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神戸のまちに息づく神話:事代主神を祀る長田神社の魅力

長田神社

長田神社【ながたじんじゃ】は、神戸市長田区に位置する神社で、1800年以上の長い歴史を誇る。

神社の創建については、神功皇后宮地嶽神社の主祭神)が三韓征伐から帰還する途中、船が進まなくなった際に事代主神【ことしろぬしのかみ】(美保神社の主祭神)から「吾を長田国に祀れ」との神託を受け、創祀されたのが長田神社の始まりであると伝えられている。長田国は、現在の神戸市の長田区、兵庫区、須磨区、北区南部あたりを指す地域である。

このようにご神託によって創建された長田神社の主祭神は、当然ながら事代主神である。事代主神は、日本神話に登場する神様で、大国主大神【おおくにぬしのおおかみ】の子である。

事代主神は、日本神話の「国譲り」の際に重要な役割を果たしたとされる。天照大御神【あまてらすおおみかみ】の使者である武甕槌大神【たけみかづちのおおかみ】(鹿島神宮の主祭神)が大国主大神(出雲大社の主祭神)に国譲りを迫った際、事代主神はこれを承諾し、国を天照大御神に譲ることを決定したとされる神様である。

長田神社は、神功皇后元年(201年)に創建され、長田社、長田宮、長田大明神などと呼ばれてきた歴史がある。明治時代には官幣中社に列格されたという由緒正しい神社である。

神功皇后が三韓征伐から帰還する途中、事代主神【ことしろぬしのかみ】から神託を受け、創祀されたことから、主祭神としては当然のことながら、事代主神が祀られている。

本殿は、三間社流造で、立派な社殿である。境内には神門や神楽殿、楠宮稲荷神社などいずれも立派なものばかりである。

毎年10月19日に行われる例祭や、古式追儺式神事(鬼追い)など、多くの祭事が行われている。商売繁盛や健康祈願、病気平癒などのご利益がある神社として参拝者も多い。

名 称  長田神社
所在地神戸市長田区長田町3-1-1
アクセスJR神戸駅またはJR兵庫駅から神戸市バス3・4系統で「長田神社前」下車すぐ
地下鉄長田駅から徒歩約5分
駐車場あり(無料)
約20台駐車可能
Link【長田神社】

あとがき

事代主神には次のような別名がある。

  • 八重事代主神【やえことしろぬしのかみ】
  • 玉櫛入彦厳之事代神【たまくしいりひこいつのことしろぬしのかみ】

事代主神は、特に漁業や商業の神として知られている。また、恵比寿神【えびすがみ】とも同一視され、商売繁盛や漁業の神として広く信仰されている。

事代主神のご利益としては、下記のようなものが知られている。

  • 商売繁盛: 商業の成功や繁栄を祈願
  • 漁業繁栄: 漁業の安全と豊漁を祈願
  • 開運: 幸運を招く神としても信仰される
  • 厄除け: 災難や厄を避けるために祈願

事代主神は、美保神社(島根県)や三嶋大社(静岡県)でも祀られている。


長田神社の境内には御神木がある。この御神木は、樹齢が約800年以上と推定されているクスノキの巨樹である。この大楠は、樹高が約30m、幹周りは約5mもある。境内にある楠宮稲荷社【くすみやいなりしゃ】のそばに生育している。

この御神木には伝説がある。伝承によれば、6世紀頃に台風で増水した苅藻川【かるもがわ】(神戸市長田区を流れる川)を遡って境内に入ってきた赤えいが宿ったとされている。そのため、この楠木は「神の化身である赤えいが宿る御神木」として崇敬されているそうである。


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