスポーツの好適地として発展し、温暖な気候を生かしたオリーブ栽培が盛んである。また、瀬戸内海に沈む夕日の景勝地として知られ、「日本のエーゲ海」とも呼ばれている。
名 称 | 牛窓【うしまど】 |
所在地 | 岡山県瀬戸内市牛窓町牛窓 |
Link | 牛窓地域の紹介 – 瀬戸内市公式ホームページ 牛窓の町並み | 岡山観光WEB【公式】 |
児島半島
児島半島一帯は、鷲羽山や王子ヶ岳・渋川海岸の他にも国立公園の指定区域が点在する。出崎(玉野市)、十禅寺山、東光寺山、八丈岩山、竜王山、由加山などが指定されている。
王子ヶ岳
王子が岳【おうじがだけ】(標高約230m)は、児島半島の玉野市と倉敷市児島の境に位置する山稜である。山名の由来は、かつて同地に百済の王女が生んだ8人の王子が住んでいたという伝承による。
王子が岳は、海岸から切り立った巨石や奇石が並び立つ山で、風化した巨大な花崗岩が露出する山頂からは瀬戸大橋をはじめ四国の山々も遠望することができる。また、麓の海岸は渋川海岸へと続いている。
王子が岳は、現在では地形を生かしたパラグライダーやボルダリングの名所、そして初日の出スポットとしても知られる。
名 称 | 王子ヶ岳 |
所在地 | 岡山県玉野市渋川4丁目 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 王子が岳 | 瀬戸内 玉野 観光ガイド「公式」 王子が岳|岡山観光WEB【公式】 |
渋川海岸
渋川海岸【しぶかわかいがん】は、児島半島の南岸に位置する海岸で、綺麗な砂浜と松林の海岸である。夏季(6月末~8月末)には海水浴場が開設されていて、岡山県下最大の賑わいを見せるという。
名 称 | 渋川海岸 |
所在地 | 岡山県玉野市渋川2-5 |
駐車場 | あり(有料) |
Link | 渋川海水浴場 | 瀬戸内 玉野 観光ガイド「公式」 渋川海水浴場(渋川海岸) | 岡山観光WEB【公式】 |
鷲羽山
鷲羽山【わしゅうざん】(標高133m)は、児島半島最南端に位置する山である。山名は、北東側から遠望すると、鷲が翼を広げた姿に見えることに由来しているとされる。その秀でた風景により国の名勝に指定されている。
瀬戸内海に面し、山頂展望台からは瀬戸大橋全景や備讃瀬戸に浮かぶ塩飽諸島の島々を望める。瀬戸内海国立公園を代表する景勝地の一つであることに相違はない。
三百山は、鷲羽山連峰の一つであり、ツツジの名所と知られる。
一方、その頂上からは「日本の夕陽百選」に選ばれた瀬戸内海の美しい夕景が見られることでも有名である。
瀬戸内海に浮かぶ島影が眼下の瀬戸大橋と共に夕陽をより感傷的にさせる。
名 称 | 鷲羽山連峰・三百山 |
所在地 | 岡山県倉敷市下津井 |
Link | 鷲羽山連峰・三百山 | 倉敷観光WEB |
広島県
鞆の浦
鞆の浦【とものうら】は、沼隈半島【ぬまくまはんとう】の南端に位置する港湾およびその周辺海域を指す。古代より潮待ちの港として知られていた。
沿岸部と沖の島々一帯は「鞆公園」として国の名勝にも指定されている。鞆の浦に含まれる島には仙酔島【せんすいじま】、つつじ島、皇后島、弁天島、玉津島、津軽島がある。
鞆の浦【とものうら】は、福山駅から南へ14kmの瀬戸内海沿岸のほぼ中央に位置する。古くから「潮待ちの港」として栄え、瀬戸内海国立公園を代表する景勝地の1つとなっている。
「潮待ち」とは、潮流を利用して航行する船が潮流の向きが変わるのを待つことを意味する。
潮待ちの港として栄えた鞆の浦には古い土壁のつづく路地や情緒ある家並、昔の土蔵などがその当時のおもかげが残されている。
江戸時代には北前船の寄港地としても栄え、朝鮮通信使も幕府の慶賀などのために度々寄港したという。迎賓の場所として福禅寺が使われたようで、福禅寺本堂隣の「対潮楼」は1690年頃に客殿として建てられ、賓客の宿舎として使われたという。
座敷からは弁天島や瀬戸内海の絶景が眺められる。
朝鮮通信使であった李邦彦が鞆の浦の景色を眺めて「日東第一形勝」(朝鮮より東で一番美しい景勝地)と称賛したという話が残されている。
鞆の浦は国内外との交易で栄えた港であり、歴史的に名高い旧跡や遺構も多く残されている。幕末に坂本龍馬が乗船した「いろは丸」が紀州藩の軍艦「明光丸」と鞆の浦沖で衝突し、坂本龍馬と龍馬率いる海援隊が鞆の浦に上陸して賠償交渉を行ったという史跡もある。坂本龍馬が隠れ潜んだ部屋も公開されている。
名 称 | 鞆の浦 |
所在地 | 広島県福山市鞆の浦 |
Link | 鞆の浦(とものうら) – 福山市HP |
弁天島
弁天島【べんてんじま】は、鞆港と仙酔島【せんすいじま】との中間に位置する無人島である。鞆の浦から望む代表的な景観になっている。
鞆港から船で仙酔島へ渡る際には進行方向の右手に弁天島を見ることができる。一般観光客は弁天島へは渡れない。
