はじめに
南部梅林【みなべばいりん】は、日本最大級の広さを誇り、一目百万、香り十里との呼び声が高く、一帯が梅花の香りに包まれるほど美しく薫る南部随一の梅の名所と紹介されている。

南部梅林に植栽されている梅の木の数は実のところ不明らしい。数が多すぎて数えることができないのかも知れない。南部梅林のある和歌山県みなべ町は、実梅の代表品種である南高梅の発祥の地として知られており、青梅と梅干しの生産量が共に日本一でもある。そのため、南部梅林にも南高梅を中心に多くの実梅が植栽されていることだろう。
南部梅林
南部梅林【みなべばいりん】は、和歌山県みなべ町に位置する、日本最大級の規模を誇る梅林である。約8万本の梅が栽培されているという。
みなべ町は、紀南地域に位置し、梅の生産量は日本一である。また、実梅の代表品種として知られる南高梅【なんこううめ】の発祥の地でもある。青梅の生産量と共に梅干しの生産量も日本一である。
南高梅は、白梅の実梅で、花弁は白の単色であるが、ガクが赤褐色なので花の真ん中がピンクに見える。そして、その果実は数ある実梅の品種の中でも最高級とされる。
みなべ町一帯の梅林は、南部梅林を含め、観光目的ではなく、全て果実採取のための産業用の梅林(農園)である。そのため、梅の開花期に合わせて、例年1月下旬から3月上旬までの限られた期間だけ一般観光客の梅林への立ち入りが可能である。
南部梅林の梅の見頃は、その年によってかなり変動がある。特に今年(2025年)のように強烈な寒波が押し寄せると開花期が遅れてしまう。
また、南部梅林は丘陵地にあるためわずかながら標高差がある。そのため、場所によって開花時期がずれることがある。さらに、日照時間の長い南斜面と短い北斜面でも開花状況が変わる。
山頂付近に整備された梅公園には、数種類の観賞用品種も植えられている。
特殊な品種の花梅を期待することはできないが、梅の花の絨毯のような見事な光景には、誰もが感嘆の声をあげるに違いない。南部川河岸の丘陵地に梅林が続く風景は一見の価値がある。
名 称 | 南部梅林 |
所在地 | 和歌山県日高郡みなべ町晩稲香雲丘 |
TEL | 0739-74-3464 |
駐車場 | あり(有料) |
Link | 南部梅林-梅の里観梅協会【公式サイト】 |
あとがき
南部梅林は、開花時期になると山一面が白い梅の花で埋め尽くされる。その様子は、まさに絶景である。
入門ゲートをくぐり、料金所を過ぎたあたりの「第一休憩所」は、「一目百万、香り十里」と称される絶景を最初に観ることができるビュースポットである。
景色の良いビュースポットにはベンチが置かれているので、ベンチを目安にして、梅の花を鑑賞しながら、のんびりと散策するのが良い。
南高梅は、青採りした青梅は梅酒用等に適しており、樹上完熟させて利用すれば品質の良い漬け梅(梅干し)ができるという。そのため、南部梅林をはじめみなべ町の梅林における収穫(出荷)時期は、次のようになっているという。
- 青梅(梅酒用):5月下旬~6月下旬
- 完熟梅(梅干用):6月中旬~7月上旬
なお、製品の梅干しは、通年出荷されているという。