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神話と美の力が宿る社:玉作湯神社で出会う“願い石”の神秘

はじめに

古事記に記された日本神話には、大国主命【オオクニヌシノミコト】は、「根の国訪問神話」のエピソードを経て、須佐之男命【スサノオノミコト】の娘である須勢理毘売命【スセリビメノミコト】との婚姻する。

そして、少名毘古那神【スクナビコナノカミ】と協力して国を経営し、禁厭【まじない】、医薬などの道を教え、大物主神【オオモノヌシカミ】を祀ることによって葦原中国【あしはらのなかつくに】の国つくりを完成させるとある。

ここで、興味深いことは、玉作湯神社【たまつくりゆじんじゃ】の御祭神の一柱である少彦名命【スクナヒコナノミコト】は、少名毘古那神の別名(同一神)であるということである。玉作湯神社は、玉造温泉守り神として崇められている神社である。

つまり、「国つくり」に貢献したとされる少名毘古那神は、玉作湯神社で大国主命と共に祀られているのである。それは偶然なのか、必然なのか非常に興味深いことである。

目次
はじめに
国つくり
玉作湯神社
あとがき

国つくり

大国主神は、神産巣日神【カミムスビノカミ】の子の小名毘古那神【スクナビコナノカミ】と共に国造りを進めた。小名毘古那神が去った後に現れた神(御諸山【みもろやま】の上に鎮座する神)の協力を得て、大国主神の葦原中津国の国造りは完了し、大国主神は国津神の盟主となった。

出雲大社・大国主神の神像

玉作湯神社

玉作湯神社【たまつくりゆじんじゃ】は、玉造温泉守り神として崇められている神社である。

玉作湯神社・一の鳥居

玉作湯神社には、櫛明玉命【クシアカルダマノミコト】、大名持命【オオナモチノミコト】(=大国主命)、少彦名命【スクナヒコナノミコト】の三柱の神さまが祀られている。

玉作湯神社・の鳥居

櫛明玉命は、八坂瓊勾玉【やさかにのまがたま】など宝玉御制作の神で出雲玉作部【いずもたまつくりべ】の祖神として祀られている。玉造は、古代から勾玉【まがたま】や各種玉類の一大生産地であったからである。

玉作湯神社への石段

一方、少彦名命大名持命(=大国主命)は、それぞれ玉造温泉の発見および温泉療法など温泉守護の神として祀られている。

玉作湯神社・拝殿

少彦名命は、大名持命(=大国主命)の「国造り」に協力した神として記紀に記されており、二柱の神がもっと多くの神社で合祀されているはずである。

玉作湯神社・本殿(側面から撮影)

「玉作神」と「湯神」を司る神々を祀る神社ということで、神社名が「玉作湯神社」になっていることを知り、興味を抱いた。

玉作湯神社・本殿(後方から撮影)

境内にある真玉【まだま】(=願い石)は、触れて祈ると願いが叶うとされ、パワースポットとして多くの参拝があるという。

御神水真玉【まだま】(=願い石

神社前の玉湯川に架かる赤い欄干の宮橋も記念撮影ポイントとして人気がある。

宮橋、通称「恋叶い橋」玉作湯神社鳥居が見える
玉造は古代から勾玉や各種玉類の一大生産地であると共に、神の湯美肌の湯といわれる温泉地として知られる。玉作湯神社は、この地の守り神が鎮座する神社である。
玉作湯神社の鳥居をバックに写真を撮ると良縁に恵まれるという。
名 称玉作湯神社
所在地松江市玉湯町玉造508
Link玉作湯神社 | しまね観光ナビ

あとがき

日本神話に登場する少名毘古那神【スクナビコナノカミ】は、特に医療、温泉、酒造、穀物などの神として広く信仰されている。

少名毘古那神は、非常に小さな神様で、「一寸法師」のモデルとも言われている神様である。

少名毘古那神は、古事記では神産巣日神【カミムスビノカミ】の子、日本書紀では高皇産霊神【タカミムスビノカミ】の子供とされる神様である。いずれにせよ、神産巣日神と高皇産霊神は、日本神話における創造神で、天地開闢の際に現れた造化三神のうちの二柱であるから、少名毘古那神はスゴイ神様であったわけである。

少名毘古那神は、大国主命と共に「国つくり】を行った協力神として知られている。少名毘古那神は、大国主命と出会った際、天乃羅摩船【アメノカガミノフネ】に乗り、鵝【ヒムシ】の皮の着物を着て、地平線の彼方からやってきたと記されている。

大国主命が病に倒れた際には、少名毘古那神が入浴させることで回復させたことから、「温泉の神様」としても知られるようになっている。だから玉造温泉守り神として祀られている玉作湯神社の御祭神であったも全く不思議ではない。むしろ当然と言えよう。

少名毘古那神は、最終的に常世国【とこよのくに】へと渡り去ったとされている。大国主命は、悲観していたが、小名毘古那神が去った後に現れた神(御諸山【みもろやま】の上に鎮座する神)の協力を得ることになる。

少名毘古那神にも多くの別名がある。このことを知らないと、私のように別の神さまと誤解してしまうことがあるので気をつけたい。主な別名を挙げると下記のようになる。

  • 少彦名命【スクナヒコナノミコト】
  • 須久奈比古命【スクナヒコノミコト】
  • 小比古尼命【スクナヒコネノミコト】
  • 天少彦根命【アマノスクナヒコネノミコト】
  • 少日子根命【スクナヒコネノミコト】

先述したように、少名毘古那神は、医療、温泉、酒造、穀物などの神として広く信仰されているため、下記のようなご利益が期待できる神様とされ、信仰されている。

  • 医療: 病気平癒や健康祈願
  • 温泉: 温泉の守護神
  • 酒造: 酒造りの神
  • 穀物: 農業や穀物の神

少名毘古那神は、多くの神社で祀られており、特に医療や温泉、酒造に関連する神社で信仰されているという。例えば、下記のような神社が少名毘古那神を祀る神社として有名である。

  • 少彦名神社(大阪府)
    • 大阪市中央区に位置する
    • 医薬の神として信仰されている
  • 五條天神社(京都府)
    • 京都市下京区に位置する
    • 医薬と縁結びの神として信仰されている
  • 五條天神社(東京都)
    • 台東区上野公園内に位置する
    • 医薬や縁結びの神として信仰されている
  • 大洗磯前神社(茨城県)
    • 東茨城郡大洗町に位置する
    • 海上安全や医薬の神として信仰されている
  • 酒列磯前神社(茨城県)
    • ひたちなか市に位置する
    • 医薬の神として信仰されている
  • 神田神社(東京都)
    • 千代田区に位置する
    • 商売繁盛や医薬の神として信仰されている

これらの神社には、少名毘古那神のご利益を求める多くの参拝者が訪れているということである。医薬品業界で働いた経験がある者の一人として、是非、参拝したいものである。


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