仙酔島
仙酔島【せんすいじま】は、鞆の浦から船で5分のところに浮かぶ無人島であり、瀬戸内海国立公園を代表する景勝地でもある。
仙酔島には仙人が住んでいたという伝説があり、「仙人が酔う程に美しい島」というのが島の名前の由来と言われている。
江戸時代の学者・頼山陽は、仙酔島や瀬戸内海の美しさを見て「山紫水明」という言葉を生み出したと伝わる。
仙酔島の南側の海岸線沿いには、「五色岩」と呼ばれる、青・赤・黄・白・黒の5色の岩が200m以上続いている、全国でも珍しい貴重な岩場がある。
島内には、宿泊施設、海水浴場やキャンプ場がある他、ハイキングコースも整備されているので天候が良ければアウトドアの娯楽に最適な場所となる。
名 称 | 仙酔島 |
所在地 | 広島県福山市鞆町後地 |
Link | 仙酔島(せんすいじま) – 福山市HP |
阿伏兎岬
阿伏兎岬【あぶとみさき】は、鞆のすぐ西側に位置する、海食崖となっている岬である。
岬の頂には、阿伏兎観音【あぶとかんのん】とも呼ばれる磐台寺【ばんだいじ】の観音堂【かんのんどう】が建っており、国の重要文化財に指定されている。この阿伏兎岬に建つ阿伏兎観音の景観は、瀬戸内海国定公園を代表する景勝地の一つとなっている。
磐台寺観音堂は、付近の航海の安全を祈願するために、石造十一面観音像を御本尊として祀り、992年に創建されたお堂である。御本尊は、瀬戸内海に面する阿伏兎岬【あぶとみさき】で祀られているので阿伏兎観音【あぶとかんのん】とも呼ばれる。
朱塗りの観音堂は、は毛利輝元によって創建されたもので、国の重要文化財に指定されている。
磐台寺観音堂は、瀬戸内海に映える素晴らしい景観として広く知られている。昔から航海の安全、子授け・安産の祈願所としても有名である。
磐台寺は、臨済宗妙心寺派の寺院で、瀬戸内三十三観音霊場第二十四番札所、備後西国三十三観音霊場第四番札所でもある。
名 称 | 磐台寺・観音堂(阿伏兎観音) |
所在地 | 広島県福山市沼隈町大字能登原阿伏兎1427-1 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 阿伏兎観音(磐台寺) | 福山観光コンベンション協会 阿伏兎観音/磐台寺観音堂 | 広島の観光・旅行情報サイト |
芸予諸島
芸予諸島【げいよしょとう】は、瀬戸内海において広島県(本州)と愛媛県(四国)の間に位置する、大小数百の島々を指す。
広島県(安芸国)と愛媛県(伊予国)に属しているため、両県の旧国名から一文字ずつ取って芸予諸島と呼ばれ、瀬戸内海中で、島々が最も密集した海域であるとされる。
芸予諸島の東西の境界は曖昧ではあるが、目安としては東の端が鞆の浦(広島県福山市)と愛媛県今治市を結ぶ線であり、西の端が能美島と倉橋島までとされている。
芸予諸島の約50島は有人島で、その主な島には能美島・因島・向島・倉橋島・大崎上島・生口島(いずれも広島県に所属)と大島・伯方島・大三島(いずれも愛媛県所属)などがある。
因島水軍城
因島村上氏は、中世南北朝時代から室町・戦国時代にかけて、因島を拠点としていた。
当初は小勢力に過ぎなかった村上氏が次第に勢力を拡大して周辺海域の海運を掌握していく中で因島村上氏は本州側の主要航路である「安芸地乗り」を抑え、航路周辺に海城や見張り台を構築していき、その付近の岩礁には船の係留場所を設けた。
海岸部では平地を埋め立て兵站および生活拠点を形成した。そこには海産物の加工場や、造船および修理場もあったらしい。
現在、因島水軍城に展示されている室町時代末期作の軽武装用鎧「白紫緋糸段威腹巻 附兜眉庇」は村上吉充が小早川隆景より拝領したと伝わっている。
因島村上氏の縄張りの最大範囲は、東端が現在の福山市域になる走る島あたりで、田島・百島には城があった。南側は弓削島、岩城島や生名島にも支配権があったとされる。
名 称 | 因島水軍城 |
所在地 | 広島県尾道市因島中庄町3228-2 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 因島水軍城 | いんのしま観光なび(因島観光協会) |
宮島
私たちが宮島または安芸の宮島【あきのみやじま】と呼んでいるのは、厳島【いつくしま】の通称であるという。正式には厳島と呼ばれ、神を斎【いつ】く(忌み清める)島という意味を持つ。
宮島は、古来より神が宿る神聖な島として、自然崇拝の対象とされてきた。だから宮島には殆ど人の手が入っていない原生林が広がっている。島の最高峰は弥山【みせん】(標高535 m)という山であり、山頂への登山道が整備されている。
厳島神社【いつくしまじんじゃ】は、、平安時代末期に平清盛が厚く庇護したことで大きく発展したという。
平安時代末期以降は、厳島神社の影響力の強さや海上交通の拠点としての重要性から、歴史の表舞台に登場するようになった。
