はじめに
秋の澄んだ空気の中、伊賀市一之宮に鎮座する敢国神社【あえくにじんじゃ】で毎年開催される「黒党まつり」は、伊賀服部一族の誇りと伝統を今に伝える「奇祭」と呼ばれるにふさわしい歴史と個性を持ったお祭り(荘厳で力強い祭礼)である。
もともとは平安時代末期に服部家長が始めた私祭で、戦国時代に一度途絶えたものの、1995年に約450年ぶりに復興されて、今では伊賀の秋の風物詩として定着しているようだ。
かつては、黒装束に身を包んだ人々が練り歩く祭りであったらしいが、現代では伝統忍者集団「黒党【くろんど】)」が忍術演武を奉納することで知られている。忍者ショーや殺陣、捕り縄術、鎖鎌の演舞など、迫力満点のパフォーマンスが披露されて、観客を魅了している。
敢国神社とは?
敢国神社【あえくにじんじゃ】は、伊賀国一宮として古くから信仰されてきた由緒ある神社である。創建は奈良時代とされ、主祭神として大彦命【おおひこのみこと】を祀っている。
大彦命は、ヤマト王権の拡大に貢献した伝説的な将軍であり、多くの氏族の祖とされる人物である。その足跡は北陸から東海、伊賀にまで及び、今も各地の神社でその名が語り継がれている。
敢国神社は、伊賀の守護神として地域の人々に親しまれ、戦国時代には服部一族をはじめとする武士たちが戦勝祈願に訪れたと伝えられている。
黒党まつりとは?
黒党【くろんど】まつりは、伊賀服部一族の末裔たちが黒装束(黒党)に身を包み、敢国神社に参拝することで、祖先への敬意と誇りを表す伝統行事である。
“黒党”とは服部氏を中心とした武士団の呼称で。その名残を今に伝える祭りとして、地域の人々に大切に守られている。
現代の黒党まつりは、忍び装束をまとっての演舞が披露されることから、地元の人々や観光客にとって人気のイベントとなっている。
| 11:00~ | 新嘗祭・神事 |
| 11:45頃~ | 伝統忍者集団黒党による忍者ショー奉納公演 |
| 12:30頃 | 終了 |
あとがき
黒党まつりは、ただの地域イベントではなく、伊賀の歴史と誇りを今に伝える生きた文化と言えるかも知れない。黒装束に込められた服部一族の魂は、現代の伊賀にも確かに息づいているようだ。
歴史好きも、祭り好きも、秋の伊賀を訪れるなら是非この祭りを見物してみてはどうだろうか。きっと、あなたの心にも誇りという名の火が灯るかも知れない。