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【伊賀の国】伝統の夏祭りをはしごして夏を満喫!

はじめに

伊賀の国」は、かつての日本の地方行政区分で、現在の三重県西部、上野盆地一帯に該当する令制国の一つであり、東海道に属していた。「伊賀」は、現在でも三重県の伊賀地方を指す呼称として使われており、伊賀市と名張市を中心に構成されている。伊賀は、伊賀流忍者の発祥地として知られ、伊賀焼(陶器・炻器)や伊賀組紐の産地としても有名である。

夏祭りは、日本の伝統的な文化行事で、主に7月から8月にかけて行われるケースが多い。地域の人々が集まり、盆踊りや屋台、花火大会などを楽しむイベントとなる場合も多い。

そもそも夏祭りには下記のような意味や目的がある。

  • 風除け・虫除け
    • 台風や害虫から作物を守るための祈願
  • 疫病退散
    • 疫病の流行を防ぐための祈り
  • 祖先供養
    • 盆踊りを通じて、亡くなった先祖の魂を迎え、供養する

そのため、夏祭りには様々なスタイルの行事がある。主な行事には下記のようなものがある。

  • お神輿
    • 神様を乗せた神輿を担いで地域を巡る行事
  • 盆踊り
    • 音頭に合わせて踊る行事で、地域ごとにスタイルが異なる
  • 灯籠流し
    • 灯籠に火を灯して海や川に流し、亡くなった者の魂を弔う

ここ「伊賀の国」にも特記すべき伝統的な夏祭りがある。これらの夏祭りは、地域の伝統や文化を感じることができる素晴らしいイベントにもなっている。本稿では、そのような「伊賀の国」の夏祭りをレポートしたいと思う。

目次
はじめに
愛宕神社の「愛宕の火祭り」
植木神社の祇園祭(くねり御輿)
陽夫多神社の祇園祭(願之山踊り)
あとがき

愛宕神社の「愛宕の火祭り」

愛宕神社は、「火の神」である火之迦具士命【ひのかぐつちのかみ】を主祭神として祀る神社である。

「松明の川渡り」を無事に終え、神輿を先頭に愛宕神社に向かう松明行列

愛宕の火祭りは、名張市の愛宕神社で毎年7月24日以降の直近の土曜日に行われる伝統的な「火伏せ」の神事である。この祭りは大正末期ごろから始まったとされる。1973年に一度途絶えた後、復活し、現在も続けられている。長い歴史を持ち、地域の人々にとって重要な行事となっている。

神輿を先頭に松明の川渡りに向かう松明行列

白装束をまとった氏子たちが火のついた松明を持って神輿と共に街を練り歩き、神輿が愛宕神社に戻る前に名張川を渡る「松明の川渡り」が見どころである。この光景は非常に勇壮で、観客を魅了する。

愛宕の火祭り」のクライマックスである松明の川渡り

火祭りの後には、例年約5000発の花火が名張の夜空を彩る。この恒例の「名張川納涼花火大会」は祭りのクライマックスとして、多くの観光客を引き寄せる。

「松明の川渡り」を無事に終え、愛宕神社に向かう松明行列愛宕の火祭り

祭りは地域の活気を象徴するイベントであり、地元住民や観光客が一体となって楽しむことができる。愛宕の火祭りは、名張市の夏の風物詩として、多くの人々に愛されている。

名 称愛宕神社
所在地三重県名張市南町506

植木神社の祇園祭(くねり御輿)

植木神社は、三重県伊賀市平田にある神社である。植木神社祇園祭(くねり御輿)は、毎年7月の最終土・日曜日に行われる伝統的な夏祭りである。この祭りは、三重県の無形民俗文化財に指定されており、地域の歴史と文化を感じることができる。

植木神社の祇園祭くねり神輿

植木神社の祇園祭は、400年以上の歴史を持ち、地域の人々にとって重要な行事である。疫病が流行った時にスサノオノミコトが現れて薬として「梅」と「牡丹」を授けたことが祭りの起源とされている。