江戸時代中期以降、天橋立(京都府)や松島(宮城県)と共に日本三景と呼ばれ、日本を代表する景勝地として国内外に広く知られている。
明治33年(1900年)に定期航路が開設されると、交通の利便性が改善し、島への参拝客や観光客が急増したという。今では人口1800人余りの島に国内外から年間300万人を超える参拝客や観光客が訪れており、日本屈指の観光地として栄えている。
島の全域が瀬戸内海国立公園の指定区域であり、自然公園法が定める特別保護区域となっている。国の特別史跡及び特別名勝にも指定され、弥山の原始林は国の天然記念物に指定されている。
厳島神社付近の町並みは「廿日市市宮島町伝統的建造物群保存地区」として重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
名 称 | 厳島(通称、安芸の宮島又は宮島) |
所在地 | 広島県廿日市市宮島町 |
Link | 安芸の宮島 観光ガイド 【公式】 日本三景 |
極楽寺山
極楽寺山【ごくらくじやま】は、廿日市市【はつかいちし】北部にある山で、山頂には真言宗の古刹である極楽寺がある。境内にはモミの自然林が残るほか、境内からは瀬戸内海を一望できる。
名 称 | 極楽寺 |
所在地 | 広島県廿日市市原2180 |
Link | 極楽寺山 – 一般社団法人はつかいち観光協会 極楽寺 – 一般社団法人はつかいち観光協会 極樂寺 – 広島県廿日市市 |
山口県
瀬戸内海国立公園の指定区域には、室津半島南端にある皇座山や周防灘に面する佐合島、馬島、周防大島(屋代島)の山々と沿岸部がある。その周辺の島嶼群も大半が指定区域となっている。
本州沿岸部では光市に位置する白砂青松の海岸で知られる室積海岸や虹ヶ浜海岸が指定区域となっている。本州内陸部では千坊山や関門海峡を望む火の山が指定区域に含まれる。
周防大島
周防大島【すおうおおしま】は、山口県東南部に位置しており、瀬戸内海に浮かぶ島の中で3番目の面積を有する島である。
私たちが一般に「周防大島」と呼んでいる島は、国土地理院が定める正式名称では「屋代島【やしろじま】」と称し、周辺の島々と共に周防大島諸島を構成している。
屋代島は、歴史的には周防国の大島であったことから周防大島と呼ぶことが多く、現在も「屋代島」と呼ばれることは少ない。周辺の島と合わせて「山口県大島郡周防大島町」を形成している。
周防大島の大畠瀬戸と本州の柳井市とは大島大橋(国道437号)で結ばれている。島内の主な道路は、島の北側海岸線に沿って東端の伊保田から本州への大島大橋までを結ぶ国道437号である。主要地方道は、県道4号大島環状線と県道60号橘東和線、県道103号大島橘線、県道108号地家室白木港線、県道351号油田港線、県道362号白木漁港佐連線が島内を通っている。
また島の山間部中腹を大島オレンジロード(大島広域農道)が走っている。周防大島は、自然豊かで、美しい景色を眺めながらのドライブを楽しむには最高の場所の一つである。
真宮島
真宮島【しんぐうじま】は、道の駅サザンセトとうわから約100mの沖合いに浮かぶ無人島である。
干潮時刻の前後3時間だけ現れる海の中道を歩いて本島(屋代島)から真宮島へ渡ることができる。その道は「エンジェルロード」と呼ばれている。
エメラルドグリーンの海に現れる、真宮島へと伸びる一本の道は自然の神秘が作り出すゆるやかなカーブで美しい。
名 称 | 真宮島 |
所在地 | 山口県周防大島町西方西方 道の駅サザンセトとうわ裏 |
名 称 | 道の駅サザンセトとうわ |
所在地 | 山口県大島郡周防大島町西方1958-77 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 真宮島【公式】山口県観光/旅行サイト |
立岩
立岩【たちいわ】は、県道沿いの海岸にそそり立つ高さ40mの安山岩である。馬頭観音【ばとうかんのん】が祀られている。
海岸は立岩海水浴場として整備されている。
名称 | 立岩 |
所在地 | 山口県大島郡周防大島町東安下庄鹿家 |
Link | 周防大島町 立岩 |
笠戸島
笠戸島【かさどしま】は、山口県下松市沖に浮かぶ三日月形の離島である。「笠戸ヒラメ」で知られる他、釣りやキャンプなど観光の島としても知られる。また、笠戸島の夕日岬は、西日本有数の夕日の名所として知られている。
海水の浸食により自然にできた「はなぐり岩」の穴を通して見る夕焼けはひときわ美しく、多くの写真家が訪れるという。
特に冬場は、夕焼け空から海面まで全てが茜色に染まり、息をのむ美しさとなるらしい。
名 称 | 笠戸島・夕日岬 |
所在地 | 山口県下松市笠戸島 |
Link | 笠戸島|山口県観光/旅行サイト |
室積海岸
