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彼岸花/曼殊沙華が似合う田園風景撮影スポット8選

はじめに

ヒガンバナ(彼岸花)は、ヒガンバナ科ヒガンバナ属の多年草で、別名を曼珠沙華【まんじゅしゃげ】という。

原産地は中国大陸で、日本では帰化植物に分類されており、北海道と東北地方を除く日本各地に分布する。

名前の由来になっているように、秋の彼岸(9月)の頃に、花茎の先に強く反り返った鮮やかな赤い花を咲かせる。秋の終わりに葉が伸びて翌年の初夏に枯れるという珍しい性質を持っている。地下の鱗茎(球根)に強い毒性を有する有毒植物である。

別名の曼珠沙華は、梵語(サンスクリット語)で「赤い花」という意味から名付けられたと言われている。法華経では曼珠沙華は天上の花という意味もあるという。

日本のヒガンバナは、自然の中で生まれた三倍体植物の代表的な種であって、種子を作らない。種子ができない代わりに、土の中で球根を作って株分けして繁殖してきた。

そのため、遺伝的には同一遺伝子を有する。したがって、同じ地域の個体は開花期や花の大きさや色、草丈がほぼ同じように揃うという不思議な植物である。(引用:ウィキペディア)

ヒガンバナの花は、花弁が反り返り、長い雄しべ・雌しべが外に突き出るという火花のような独特の美しい花形をしているのが魅力的である。多くの場合、群生して咲くので、集積された美しさも備わっている。毎年、彼岸の時期に合わせるかのように全ての花が同時に咲くのもある主の霊的な何かを感じさせ、それがまた魅力となっている。

ヒガンバナは、まず街中で見かけることはないが、万が一咲いていたとしても似つかわしくはないはずだ。ヒガンバナは田園風景にこそ似合っていると思う。そんなヒガンバナが咲く田園風景を探して撮影に(多分)成功したので、本稿を記すことにした。

目次
はじめに
曼珠沙華のお薦め撮影スポット【奈良県】
佛隆寺(仏隆寺)境内【宇陀市】
葛城古道・一言主神社周辺【御所市】
葛城古道・九品寺周辺【御所市】
石神遺跡周辺【明日香村】
飛鳥寺周辺【明日香村】
橘寺周辺【明日香村】
石舞台古墳周辺【明日香村】
稲渕の棚田【明日香村】
あとがき

佛隆寺(仏隆寺)【宇陀市】

佛隆寺仏隆寺)は、奈良県宇陀市にあるお寺で、樹齢900年(推定)の「佛隆寺の千年桜」で有名である。

例年9月下旬頃、彼岸花は境内の石段周りに咲き、満開時には石段周りが彼岸花で覆われる。

佛隆寺の彼岸花は、獣の食害でかなり減ってしまったらしい。

しかしながら、2016年より地元住民やボランティアを中心に「佛隆寺彼岸花再生プロジェクト」を推進してくれたおかげで、彼岸花の群生がかなり復活してきている。

名 称佛隆寺(仏隆寺)
所在地奈良県宇陀市榛原赤埴1684
駐車場あり(無料)
Link佛隆寺(仏隆寺)|奈良県観光[公式サイト]

一言主神社周辺【御所市】

葛城古道【かつらぎこどう】は、葛城山の麓を南北に走る奈良県内の古道である。葛城の道とも呼ばれ、奈良県葛城市當麻付近から奈良県御所市内を通っている約20kmの道である。

この辺りは5世紀末頃に、奈良盆地西部で勢力を振るっていた豪族の葛城氏の本拠地があったところとされている。(引用:ウキペディア)

葛城古道の道沿いには葛城氏や鴨氏ゆかりの古社が点在している。葛城一言主神社九品寺【くほんじ】が有名である。

葛城一言主神社は、奈良県御所市にある神社で、願い事を一言だけ聞いてくれる霊験あらたかな「いちごんさん」の神様として親しまれている。

例年9月下旬になると、一言主神社へと続く参道脇の田んぼの畦にはたくさんの彼岸花が咲く。

収穫前の稲穂と赤色の彼岸花のコントラストがとても鮮やかとなり、いわゆる映える写真が撮れる。

葛城古道における一言主神社周辺は、彼岸花の名所として知られ、満開時はまさに絶景である。

名 称葛城古道・一言主神社周辺
所在地奈良県御所市森脇432
駐車場あり(無料)
Link葛城一言主神社 | 奈良県御所市
葛城一言主神社 | 御所市

九品寺周辺【御所市】

奈良県御所市の葛城古道にある九品寺【くほんじ】は、奈良時代の僧・行基によって創建された寺院ある。

例年9月下旬頃、九品寺境内の外にある北東側の野原や田畑の畦に群生している彼岸花が開花する。九品寺境内には彼岸花はほとんど咲いていない。

見頃の時期には御先祖様にお参りする、いわゆる参拝客よりも彼岸花の絶景を見ようとする観光客の多く、駐車場が混雑する。一言主神社周辺と並んで、彼岸花の名所として知られている。

