はじめに
京都の神社仏閣は国際的にも有名であり、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産として17か所が登録されている。世界文化遺産に登録されていない寺社にも素晴らしい景勝地があり、むしろそちらの方が多いくらいだ。壬生寺【みぶでら】もその一つである。

壬生寺は、平安時代に創建され、長い歴史を持つ寺院である。幕末に活躍した新選組ゆかりの寺としても知られ、境内の壬生塚には隊士の墓塔が祀られている。
壬生寺
壬生寺【みぶでら】は、南都六宗の一つである律宗の大本山の寺院である。平安時代の991年に、園城寺(通称、三井寺)の快賢僧都によって開山されたと伝わる。御本尊は地延命蔵菩薩で、重要文化財に指定されている。
古来よりの地蔵信仰とともに、厄除・開運の寺として庶民の信仰を集め、厄除け節分会(2月)は、約900年もの歴史をもつ行事である。
中世には円覚上人が寺を再興し、融通念仏を創始した。「大念仏狂言」を伝える寺として、そして幕末に活躍した新選組ゆかりの寺としても知られる。
名 称 | 壬生寺 |
所在地 | 京都市中京区坊城通仏光寺上ル壬生梛ノ宮町31 |
TEL | 075-841-3381 |
駐車場 | なし |
Link | 壬生寺 |
あとがき
壬生寺は、新選組の歴史と深く結びついているため「新選組ゆかりの寺」として知られるようになった。
新選組は、幕末期に活動した京都の治安維持を目的に結成された武力集団で、当時の京都守護職を務めた会津藩主・松平容保【まつだいらかたもり】の傘下に入っていた。
新選組は、壬生寺を彼らの拠点として使用したという。局長の近藤勇をはじめ土方歳三や沖田総司などの隊士が壬生寺に滞在し、訓練や会議を行ったとされる。
壬生寺には「壬生塚」と呼ばれる粛清で亡くなった新選組の隊士たちの墓もあり、現在でも法要が行われている。また、近藤勇や土方歳三の胸像もあり、歴史愛好家をはじめ多くの観光客が訪れている。