はじめに
因幡の白兎【いなばのしろうさぎ】の神話は、大国主命【おおくにぬしのみこと】が因幡の白兎を助ける物語である。白兎は、ワニを騙した仕返しに皮を剥がれてしまい、苦しんでいるところを大国主命が助ける物語である。この神話は、優しさと知恵の重要性を教えており、絵本でもよく目にする物語となっている。
白兎神社【はくとじんじゃ】は、鳥取県鳥取市にある神社で、日本神話「因幡の白うさぎ」に登場する白兎神を祀っている。白兎神社の創建は不明であるが、「因幡の白うさぎ」の神話に基づいていることだけは確かなようである。
古事記に記された「因幡の白うさぎ」の神話では、白兎が大国主命と八上姫【やかみひめ】の縁を結んだとされている。つまり、日本最古の恋物語の舞台ともなっている地に白兎神社が建立されているということである。
因幡の白兎
因幡の白兎神話から人気の神様、大国主神が登場してくる。「因幡の白兎」は和邇【わに】に皮を剝がされたウサギを助ける話である。
古事記には大穴牟遅神【オオナムチ】(=大国主命)が気多之前で兎を助けたことになっているが、この「気多之前」という地名は美しい白兎海岸の西に突き出ている岬の名称であるという。
この気多之前 の岬から150m沖には、古事記に登場する「淤岐ノ島」もある。想像していたより案外近い距離にある。白兎はきっと全く泳げなかったのだろう。それとも地殻変動で神代よりも近くなったか?
オオナムチの教えどおりにすると、ウサギの身体は元通りになった。実はこのウサギは「兎神」と呼ばれる神さまであり、この兎神はオオナムチに「八十神の兄弟神は必ず八上比売を得られないでしょう。八上比売はあなたを選ぶでしょう」と言った。
兎神の予言どおり、八上比売は八十神の兄弟神からの求婚に対して「私はあなた方の言うことは聞きません。オオナムチと結婚します」と答えた。そして本当にオオナムチと結婚したという。
白兎神社
白兎神社【はくとじんじゃ】は、白兔神(兎神)を祀る神社であると共に保食神【うけもちのかみ】を合祀する。創建の由緒は不詳であるが、かつては「兎の宮」・「大兎大明神」・「白兔大明神」とも呼ばれたという。
白兔神(兎神)は、古事記の日本神話に登場する「因幡の白兎」のことで、その神話から、皮膚病に霊験のある「医療の神」として信仰されるほか、大国主神と八上比売との婚姻を取り持ったことから「縁結びの神」として信仰されている。
現在の本殿は明治時代に再建されたものである。鎮座地は身干山【みほしやま】と呼ばれる丘で、「因幡の白兎」が身を乾かした山と伝えられる。境内には白兎が体を洗ったという「御身洗池」がある。御身洗池は旱天や豪雨のときでも水位の増減がないとされ「不増不減の池」とも呼ばれている。
名 称 | 白兎神社 |
所在地 | 鳥取県鳥取市白兎603番地 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 白兎神社 鳥取 | 神話 因幡の白うさぎ |
あとがき
白兎神社の境内には、白兎の石像や「御身洗池」など、神話の舞台を想像させる場所が点在する。特に、白兎の石像は縁結びの象徴として人気が高い。
白兎神社は、「因幡の白兎」神話のエピソードから縁結びや恋愛成就、健康祈願のご利益があるとされている神社である。
白兎神社の「結び石」は、願い事を込めて鳥居や白兎の石像にのせると願いが叶うと信じられている。
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