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蹴鞠や球技の守護神として信仰を集める「白峯神宮」

はじめに

京都の神社仏閣は国際的にも有名であり、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産として17か所が登録されている。世界文化遺産に登録されていない寺社にも素晴らしい景勝地があり、むしろそちらの方が多いくらいだ。白峯神宮【しらみねじんぐう】もその一つである。

白峯神宮は、蹴鞠【しゅうきく】(けまり)やサッカーなどの球技の守護神として信仰を集めており、多くのアスリートが祈願に訪れるという。

御神徳を仰ぎ、野球やサッカーをはじめとする球技や新体操などの上達を願う参拝者が多く訪れる神社となっている。日本サッカー協会からは使用された公式球が奉納されているという。

目次
はじめに
白峯神宮
あとがき

白峯神宮

白峯神宮【しらみねじんぐう】は、京都市上京区今出川通堀川に位置し、崇徳天皇(第75代)と淳仁天皇(第47代)が祀られている。

白峯神宮は、明治天皇が父の121代孝明天皇の発願を叶えるために創始した神社である。

白峯神宮は、蹴鞠【しゅうきく】(けまり)と和歌の宗家である公卿・飛鳥井家の屋敷跡に建てられた。摂社の地主社に祀られる精大明神は、飛鳥井家が代々守護神として邸内で祀ってきたもので、白峯神宮がその祭祀を受け継いでいる。

精大明神は、蹴鞠の守護神であり、毎年4月の「春季例大祭」と7月の「精大明神例祭」には蹴鞠保存会による蹴鞠が奉納されている。

また、境内の手水舎には清少納言の『枕草子』(168段)にも登場する名水・飛鳥井がある。飛鳥井は、清少納言が自らの著書中でほめ讃えた「九つの名水」の一つとされる。『飛鳥井「みもひも寒し」とほめたるこそをかしけれ』(飛鳥井の水は冷たくてとても美味しい)と記されている。井戸の水の冷たさと美味しさに感動し、それを誉めている様子が目に浮かぶ。

名 称白峯神宮
所在地京都市上京区今出川通堀川東飛鳥井町261
TEL075-441-381
駐車場あり(無料)
Linkスポーツの守護神 白峯神宮

あとがき

白峯神宮で祀られている崇徳天皇は、保元の乱(1156年)によって悲運の運命を辿られた天皇である。幕末期、121代孝明天皇は、崇徳天皇の御霊を慰め、かつ未曾有の国難にご加護を祈らうとされ、幕府に命じて四国・坂出の「白峰山陵」から崇徳天皇の御霊を京都に迎え、祀ろうとしたが、それが叶わないまま崩御した。

明治天皇は父帝の遺志を継承し、宮地を和歌・蹴鞠の公卿宗家「飛鳥井家」の邸宅地跡に求め、明治元年9月6日に社殿を現在地に新造した。続いて明治6年に第47代淳仁天皇の御神霊を淡路島南端の御陵から移して、併祀したという。明治時代は官幣中社としての待遇を受け、昭和15年(1940年)に官幣大社に昇格して「白峯神宮」になったという。

白峯神宮の境内には、摂社がいくつか祀られている。なかでも地主社として祀られている精大明神は、蹴鞠の守護神であり、球技の上達を願う人々の信仰が厚い。また、蹴鞠(けまり)はボールを落とさない事・落ちない事から、学力を落とさない・試験に落ちないなど縁起が良いとされている。そのため、勉学向上のご利益を願う学生の参拝者も多いと聞く。

また、魔除・厄除の神として柊大明神も祀られている。柊護符は節分の時季に限り、戴けるという。


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