室積海岸【むろづみかいがん】は、山口県光市に位置する、白い砂浜と松林が特徴の海岸で、延長5kmの海岸線に沿って松林(クロマツ)と砂浜が続く。夏季には海水浴場が開設される。
室積海岸の西側には市街地を挟んで虹ヶ浜海岸が広がる。
名 称 | 室積海岸【むろづみかいがん】 |
所在地 | 山口県光市室積松原7 |
Link | 室積海岸【公式】山口県観光/旅行サイト |
虹ヶ浜海岸
虹ヶ浜海岸【にじがはまかいがん】は、山口県光市に位置する、白い砂浜と松林(クロマツ)が特徴の海岸で、約2.3kmにわたって遠浅の海岸が続く。干潮時には幅50mほどの干潟が現れるという。夏季には海水浴場が開設される。
虹ヶ浜海岸の東側には市街地を挟んで室積海岸が広がる。
名 称 | 虹ヶ浜海岸【にじがはまかいがん】 |
所在地 | 山口県光市虹ケ浜 |
Link | 虹ケ浜海岸 | 光市観光協会公式ウェブサイト |
火の山
火の山【ひのやま】は、山口県下関市椋野に位置する山である。山名の由来は、かつて山頂に敵の襲来を都に知らせるための狼煙台が設けられていたことによるとされる。
明治23年(1890年)に山頂に砲台が置かれて以降は下関要塞の一部として重要な軍事拠点となっていたという。そのため戦後に開放されるまで民間人の入山が禁じられていた場所である。
現在は公園として整備されており、下関市火の山パークウェイや下関市火の山ロープウェイが設けられているのでアクセスも容易である。火の山の山頂部からは壇ノ浦や関門海峡が一望できる。
名 称 | 火の山【ひのやま】 |
所在地 | 山口県下関市みもすそ川町椋野 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 火の山公園【公式】山口県観光/旅行サイト |
徳島県
鳴門海峡
鳴門海峡【なるとかいきょう】は、四国の北東端に位置する大毛島孫崎(徳島県鳴門市)と淡路島門崎(兵庫県南あわじ市)との間に位置する海峡である。鳴門海峡は「鳴門の渦潮」で知られ、海峡を望む海岸部一帯が瀬戸内海国立公園に指定されている。
鳴門の渦潮は、播磨灘(瀬戸内海)と紀伊水道(太平洋)の干満による潮位差と、鳴門海峡の海底の地形により、速度の異なる潮流がぶつかりながら流れることで生まれるとされる。潮位差は最大約1.5mにもなり、潮流は時速20kmと速く、そのため渦潮は大きいものでは直径15mにもなるという。
鳴門海峡は、播磨灘(瀬戸内海)と紀伊水道(太平洋)を結ぶ海峡であり、大鳴門【おおなると】とも呼ばれる。大鳴門橋【おおなるときょう】は、鳴門海峡の渦潮に影響を及ぼさないようにするために多柱基礎工法とよばれる特殊な工法で建造された吊橋(中央支間長876m)として知られる。
現在は上部の道路4車線のみが供用されているだけであるが、将来的には自動車専用道路2車線(全6車線)と新幹線規格の鉄道2車線を追加できる構造となっているという。
大鳴門橋にも遊歩道「渦の道」が設けられており、渦潮を真上から観察できるようになっている。渦潮は潮流の変化によって生じるものなので、タイミングを合わせて上で、訪れる必要がある。
名 称 | 鳴門海峡・大鳴門橋 |
所在地 | 徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦字福池65 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 大鳴門橋 | JB本四高速 |
大坂峠
大坂峠【おおさかとうげ】(標高270m)は、かつて讃岐山脈を越えて阿波国から讃岐国に行く峠道のうち、最も東側の峠に位置する。現在も徳島県と香川県の県境になっている峠である。
かつては難所の峠であったらしいが、現在では大坂峠園地として整備されており、大坂峠展望台が設けられている。見晴らしは良く、小豆島などを遠望できるという。
名 称 | 大坂峠【おおさかとうげ】 |
所在地 | 香川県東かがわ市坂元(大坂峠) |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 大坂峠展望台|香川県観光協会公式サイト |
香川県
小豆島
小豆島【しょうどしま】は、播磨灘に浮かぶ島で、瀬戸内海では淡路島に次いで2番目の面積を有する。海岸線は変化に富み、多数の半島と入江がある。南側には池田湾と内海湾がある。
寒霞渓【かんかけい】をはじめとする渓谷や自然が瀬戸内海国立公園に指定されている。なかでも寒霞渓は、国の名勝にも指定されていて、小豆島の代表的な景勝地となっている。その渓谷美と瀬戸内海のパノラマは、瀬戸内海国立公園の景勝地の中でも特筆すべきものであるとされる。
小豆島は、温暖な瀬戸内海式気候を活かし、素麺、醤油、佃煮、胡麻油、オリーブなどの日本有数の生産地として知られる。特にオリーブの国内栽培の発祥地として名高い。ミカンやスモモなどの栽培も行なわれている。
