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坂本龍馬の銅像がシンボルの白砂青松の海岸「桂浜」

はじめに

桂浜は、高知県高知市に位置し、太平洋に面した美しい海岸である。龍頭岬と龍王岬の間に弓状に広がる桂浜は、白い砂浜と青い海、松林の緑が調和する景色の海岸、まさに白砂青松の海岸であり、訪れる私たちを魅了する。

桂浜は、昔から「月見の名所」として知られ、毎年中秋の名月の夜には「名月酒供養」が開催されいるという。

かつて桂浜の背後の山一帯には「浦戸城」と呼ばれる城があったという。浦戸城は、この地を支配していた戦国時代の武将・長宗我部元親が1591年に築いた城である。

この城は、西側以外の三方を海に囲まれた要害の地であり、浦戸の港を擁するなど土佐の中心地であった。浦戸城は、長宗我部氏の居城として約10年間使用されたという。

しかし、長宗我部氏が西軍に加担し、関ヶ原の戦いで敗れてしまった。代わって、東軍の山内一豊がこの地の領主となった。山内一豊が1603年に高知城を築いたため、浦戸城は廃城となったという。

高知城を築く際に、浦戸城の石垣などが取り壊されたらしい。現在、浦戸城の跡地には坂本龍馬記念館や国民宿舎・桂浜荘が建っている。

桂浜は、このような浦戸城の歴史的背景とともに、その美しい景観で私たち訪れる者を魅了する。桂浜のエリア全体が桂浜公園として整備されており、観光スポットや施設が集積されている。

名 称桂浜公園
所在地高知県高知市浦戸778
駐車場あり(有料)
Link【公式】桂浜公園

<目次>
はじめに
坂本龍馬像
龍王岬展望台
海津見神社
桂浜水族館
高知県立坂本龍馬記念館
あとがき

坂本龍馬像

坂本龍馬の銅像は、桂浜のシンボルとも言える存在であり、桂浜東端の龍頭岬【りゅうずみさき】に建っている。高さが13.5mもある巨大な銅像で、龍馬ファンには必見のスポットである。

この像は、地元高知県の青年有志の発案と募金活動によって、1928年5月27日に建てられたものである。

桂浜は、幕末の志士である坂本龍馬が最も愛した場所の一つとされている。この坂本龍馬の銅像は、太平洋を見つめる龍馬の姿を象徴しており、今では多くの観光客が訪れる桂浜のシンボルとなっている。


龍王岬展望台

龍王岬展望台は、桂浜の絶景を一望できる展望台で、人気のスポットである。海岸から少し急な階段を登る必要があるが、その先に広がる絶景を観るためにはやむを得ない。

龍王岬展望台からの景色は本当に素晴らしい! 展望台からは、桂浜の美しい砂浜の全景と太平洋の広大な海が一望できる。特に、水平線が広がるパノラマビューは圧巻である。

太平洋の波が砂浜に打ち寄せたり、岩に打ち付ける様子は、長く見ていても飽きることはない。

日の出や夕日の時間帯にはさらに美しい光景が観れるようだ。次の機会には、是非、その時間帯に合わせたいものである。


海津見神社

海津見神社【わたつみじんじゃ】は、主祭神として大綿津見神【おおわたつみのかみ】を祀る神社で、桂浜の龍王岬に位置する。別名、「竜王宮」とも呼ばれる神社である。

大綿津見神は、イザナギとイザナミの神産みによって生まれた神様で、「海を司る神」として知られている。日本神話の中では、「山幸彦と海幸彦」の物語にも登場し、豊玉毘売命【とよたまひめ】の父親(海神)としても知られている神様である。

大綿津見神は、海の神霊として非常に重要な存在であり、海上安全や漁業豊登などのご利益があるほか、祈雨祈晴、商売繁盛、良縁成就などのご利益もあるとされる。日本各地には大綿津見神を祀る神社があり、海に関連する信仰の中心となっている神様である。

海津見神社の創建年は不明であるが、一説には土佐国の領主であった長宗我部元親が浦戸城に入城した際に、城の裏鬼門除けのために創建したともいわれている。

龍宮橋を渡り、急な階段を登ると小さな社殿が現れる。崖の上に建つ社殿の姿が被写体として素晴らしく、多くの参拝者が写真を撮り続ける。

神社の周囲は静かで神聖な雰囲気が漂っている。海津見神社は、その美しい景色と多くのご利益で参拝者を魅了している。


桂浜水族館

桂浜水族館は、ウミガメやペンギン、カピバラなどの多様な生き物が展示され、家族連れにも人気のスポットとなっている。桂浜水族館は、1931年4月1日に開館し、1984年3月20日に現在の場所に移転したという。

名 称桂浜水族館
所在地高知県高知市浦戸778 桂浜公園内
TEL088-841-2437
Link桂浜水族館

高知県立坂本龍馬記念館

高知県立坂本龍馬記念館は、坂本龍馬の生涯や業績に関する貴重な資料が展示されている。龍馬も愛したという桂浜は、その美しい景観とともに、龍馬の足跡をたどることができる魅力的な観光スポットと言える。龍馬ファン必見の記念館は、龍馬の誕生日である11月15日に開館したという。そんなこだわりもある龍馬愛に溢れる記念館である。

名 称高知県立坂本龍馬記念館
所在地高知市浦戸城山830
TEL088-841-0001
Link高知県立坂本龍馬記念館

あとがき

幕末の志士の中でも知名度が高く、皆に好かれる人気者と言えば「坂本龍馬」ではないだろうか? 

知名度が高いのは幕末を描いた小説やドラマ・映画には不可欠な登場人物だからでしょう。ベストセラー作家であった司馬遼太郎さんが小説(『竜馬がゆく』)で魅力的な主人公として描いているし、ドラマや映画では人気俳優が龍馬を演じることが多いように思う。これらの影響が大きく、龍馬を人気者にしているのだと思う。私もその影響をもろに受けた一人であり、会ったこともない坂本龍馬が大好きである。

龍馬の故郷、土佐の桂浜は、浦戸湾口、龍頭岬と龍王岬の間に弓状に広がる海岸で、東端の龍頭岬には坂本龍馬の巨大な銅像が立っていた。海岸の背後には松林があり、奇麗な砂浜と紺碧の海が調和する見事な景勝地となっている。高知県を代表する観光名所というのも納得である。近くの山手には、「坂本龍馬記念館」もあった。

龍馬の功績の一つで、よく知られているのは薩長同盟成立の立役者となったことである。敵対していた薩摩藩と長州藩の同盟を仲介し、結果的に明治維新を前進させた。当時雄藩であった薩摩藩と長州藩が敵対していたら新しい日本は生まれていなかったかも知れないと言われている。だからこの薩長同盟の仲介を龍馬の功績の第一と考えるのは当然である。

しかしながら、龍馬らしい功績は、日本最初の商社、海援隊(前身は亀山社中)を設立したことだと私は思う。海援隊は、貿易会社と海軍の2つの性質をもっていたようである。海援隊には、陸奥宗光(山縣内閣の農商務大臣、伊藤内閣の外務大臣を歴任)もいた。

龍馬の死後、海援隊は、同郷の岩崎弥太郎に引き継がれて、やがて日本郵船、三菱商事に発展していくわけであるからすごいことである。岩崎弥太郎も偉人だけれど、龍馬には先見の明があったのだと思う。

龍馬も愛したという桂浜に来て、幕末の志士であった龍馬への想いがより一層、強く感じた良い旅であった。


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