名 称葛城古道・九品寺周辺
所在地奈良県御所市大字楢原1188
駐車場あり(無料)
Link九品寺 | 御所市

石神遺跡周辺【明日香村】

石神遺跡は、明治35年~36年(1902~1903年)に噴水機能をもつ須弥山石や石人像といった石造物が遺跡の一角から掘り出された遺跡である。現在は田んぼになっている。

名 称石神遺跡周辺
所在地奈良県高市郡明日香村飛鳥112
Link石神遺跡 | 明日香村観光ポータルサイト

飛鳥寺周辺【明日香村】

奈良県明日香村にある飛鳥寺(法興寺)は、日本最古の仏教寺院として知られている。

飛鳥寺は、推古4年(596年)に仏教を保護した蘇我馬子の発願により日本初の本格的寺院として創建されたと伝わる。

飛鳥寺は、明日香の田園風景の中に建っている。

名 称飛鳥寺周辺
所在地奈良県高市郡明日香村飛鳥682
Link飛鳥寺|奈良県観光[公式サイト

橘寺周辺【明日香村】

橘寺は、聖徳太子誕生の地と伝えられ、聖徳太子により創建された寺院の一つされる。8世紀には66もの伽藍が立ち並ぶ大寺院であったらしいが、現在は江戸時代に再建された本堂(太子殿)などの諸堂を残すのみとなっている。

名 称橘寺
所在地奈良県高市郡明日香村橘532
Link橘寺|奈良県観光[公式サイト]

石舞台古墳周辺【明日香村】

石舞台古墳は、6世紀に築造されたと伝えられている。巨石30個を積み上げて造られた石室古墳で、その規模は日本最大級を誇るとされている。

石室の長さは19.1m、玄室は高さ約4.7m、幅約3.5m、奥行き約7.6mもあるという。石の総重量は推定2,300t、古墳最大の巨岩である天井石は、南側が約77t、北側約64tもあると推定されている。

盛土が失われて、露出した天井石の上面が平らなことから「石舞台」と呼ばれているそうだ。

この巨大古墳が誰の墓なのかは不明なままであるが、付近に蘇我馬子の庭園が見つかったことから、蘇我馬子の墓ではないかとも言われている。

また、石室が露出しているのは、蘇我馬子の横暴な態度に反発した後世の人が封土を取り除いたためともいわれている。

彼岸花は、この石舞台の周囲には咲いていないが、石舞台古墳を見下ろす高台の周辺に咲いていた。また珍しい白色の彼岸花が自生していた。

名 称石舞台古墳周辺
所在地奈良県高市郡明日香村島庄254番地
Link石舞台古墳|奈良県観光[公式サイト]

稲渕の棚田【明日香村】

稲渕の棚田は、日本の棚田百選にも選ばれた棚田であり、およそ300枚あまりの水田と畑により形作られている。

日本の農村の原風景を強く残しており、明日香村の歴史的景観の一部でもあるところから重要文化的景観に指定(平成23年)されている。

例年9月下旬に棚田の畔や土手に彼岸花が咲き、奈良県下有数の彼岸花の名所にもなっている。赤色だけでなく、黄色や白色の彼岸花(自生)を見ることができる。恒例の「彼岸花まつり」もこの地で開催される。

案山子路と呼ばれる小道沿いには創意工夫された案山子がたくさん展示されており、「彼岸花まつり」では案山子コンテストも開催されるようだ。ちなみに2022年度のテーマはウクライナ情勢を反映して「世界平和」であるという。

名 称稲渕の棚田
所在地奈良県明日香村大字稲渕
Link奈良県景観資産-稲渕の棚田-/奈良県公式ホームページ
明日香村観光ポータルサイト 旅する明日香ネット
飛鳥観光協会

あとがき

昨年2022年9月21日、ちょうどお彼岸の頃にヒガンバナ(彼岸花)の写真を撮るために奈良に一人で出かけた。いつもは妻と出かけることが多いが、妻の都合がつかず一人旅となった。当初、二日間で周遊する予定が翌日以降が雨天であるとの天気予報のため、丸一日で周遊することにした。

駐車場が限られていたので、結構歩くことになった。スマートウォッチの歩数計測では22,000歩弱を歩いた。ゴルフ並みの距離を歩いたことになる。普段、ほとんど歩かない距離なので少々疲れた。しかし、田園に咲く曼珠沙華の風景を念願叶って撮ることができたので、その疲れもひと風呂浴びると解消した。

今年はのどかな田園風景に映える曼珠沙華を眺めながら妻と一緒にゆっくりと散歩したいものだ。


【参考資料】
佛隆寺(仏隆寺)|奈良県観光[公式サイト]
葛城一言主神社 | 奈良県御所市
葛城一言主神社 | 御所市
九品寺 | 御所市
石神遺跡 | 明日香村観光ポータルサイト
飛鳥寺|奈良県観光[公式サイト
橘寺|奈良県観光[公式サイト]
石舞台古墳|奈良県観光[公式サイト]
奈良県景観資産-稲渕の棚田-/奈良県公式ホームページ
明日香村観光ポータルサイト 旅する明日香ネット
飛鳥観光協会