名 称 | 小豆島【しょうどしま】 |
所在地 | 香川県小豆郡小豆島町 |
Link | 小豆島観光協会【公式】 |
東讃
東讃【とうさん】は、香川県(讃岐)の東部地域を指す。高松市より東の地域、具体的には東かがわ市、さぬき市、木田郡を指した地域の呼称である。東讃には、白鳥海岸、琴林公園や大串岬などの景勝地が知られている。
白鳥海岸
白鳥海岸は、複雑な地層が見られる断崖で、「鹿浦越のランプロファイヤ岩脈」は国の天然記念物に指定されている。
名 称 | 白鳥海岸 |
所在地 | 香川県東かがわ市 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | ふるさと海岸|香川県観光協会公式サイト |
琴林公園
琴林公園【きんりんこうえん】は、香川県立の都市公園であると共に瀬戸内海国立公園にも指定されている。
琴林公園は、樹齢600年超のクロマツが立ち並ぶ四国有数の松原で、古来より風流人に親しまれた地であったという。
名称の由来は、松籟【しょうらい】(松林を吹き抜ける海風の音)が琴を奏でるような音に聴こえることに因んでいるらしい。しかしながら、琴林公園は、一般的には「津田の松原」と呼ばれることが多いという。
公園内にある津田の松原海水浴場は香川県で最多の遊泳客を集める大規模海水浴場であるらしい。
津田の松原は、地理的に人口密度の高い高松市に近いことが集客力の高さの理由かも知れない。
名 称 | 琴林公園【きんりんこうえん】 |
所在地 | 香川県さぬき市津田町津田 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 津田の松原・琴林公園|香川県観光協会公式サイト |
大串岬
大串岬【おおくしみさき】一帯は、大串自然公園として整備されており、観光開発が著しい地域となっているようである。
名 称 | 大串岬・大串自然公園 芝生広場 |
所在地 | 香川県さぬき市小田 |
Link | 大串自然公園ゾーン | 香川県 さぬき市 |
屋島
屋島【やしま】は、香川県高松市の北東に位置する、南北に長い台地状の地形をした硬質の溶岩に覆われた残丘(溶岩台地の平坦部が浸食されている)である。
名称の由来は、屋根のような形状によるとされる。『平家物語』にも登場する「屋島の戦い」でも知られる地域で、高松市のシンボル的存在でもある。
屋島の大半は、瀬戸内海国立公園の指定区域になっている他、国の史跡および天然記念物にも指定されている。
屋島の南嶺山上へは屋島スカイウェイの通じており、頂上には屋島寺や屋島水族館、土産物屋などが立ち並び、香川県を代表する観光地の一つとして開発されている。
一方、北嶺山上は良好な自然公園として保護されている。
名 称 | 屋島【やしま】 |
所在地 | 香川県高松市屋島 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 「屋島」の公式観光情報サイト <オール屋島> |
五剣山
五剣山【ごけんざん】は、香川県高松市にある山である。山名の由来は、西側から一ノ剣、二ノ剣(標高366m)、三ノ剣、四ノ剣(標高375mで最高峰)、五ノ剣と5つの峰(ピーク)があるためとされる。
五剣山中腹には八栗寺【やくりじ】があるため、地元では八栗山【やくりさん】とも呼ばれる。
これらの剣の山頂にはいくつもの祠が点在し、かつては修験道の行場となっていたようであるが、現在では岩が風化して脆く危険なため、中腹の八栗寺本堂の近くにある中将坊大権現堂から先の上へは入山禁止となっている。
八栗寺は、四国八十八箇所の第八十五番札所で、山号が五剣山である。
八栗寺までは山麓からケーブルカーで登ることができるのでアクセスは容易である。
名 称 | 五剣山・八栗寺 |
所在地 | 香川県高松市牟礼町牟礼 |
Link | 第85番札所 五剣山観自在院 八栗寺 |
塩飽諸島
塩飽諸島【しわくしょとう】は、備讃瀬戸【びさんせと】(岡山県と香川県に挟まれたの瀬戸内海の海域)の潮流の速い西側に浮かぶ、大小28の島々を指す。塩飽諸島は、塩飽水軍の拠点として知られ、歴史上数多くの役割をこなしてきたという。すべての島々が瀬戸内海国定公園の指定区域に含まれている。
与島【よしま】は、瀬戸大橋の開通によって乗降可能になった島で、パーキングエリアがある。広島(別名、さぬき広島)は、塩飽諸島最大の島で、良質の花崗岩を産出する。笠島には重要伝統的建造物群保存地区に指定された場所も存在する。
五色台
五色台【ごしきだい】は、香川県の中央に位置し、高松市と坂出市にまたがる山塊の総称である。猪尻山(標高483m)を最高峰とする台地状の山塊である。五色の名が付けられた紅ノ峰・黄ノ峰・青峰・黒峰・白峰山の存在が、五色台の名称の由来である。東西約8km、南北約10kmの山塊の山容は、遠方から眺めると台形で、なだらかに広がる。山塊には国分台【こくぶだい】(標高407m)のような平坦面も連なる。
