はじめに
五箇山の菅沼と相倉の合掌造り集落は、富山県南砺市に位置し、それぞれの集落には独自の魅力がある。
菅沼集落は、9棟の合掌造り家屋があるだけの比較的小規模な集落である。しかしながら、庄川沿いの美しい川の風景が楽しめるほか、五箇山民俗館では伝統的な生活用具が展示されており、塩硝の館では塩硝作りの工程や歴史を学ぶことができる。
一方、相倉集落には20棟の合掌造り家屋が残されており、比較的中規模な集落であると言える。山奥の秘境のような風景が広がっているのが魅力的である。相倉民俗館や相倉伝統産業館では、集落の生活の様子や和紙産業の歴史を学ぶことができる。
五箇山の菅沼と相倉の合掌造り集落は、白川郷(岐阜県)と共に「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として、1995年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。
五箇山菅沼集落
五箇山菅沼集落は、白川郷から車で約30分とアクセスしやすい距離に位置している。菅沼地区には、現在9戸の合掌造り家屋が残っている。道路脇のバス停からすぐに見える位置にあるので、分かりやすい。
合掌造り家屋は、日本有数の豪雪地帯という自然環境に耐える住まいとしての役割と養蚕や塩硝作りという生活の糧となる仕事場としての役割を同時にかつ合理的に達成しているとされる。
合掌造り家屋は、見た目以上に合理的で頑強な構造で裏打ちされた居住性の高い空間を満たしているのかも知れない。
幸運にも一軒の合掌造り家屋の茅葺き屋根の葺き替え工事中の写真を撮ることができた。通常の瓦屋根よりも費用と時間が掛かることが容易に推察できる。後世に是非、残してもらいたい。
名 称 | 五箇山菅沼集落 |
所在地 | 富山県南砺市菅沼地区 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 世界遺産 五箇山菅沼合掌造り集落 |
五箇山相倉集落
五箇山相倉集落は、菅沼集落から車で約15分ほどの距離に位置している。相倉地区には、現在20戸の合掌造り家屋が残っている。集落の入口には広大な駐車場が整備され、案内所もある。
相倉集落は、五箇山の歴史的風景を今に残す集落で、現在も人々が生活を営んでおり、世界的にも珍しい「人が住まう世界遺産」であるという。
合掌造り家屋は、茅葺き屋根が特徴の伝統的な建築様式であり、豪雪地帯特有の知恵が詰まった建築であるとされる。
相倉集落では、合掌造り家屋を利用した資料館(相倉民俗館)や民宿も充実している。
相倉集落では、春の新緑、夏の青々とした田畑、秋の紅葉、冬の雪景色と、四季折々の美しい景観が楽しめるという。案内所では相倉集落についての情報を提供してくれる。
五箇山相倉集落は、菅沼集落や白川郷(岐阜県)と共に「白川郷・五箇山の合掌造り集落」として、1995年にユネスコの世界遺産(文化遺産)に登録されている。それを記念して、集落への入口付近に世界遺産登録記念碑が設置されている。
名 称 | 五箇山相倉集落 |
所在地 | 富山県南砺市相倉地区 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 相倉合掌造り集落|世界遺産五箇山 相倉合掌造り保存財団トップ |
あとがき
五箇山の菅沼と相倉の合掌造り集落は、それぞれ異なる魅力を持っている。両集落は、距離的も比較的近いので、折角の機会なのでどちらの集落も訪れてみるべきであろう。両集落は、共に一見の価値があると思う。私が次に訪れるとするならば、もう少し余裕のあるスケジュールで旅プランを考えたい。