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秀吉が愛した桜の舞台―世界遺産・醍醐寺で辿る醍醐の花見

はじめに

醍醐寺【だいごじ】は、京都市伏見区にある真言宗醍醐派の総本山の寺院である。

醍醐寺の創建は、874年に弘法大師空海の孫弟子である聖宝(理源大師)が笠取山の頂上に准胝観音【じゅんていかんのん】と如意輪観音を祀ったことが始まりとされている。聖宝は、笠取山を「醍醐山」と命名した。

醍醐寺は、醍醐山頂上一帯(上醍醐)を中心に、多くの修験者の霊場として発展した。876年に准胝堂【じゅんていどう】と如意輪堂が聖宝によって上醍醐に建立された。

醍醐寺(上醍醐)の境内マップ

一方、醍醐山の麓の広大な平地には大伽藍「下醍醐」が成立し、醍醐天皇の勅願寺として、薬師堂(907年)や釈迦堂金堂)(926年)が建立された。

平安時代末期から鎌倉時代にかけて、醍醐寺の境内には多くの堂宇が建立され、真言宗の重要な拠点となった。しかし、応仁の乱(1467~1477)で多くの建物を焼失したという。

醍醐寺(下醍醐)の境内マップ

安土桃山時代には、豊臣秀吉が「醍醐の花見」を計画したため三宝院や金堂などが再建された。そして1598年に「醍醐の花見」が盛大に行われた。それを機に、醍醐寺は再び隆盛を迎えた。

明治時代の廃仏毀釈や昭和の農地解放などの困難を乗り越え、醍醐寺はその文化財を守り続けた。また、阪神・淡路大震災(1995年)では一部の建物が被害を受けたが、修復された。

1994年には「古都京都の文化財」の一部として、ユネスコの世界文化遺産に登録された。


醍醐寺

醍醐寺【だいごじ】は、京都市伏見区醍醐東大路町にある真言宗醍醐派の総本山の寺院である。山号は醍醐山(深雪山とも)と称する。御本尊は薬師如来である。

醍醐寺西大門仁王門

上醍醐の准胝堂【じゅんていどう】には、御本尊として准胝観世音菩薩が祀られ、西国三十三所第11番札所となっている。

金堂(本堂)は、醍醐寺の中心的な建物で、926年に創建されたお堂である。金堂には御本尊の薬師如来坐像が安置されている。現在の建物は1600年に豊臣秀吉の命によって再建されたもので、国宝に指定されている。

五重塔は、951年に建立された京都府内最古の木造建築物で。国宝に指定されている。高さが約38mの壮大な仏塔で、1階内部には両界曼荼羅や真言八祖が描かれている。

醍醐寺五重塔

三宝院は、醍醐寺の本坊であり、豊臣秀吉が設計した庭園が広がっている。庭園全体を見渡せる表書院は国宝に指定されており、桃山時代の華やかな雰囲気を伝えている。

上醍醐は、醍醐寺の創建地であり、山道を1時間ほど歩いた場所にある。上醍醐の中央に位置する薬師堂は国宝に指定されている。また、「醍醐水」という湧き水でも有名である。

霊宝館は、醍醐寺の貴重な寺宝を保存・展示する施設で、国宝や重要文化財を含む約15万点の寺宝を所蔵している。春と秋には特別展も開催され、貴重な文化財を鑑賞することができる。醍醐寺は、「古都京都の文化財」として世界遺産に登録されている。

醍醐寺は、醍醐山(笠取山)に200万坪以上の広大な境内を持ち、「花の醍醐」としても知られ、豊臣秀吉が「醍醐の花見」を行った地としても知られる。春には約700本の桜が咲き誇り、桜の名所として多くの観光客が訪れる。

醍醐寺は紅葉の名所としても名高く、特に弁天堂付近の紅葉は絶景であり、弁天池に映り込む紅葉の景色は必見である。

醍醐寺は、歴史的な建造物や美しい庭園を有し、桜や紅葉の名所として、訪れる私たちを魅了する。

名 称 深雪山 醍醐寺
所在地京都市伏見区醍醐東大路22
TEL075-571-0002
駐車場あり(有料)
Link世界遺産 京都 醍醐寺

あとがき

醍醐寺の魅力は、その歴史的価値と自然の美が調和した場所であることだと思う。訪れるたびに心の安らぎと豊かな文化を感じることができる。

醍醐寺は、874年に創建され、1150年以上の歴史を持つ寺院である。醍醐寺には国宝や重要文化財が多数存在し、特に五重塔は現存する京都最古の木造建築物として知られている。また、醍醐寺には多くの仏教美術品が収蔵されており、特に平安時代から室町時代にかけての作品が多く見られるという。

広大な敷地を有する醍醐寺は、上醍醐と下醍醐に分かれており、上醍醐への登山道は信仰の道として親しまれている。境内には四季折々の美しい風景が広がり、特に春の桜や秋の紅葉が見事である。豊臣秀吉が行った有名な「醍醐の花見」を想像しながら、境内を散策するのも良い。


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