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近畿随一の渓谷美を誇る「みたらい渓谷」

はじめに

みたらい渓谷(御手洗渓谷)は、奈良県天川村に位置する美しい渓谷である。「みたらい」という名前は、南北朝時代に後醍醐天皇の息子である護良親王【もりよししんのう】が戦の祈願のためにこの場所で手を清めたこと(御手洗/禊【みそぎ】をしたこと)が由来とされている。

みたらい渓谷は、大峰山から流れ出る山上川が川迫川に合流する辺りに形成された渓谷で、高低差が大きく、大小さまざまな滝が流れ落ちる美しい景観が特徴的である。

みたらい渓谷は、四季折々の美しい自然景観を楽しむことができる渓谷であり、特に紅葉の季節には多くの観光客が訪れる。


<目次>
はじめに
みたらい渓谷
あとがき

みたらい渓谷

みたらい渓谷は、奈良県天川村北角にある渓谷である。新宮川水系の天ノ川【てんのかわ】の支流である山上川下流部で、川迫川と合流する場所付近の渓谷を指す。

みたらい渓谷の魅力と言えば、エメラルドグリーンに輝く清流である。その清流の美しさと河原に点在する巨岩や奇岩は訪れる私たちを魅了する。また、渓谷内には大小さまざまな滝があり、そのダイナミックな景観も見どころの一つである。

みたらい渓谷は、四季折々の異なる景観の美しさを楽しむことができるが、特に秋の紅葉の季節は素晴らしい。そのため、この季節には多くの観光客が訪れる。

みたらい渓谷には渓谷沿いには遊歩道が整備されており、ハイキングを楽しみながら自然の美しさを満喫できる。

ハイキングを開始する前に、天川村総合案内所で遊歩道の案内マップである「みたらい渓谷ハイキングコースマップ」を入手しておくことをお勧めしたい。みたらい渓谷ハイキングコースの概要が理解できるからである。

天川村総合案内所を出て信号を横断し、数分歩いたところにある道案内の看板を左に曲がると緑色に塗られた川合吊橋がある。

頭上の看板には「人数制限5人」と書かれているので、重量制限があるが、なんとか私でも渡れたので、多くの人にとっては安全な吊橋である。

川合吊橋を渡って、天ノ川を左手に見ながら車道をしばらく進むと、やがて弁天渕橋が見えてくる。

弁天渕橋を渡らず、その橋の手前右側にある、みたらい遊歩道への入口から遊歩道に入る。

遊歩道に入ってからは、左手に天ノ川【てんのかわ】を眺めながらのハイキングコースで、渓谷沿いに整備された遊歩道からは河原に巨石・奇岩が転がる風景を楽しむことができる。透き通ったエメラルドグリーンの水は本当に美しい。

みたらい渓谷への旅は、遊歩道ハイキングがお勧めである。車で移動しようとすると、道幅が狭くて対向車に気をつける必要があるのでゆっくり天ノ川の景色を見ることができない。その上、みたらい休憩所の駐車スペースは限られているので先着順となるからである。

また遊歩道ならでは楽しみ方もある。遊歩道では普段、目にすることがほとんどない巨樹にも会うことができる。

みたらい遊歩道入口から約30分ほどで「みたらい休憩所」に到着する。ここまでの道程は、ほぼ平坦であるのでほとんど疲れない。

道路を挟んで「みたらい休憩所」横の石段から少し登った所は、みたらい渓谷のなかでも一番のみどころである。

確かに美しくて絶好の撮影スポットがいくつも存在した。ハイキングコースの途中には「みたらいの滝」があり、その美しさは圧巻である。

「みたらい休憩所」を眼下にしながら遊歩道を少し進むと、ここからは哀伝橋みたらいの滝みたらい橋の3つを同時に見ることができる場所に着く。

ハイキングコースにはいくつかの吊り橋が架かっており、渓谷の景色を一望できる。特に「哀伝橋」からの眺めは素晴らしい。哀伝橋からは、みたらいの滝と、その頭上に架かるみたらい橋を見ることができる。さらに真下には、滝の流れも見える。この絶景は見飽きることはない。

ここがみたらい渓谷を代表する景観の一つとなっているのが容易に理解できる。筆舌できないほどの絶景である。

エメラルドグリーンの淵は本当に美しい。いつまでも眺めていたい思いに駆られる。自分が高所恐怖症であることさえ忘れてしまうほどである。

遊歩道は、急な上りが続くようになる。その先にある「光の滝」は、落差15mの直瀑で、陽光に反射して美しい。

およそ200mという高低差がある渓谷内には、大小の滝がいくつも流れ落ち、巨石・奇岩もいたるところに点在する。そして周辺の森林は豊富な種類の木々がつくる自然林である。そのため四季折々の渓谷美を楽しむことができる。特に秋の紅葉時の景観は絶景というほど素晴らしい。「光の滝」の周辺の紅葉も陽光に照らされてとても綺麗であった。

みたらい渓谷のハイキングコースの最後には「みたらい橋」と呼ばれる吊橋があり、この橋を渡ると、洞川温泉街に到着する。

ハイキングコースの終点は洞川温泉である。ハイキングの後には温泉でリフレッシュすることができる。

ハイキングコースとなる遊歩道は、天川川合バス停から洞川温泉バス停まで続き、全行程は約7kmで、徒歩約2時間30分の道程となる。高低差は約200mあるので、運動不足ぎみのシニア世代にとっては結構な運動量である。

名 称みたらい渓谷
所在地奈良県吉野郡天川村北角
Linkみたらい渓谷 | 天川村公式サイト(奈良県) 
みたらい渓谷|奈良県観光[公式サイト] |天川村
みたらい遊歩道 | 天川村公式サイト(奈良県)
関西屈指の渓谷美!奈良・天川村「みたらい遊歩道」
名 称天川村総合案内所(遊歩道マップが入手できる)
(天川村の観光や登山などあらゆる情報が入手できる)
所在地奈良県吉野郡天川村川合263-1
(国道309号線沿いの天川村の入口に位置する)
Link天川村総合案内所 | 天川村公式サイト(奈良県) 
名 称大峯山洞川温泉観光案内所
所在地奈良県吉野郡天川村洞川528-1
Link大峯山洞川温泉観光協会
名 称天川村役場無料駐車場(繫忙期のみ使用可)
所在地奈良県吉野郡天川村大字沢谷60
Link駐車場のご案内 | 天川村公式サイト(奈良県) 

あとがき

みたらい渓谷に行ったのは今回で2度目であるが、最初に行ったのは20年以上も昔のことである。しかしながら、みたらい渓谷の自然と紅葉は素晴らしかったという記憶は今でも鮮明に残っている。紅葉の見頃が少し過ぎていたとは言え、今回も十分に紅葉を楽しむことができた。

遊歩道は高低差が約200mあるので、天川村総合案内所を起点に洞川地区を目指す歩き方は登りになり、反対に洞川温泉観光案内所を起点に天川村総合案内所を目指す歩き方は下りになる。

私たちは天川村総合案内所を起点にしたが、車で行ったので全行程を歩かずに途中の「みたらい休憩所」から急登した先に位置する「光の滝」を見て引き返した。

前回の旅は日帰りだったので、今回は洞川温泉に宿泊することにした。洞川温泉も期待以上に満足できるものであったので、今回の旅は、スパツーリズムの観点からも十分に素晴らしいものであったと自賛したい。


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