南北の稜線を五色台スカイライン(県道281号)が走る。五色台スカイラインは、高松市~坂出市の南側山越えの県道180号と山上で交差する。
名 称 | 五色台 |
所在地 | 香川県坂出市大屋冨町 |
Link | 五色台へようこそ|香川県 五色台と五色台スカイライン | 瀬戸内Finder 休暇村讃岐五色台【公式】 |
西讃
西讃【せいさん】は、香川県(讃岐)の西部地域を指す。具体的には観音寺市と三豊市を指した地域の呼称である。西讃には、琴平山、善通寺、琴弾公園や荘内半島などの景勝地が多く知られている。
琴平山(象頭山)
琴平山【ことひらやま】は、香川県西部に位置する山である。北側の大麻山【おおさやま】(標高616m)と南側の象頭山【ぞうずさん】(標高538m)を合わせた山体を琴平山と呼ぶ。中腹には金刀比羅宮がある。但し、金刀比羅宮の奥社(標高約393m)の上にあたる部分を琴平山(標高524m)と云う場合もある。
大麻山も含めた琴平山全体を「象頭山」として瀬戸内海国立公園、名勝、天然記念物に指定されている。
名 称 | 琴平山(象頭山) |
所在地 | 香川県仲多度郡琴平町 |
Link | 象頭山 文化遺産オンライン 金刀比羅宮|香川県観光協会公式サイト |
琴弾公園
琴弾公園【ことひきこうえん】は、香川県立の都市公園であると共に瀬戸内海国立公園に含まれ、国の名勝に指定されている。
琴弾公園は、琴弾山【ことひきやま】(標高約70m)と有明浜【ありあけはま】からなり、琴弾山へはドエライブウェイがあるので車で登れる。琴弾山山頂には琴弾八幡宮が鎮座する。
象ヶ鼻岩銭形展望台からは有明浜に砂で造られた「寛永通宝」の銭形砂絵を眺めることができる。有明浜はクロマツの松林がある砂浜である。
名 称 | 琴弾公園・象ヶ鼻岩銭形展望台 |
所在地 | 香川県観音寺市有明町12 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 象ヶ鼻岩銭形展望台 | 香川県観音寺市 |
荘内半島
荘内半島【しょうないはんとう】は、香川県三豊市北西部に位置する、浦島太郎伝説で知られる半島である。
最高峰の紫雲出山【しうでやま】(標高352m)の山頂展望台からは瀬戸内海を360度展望できる。
名 称 | 荘内半島・紫雲出山 |
所在地 | 香川県三豊市詫間町大浜乙451-1 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 紫雲出山 | 三豊市観光交流局 |
愛媛県
愛媛県内における瀬戸内海国立公園の指定区域には、芸予諸島(愛媛県側)が含まれ、岩城島(積善山)、生名島(立石山)、弓削島(松原海岸、久司山)、大三島(鷲ヶ頭山)、伯方島(宝股山や開山)、大島(亀老山、八幡山、念仏山)、四阪島などが指定されている。
また、桜井海岸、佐田岬や出石山も指定区域である。
岩城島
岩城島【いわぎじま】は、芸予諸島【げいよしょとう】に属し、生口島【いくちじま】の南側に位置する島で、積善山【せきぜんさん】(標高370m)を中央に配した、やや膨らんだ三角形の形をした小島である。積善山には約三千本の桜樹が植栽されており、桜の名所としても知られている。
「青いレモンの島」のキャッチフレーズで、島特産のレモンを利用した産業振興策に取り組んでいる。
名 称 | 岩城島【いわぎじま】 |
所在地 | 愛媛県越智郡上島町岩城 |
Link | 岩城島 | 上島町公式観光WEBサイト |
生名島
生名島【いきなじま】は、芸予諸島【げいよしょとう】に属し、因島【いんのしま】の南側に位置する島である。かつて生名島は旧日立造船の企業城下町として栄えてきた。
生名島にある立石山(標高130m)は、島内最高峰の山で、頂上には弥生時代の祭祀遺跡が残されている。儀式的な舞台と考えられている太古の巨石群が点在している。頂上部からは瀬戸内海の美しい景観が一望できる。
名 称 | 生名島・立石山 |
所在地 | 愛媛県越智郡上島町生名立石山 |
Link | 立石山|愛媛県の公式観光サイト【いよ観ネット】 立石山 | 上島町公式観光WEBサイト 立石メンヒル(巨石) | 上島町公式観光WEBサイト |
弓削島
弓削島【ゆげしま】は、芸予諸島【げいよしょとう】に属し、因島【いんのしま】の南東に位置する島である。島の中央部には石灰山【せっかいやま】(標高210m)があり、島のランドマークとなっている。高台に石灰石鉱山跡が残されている。
名 称 | 弓削島 |
所在地 | 愛媛県越智郡上島町弓削下弓削 |
Link | 弓削島 | 上島町公式観光WEBサイト |
大三島
