はじめに
洞川湧水群【どろがわゆうすいぐん】は、奈良県天川村に位置し、大峯山の麓にあります。この湧水群は次の3つの湧水から成り立っている。
- ごろごろ水
- 泉の森
- 神泉洞
洞川湧水群の水は、花崗岩と石灰岩の特異な地質から湧き出しており、ミネラル分を豊富に含んでいる。そのため、体に良いとされ、古くから修験者たちののどを潤してきた。
洞川湧水群の湧水は、環境省の「名水百選」にも選ばれており、多くの人々に親しまれていると共に、今日では自然の美しさと清らかな水を楽しむための観光スポットにもなっている。
洞川湧水群
奈良県天川村の洞川温泉一帯には、ごろごろ水、泉の森、神泉洞という3つの湧水からなる洞川湧水群【どろがわゆうすいぐん】がある。洞川湧水群は、石灰岩からなるカルスト地形の地下水が長期間の年月を経て地表に湧出したものである。
ごろごろ水
ごろごろ水は、環境省選定の「名水百選」、国交省認定の「水の郷百選」、奈良県選定の「やまとの水」に選出されており、大峰山の名水としてよく知られている。
ごろごろ水は「神の水」とも呼ばれ、その美味しさで知られている。この水でご飯を炊いたり、お茶やコーヒーを作ると、味が引き立つと評判で、遠方からでも来て持ち帰る人が多いという。
伝説によると、修行僧の役行者【えんのぎょうじゃ】が大峯山から下山する際に、この場所で水を飲んだ時、洞窟の奥から小石が転がるような音が聞こえたことから「ごろごろ水」と名付けたとも伝えられている。この音は、洞窟内の水が流れる際に反響する音だと言われている。
「ごろごろ水採水場」で名水を汲み、ごろごろ水で淹れた名水コーヒーが飲めるという「ごろごろ茶屋」も近くにある。
名 称 | ごろごろ水 |
所在地 | 奈良県吉野郡天川村洞川678-220 |
Link | ごろごろ茶屋/ごろごろ水採水場 | 天川村公式サイト |
泉の森
泉の森は、奈良県天川村に位置する、洞川湧水群の一つである。泉の森オートキャンプ場・小広荘の隣に「泉の森」を見つけることができる。
川にかかる赤い歩道橋を渡ると、杉木立のなかに蔵王権現を祀る小さな社殿がある。
その社殿の奥にある斜面の洞穴から湧き出ている清水が古くより「神の水」として大切に保存されている「泉の森」である。
泉の森にまつわる伝説によれば、天速玉姫命【あまのはやたまひめのみこと】がこの地に降臨し、その神力によって泉が湧き出したと伝えられている。そのため、この泉の森は神聖な泉であり、その水には神の力を宿しているとされている。
この伝説は、古代からの信仰と結びついており、泉の森は神聖な場所として崇められてきた。訪れる人々は、この神秘的な泉の水を飲むことで、健康や幸運を祈ることが多いという。
泉の森は、自由に立ち入りことが許可されており、誰でも洞穴から湧き出る様子を見学できる。但し、周辺に駐車場はないので路上駐車することになり、長居はできない。
名 称 | 泉の森 |
所在地 | 奈良県吉野郡天川村洞川187 |
Link | 洞川湧水群 | 天川村公式サイト(奈良県) |
神泉洞
神泉洞は、奈良県天川村に位置する洞窟で、1950年に地元の有志7人が水の音がする岩峰の横から穴を掘り進めた際に偶然に発見したと言われている。
この洞窟は石灰岩の白い鍾乳洞で、洞窟内には澄み切った水が流れている。洞窟の奥には、奥行き6m、幅3m、深さ5mの澄み切った淵があり、ここが神秘的な湧水地点となっている。この水は「神の泉」として古くから地元の人々に崇められてきた。
神泉洞も洞川湧水群の一つとして名水百選にも選ばれている。神泉洞は私有地にあるため、残念ながら一般観光客は見学することが出来ない。尚、洞窟の入口は崩壊の恐れがあるため、現在は中に入ることはできないようである。
あとがき
昔からの格言で「いい水のあるところに、おいしい豆腐はできる」というのがある。洞川湧水群をはじめ水がおいしい洞川では美味しい豆腐を作っている豆腐屋さんが2軒ある。そのおかげで私たちは洞川温泉の旅館で美味しい豆腐を食することができる。
- 名水とうふ 山口屋
- 創業90余年の歴史を持つ豆腐屋さん
- 洞川温泉街のメインストリートに位置する
- 名水「ごろごろ水」で作られた豆腐が楽しめる
- 出来立ての豆腐を生姜醤油でその場で味わうことができる
- 丸亀商店
- 洞川地区にある豆腐屋さん
- 名水「ごろごろ水」を使用した豆腐を提供
- 営業時間は8:30から17:00まで、不定休
私たちは豆腐を旅館での食事で頂いたが温泉街にある豆腐店に立ち寄ることもできるようだ。残念なことに休業日であっために、それができなかったのは少し残念なことであった。