神輿を大胆に傾けるくねり神輿

祭りのハイライトは「くねり御輿」と呼ばれる神輿の担ぎ方である。16人の若者が200kg以上の神輿を傾けながら旋回させる「くねり」を繰り返しながら、2基の神輿が旧平田宿の街道筋を練り歩く。この勇壮な光景は非常に迫力がある。

植木神社の祇園祭くねり神輿

また、祭りには3基の豪華絢爛なだんじりが登場し、太鼓や囃子の音と共に街道を練り歩く。だんじりには各町内の子供たちが乗り込み、笛や太鼓を演奏しながら巡行する。

豪華絢爛な楼車3台が列をなして旧平田宿の街道筋を練り歩く

植木神社祇園祭(くねり御輿)は、地域の活気を象徴するイベントであり、地元住民や観光客が一体となって楽しむことができる素晴らしい夏祭りである。

名 称植木神社
所在地三重県伊賀市平田699
電 話0595-47-0431
駐車場あり(無料)
Link植木神社

陽夫多神社の祇園祭(願之山踊り

陽夫多神社【やぶたじんじゃ】は、三重県伊賀市馬場に位置する神社で、主祭神として健速須佐之男命【たけはやすさのおのみこと】が祀られている。

陽夫多神社祇園祭神輿還幸

祇園祭は病気平癒や家内安全、五穀豊穣を祈る祭事であり、陽夫多神社では毎年7月31日(宵宮祭)と8月1日(本祭)に行われる伝統的な夏祭りである。

夫多神社祇園祭神輿還幸

願之山踊り【がんのやまおどり】」は、無病息災や家内安全などの願かけを解く神事として安土桃山時代から始まり、長い歴史を持っている。願之山踊りは、三重県の無形民俗文化財に指定されている。

陽夫多神社祇園祭願之山踊り小踊り

陽夫多神社の祇園祭のハイライトである「願之山踊り」には青年が踊る大踊りと児童が踊る小踊りの2種類がある。大踊りは約30人の引き手が曳山「願之山」を引きながら、大太鼓を打ち鳴らし踊る。一方、小踊りは児童が太鼓を持ち、囃子歌に合わせて踊る。コロナ禍以降は、小踊りのみの実施が多いという。

陽夫多神社祇園祭願之山踊り小踊り

願之山踊りの前には「花揚げ」が行われる。氏子たちが花笠や団扇を奪い合い(実際は紳士的で奪い合うことはない)、家に持ち帰って厄除けとして飾るという。この行事は、疫病をもたらす疫神を追い払うためのものである。

陽夫多神社祇園祭花揚げの様子

宵宮祭では奉納花火大会が行われ、祭りを盛り上げる。

名 称陽夫多神社
所在地三重県伊賀市馬場951
TEL0595-43-0158
アクセス名阪国道「壬生野IC」から車で約10分
駐車場あり(無料)
Link

あとがき

田舎で催される夏祭りには、都会では味わえない下記のような独特の魅力がある。

  • 地域の伝統と文化
    • 田舎の夏祭りは、その地域の歴史や伝統を色濃く反映
    • 地元の神社の祭りは、古くからの風習や儀式を大切に踏襲
  • 伝統芸能の披露
    • 地元の伝統芸能や音楽、舞踊などが披露されることがある
    • 地域の歴史や文化を感じることができる貴重な機会
  • 手作り感と温かみ
    • 田舎の夏祭りは、地元の人々が手作りで準備し、運営
    • 祭り全体に温かみがあり、参加者も一体感を感じる
  • 温かい人々の交流
    • 地元の人々が一堂に会し、親しみやすい雰囲気の中で交流
    • 訪れる人々も比較的少なく、よりアットホームな感じ
  • 自然との調和
    • 田舎の美しい自然環境の中で行われる
    • 風景や季節の移ろいを感じながら楽しむことができる
    • 川沿いでの灯篭流しなど、自然と一体となったイベント
  • 地元の特産品と食文化
    • その地域ならではの特産品や伝統的な料理を楽しめる
    • 地元の農産物や手作りの料理が並び、人々を楽しませる

田舎での夏祭りは、都会の喧騒から離れて、ゆったりとした時間を過ごしながら、地域の魅力を存分に味わうことができる素晴らしいイベントであると思う。今後もできるだけ機会を作り、見学してみたいと思う。


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