大三島【おおみしま】は、芸予諸島【げいよしょとう】に属し、生口島【いくちじま】の南西に位置する島である。愛媛県の最北端に位置し、愛媛県に属する島の中では最大面積を有する。
大三島の中央には鷲ヶ頭山【わしがとうさん】(標高437m)が聳え、その北西の麓には大山祇神社【おおやまづみじんじゃ】が鎮座するため、大三島は「神の島」として知られる。鷲ヶ頭山は大山祇神社の御神体である。
多々羅大橋
多々羅大橋【たたらおおはし】は、生口島と大三島を繋ぐ橋で、完成時には世界最長(中央支間長890 m)の斜張橋であった。
計画当初は吊橋であった橋が、斜張橋の技術の進歩を背景に自然環境の保全や経済性などを考えて変更されたという。
斜張橋とは、塔から斜めに張ったケーブルを橋桁に直接つなぎ支える構造をもつ橋である。強度的な安全性、信頼性、耐風性などについては言うに及ばず、塔・橋脚など景観に直接影響を及ぼす形状も十分に検討され、洗練された美しさが追求された橋であるという。
名 称 | 多々羅大橋展望台 |
所在地 | 今治市上浦町井口7505-7 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 多々羅展望台 | 観光スポット | 観光情報 | 今治市 多々羅大橋|しまなみ海道 |
伯方島
伯方島【はかたじま】は、芸予諸島【げいよしょとう】に属し、大三島【おおみしま】の東側に位置する島である。伯方島は、「伯方の塩」発祥の地でもある。
島の最高峰は宝股山(標高304m)で、開山【ひらきやま】は 桜の名所として知られる。
名 称 | 伯方島【はかたじま】 |
所在地 | 愛媛県今治市伯方町 |
Link | 伯方島(はかたじま) 愛媛県今治市伯方町 |
大島
大島【おおしま】は、芸予諸島【げいよしょとう】に属し、伯方島【はかたじま】の南西に位置する島である。
大島の南部に聳える亀老山【きろうさん】(標高308m)の頂上には山頂展望公園があり、そこから望む来島海峡【くるしまかいきょう】の景色は素晴らしい。特に、来島海峡を眼下に望む瀬戸内の夕日の眺望は、観光PRポスターなどにもよく用いられる。
亀老山展望公園
亀老山展望公園【きろうさんてんぼうこうえん】は、大島(今治市)にある山上の展望スポットである。標高308mの山頂からは来島海峡【くるしまかいきょう】と来島海峡大橋を一望できる。
亀老山展望公園へは、車が利用できるのであれば、西瀬戸道(しまなみ海道)大島北ICより約15分、大島南ICより約10分で到着できる。
名 称 | 亀老山展望公園 |
所在地 | 愛媛県今治市吉海町南浦487-4 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 亀老山展望公園 | 観光情報 | 今治市 |
四阪島
四阪島【しさかじま】は、芸予諸島【げいよしょとう】に属し、大島【おおしま】の南東に位置する5つの島(家ノ島、美濃島、明神島、鼠島、梶島)の総称である。
四阪島全域が愛媛県今治市に属するが、産業的・社会的には愛媛県新居浜市との方が深いつながりがあるという。
家ノ島
かつて別子銅山の銅製錬所が建設された島である。現在は、株式会社四阪製錬所の亜鉛リサイクル工場が稼働しており、島全体が工場の敷地となっている。隣接する美濃島とは陸続きである。
美濃島
かつて家ノ島の製錬所で働く従業員の生活拠点が建設された島であるが、現在は無人島となっている。
明神島
家ノ島の北側に位置する無人島である。かつて有人島時代には、海水浴場や公園も開設されていたという。
鼠島
家ノ島の西側に位置する、標高が54mで、面積が0.04km2の小さな無人島である。
梶島
明神島の西側に位置する無人島である。
名 称 | 四阪島【しさかじま】 |
所在地 | 愛媛県今治市宮窪町四阪島 |
Link | 瀬戸内海の産業遺産、四阪島 |
桜井海岸
桜井海岸は、愛媛県今治市の東南に位置する、延長約8kmに及ぶ海岸である。なかでも唐子浜は、延長2kmに及ぶ美しい砂浜と松林が続く海岸である。
名 称 | 桜井海岸 |
所在地 | 愛媛県今治市古国分1丁目7 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 桜井海岸 | 今治市 |
佐田岬
佐田岬【さだみさき】は、愛媛県の佐田岬半島の先端に位置し、四国最西端の岬である。佐田岬(四国)と佐賀関(九州)に挟まれた海峡が豊予海峡【ほうよかいきょう】である。
佐田岬の突端には佐田岬灯台が建てられている。佐田岬灯台は、大正7年(1918年)に佐田岬半島の先端の岸壁に建設された白亜の灯台である。塔高は18 m、灯高は49 mであり、光達距離は19海里(約35km)に及ぶとされる。
四国の最西端に位置するため、晴れた日には豊予海峡を隔てて九州を遠望できるという。夕暮れになると海に沈む夕日を間近に眺めることもできる。
名 称 | 佐田岬・佐田岬灯台 |
所在地 | 愛媛県西宇和郡伊方町正野 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 佐田岬灯台|愛媛県の公式観光サイト |
出石山
出石山【いずしやま】(標高812m)は、愛媛県大洲市と八幡浜市にまたがる山である。山頂には真言宗の古刹、出石寺【しゅっせきじ】がある。出石寺は、山号を冠して「金山出石寺」【きんざんしゅっせきじ】と呼ばれる。付近一帯は同寺院の所有地となっている。
出石山は瀬戸内海国立公園指定区域の最南端に当たる。出石寺の境内からは瀬戸内海や豊後水道を一望することができるという。
名 称 | 出石山・金山出石寺 |
所在地 | 愛媛県大洲市豊茂乙1番地 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 金山出石寺のインターネット ホームページ |
福岡県
関門海峡
関門海峡【かんもんかいきょう】は、本州と九州を隔てる海峡である。名称の由来は、両岸の地名(下関と門司)からを取ったものとされる。
最深部の水深は47mで、潮流の速さは大潮のときでは最大10ノットを超えることがあると言われている。
関門海峡には関門橋【かんもんきょう】が架かっており、高速道路となっている。
名 称 | 関門橋 |
所在地 | 山口県下関市みもすそ川町 |
Link | 関門橋【公式】山口県観光/旅行サイト おいでませ山口へ |
大分県
国東半島
国東半島【くにさきはんとう】は、大分県北東部に位置する半島で、南側を別府湾、東側を伊予灘や瀬戸内海、北側を周防灘に囲まれている。北側には姫島もすぐ近くに見える。
両子山【ふたごやま】をはじめとする両子火山群の峰々が中央部にそびえ、半島全体が円形に近い典型的な火山地形である。丘陵地と河谷が海岸に向かって放射状に伸びているのも特徴的な地形である。
国東半島で、瀬戸内海国立公園に指定されているのは、両子山の山嶺部分のみである。この一帯はいたるところで耶馬溪のような景観が見られる。
両子山
両子山【ふたごやま】(標高721m)は、国東半島の最高峰である。両子山の中腹には天台宗の寺院である両子寺【ふたごじ】が位置している。
国東半島の中央部には溶岩台地と溶岩ドームがある。両子火山群は、両子山を中心として国東半島を形成している火山群である。火山活動は190万年~110万年前のものと推定されている。つまりは国東半島全体が両子火山の噴出物で形成されているということである。
名 称 | 両子山【ふたごやま】 |
所在地 | 大分県国東市安岐町両子 |
Link | 両子(ふたご)山 |大分県の観光情報公式サイト |
姫島
姫島【ひめしま】は、国東半島の北側沖約6km先にある島で、南北が約4km、東西が約7kmの細長い島である。周防灘と伊予灘との境界にもなっている。
四つの火山島が砂州によって繋がれている珍しい構造であり、変化に富んだ地質を見せるという。ビロウやアコウなど亜熱帯性の植物が繁殖し、ウミネコの営巣地としても知られ、自然が豊富である。そのため島全体が瀬戸内海国立公園の指定区域である。
島の中央には島の最高峰である矢筈岳(標高267m)が聳える。矢筈岳の西側には達磨山(標高105m)、東側には焼野岳(標高132m)と柱ケ岳(45m)が連なる。
矢筈岳と達磨山の間にある平地部に中心集落が形成されている。姫島の南岸には姫島港があり、北岸にはクルマエビの大規模な養殖場があるという。
名 称 | 姫島 |
所在地 | 大分県東国東郡姫島村 |
Link | 姫島村ホームページ|大分県姫島村 |
高崎山
高崎山【たかさきやま】(標高627m)は、大分市と別府市の境界付近に位置する山で、野生のニホンザルの餌付けで知られている。高崎山の猿および猿生息地は、国の天然記念物に指定されている。
かつて高崎山では約2000頭の猿が三群に分かれ、棲息していたと言われているが、現在では約1000頭余りの猿が二群に分かれて棲息しているという。高崎山自然動物園は、高崎山にある大分市立の自然公園である。
名 称 | 高崎山自然動物園 |
所在地 | 大分県大分市神崎3098-1 |
駐車場 | あり(有料) |
Link | 高崎山自然動物園 |
あとがき
本稿を書き終えて思ったことは、元来、出不精な私が広大な瀬戸内海国立公園の指定区域をすべてとは言わないまでも主な景勝地を既に訪れていたことに率直に驚く。
私自身が計画した旅ではないため、合理的なルートを辿った旅には全くなっていないが、出不精な私を妻が半ば強引に誘わなければ決して私一人では出かけることもなかった所ばかりである。
本稿が書けたのも妻のおかげであり、妻に感謝しないといけないだろう。そして、見逃してしまった景勝地を今度は私が計画したプランで妻と訪ねてみたいと思う。