はじめに
足摺宇和海【あしずりうわかい】国立公園は、高知県足摺岬から愛媛県宇和海沿岸に至る海岸線、特に竜串、樫西、勤崎、尻貝、宇和海、沖ノ島などの海域公園や海岸と、滑床渓谷、篠山や法華津峠といった内陸部をも包含する国立公園である。そのため景色の異なる景勝地が多数あり、見飽きることがない。ドライブするにはもってこいの国立公園ではないだろうか。私もまだ訪れたことのないところが多い。旅の事前学習として学びたいと思う。
足摺岬・足摺岬灯台
足摺岬【あしずりみさき】は、高知県南西部(土佐清水市)に位置し、太平洋に突き出る足摺半島南東端の岬である。黒潮によって浸食された断崖は約80 mの高さがある。各所からは日の出や日の入りが一望できる南向きの岬である。
よく台風の進路にあたる場所であることから「台風銀座」とも呼ばれ、しばしば暴風に見舞われる。
足摺岬の周囲はツバキ、ウバメガシやビロウ等の亜熱帯植物が密生している。沖合いはカツオの好漁場として知られる。そのため土佐清水市はカツオのたたきなどで有名である。
名 称 | 足摺岬・足摺岬灯台 |
所在地 | 高知県土佐清水市足摺岬字足摺山214番地5 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 足摺岬・足摺岬灯台 | 土佐清水市観光協会 足摺岬灯台 – 土佐清水市 |
竜串海岸
竜串海岸【たつくしかいがん】は、足摺岬近辺にある奇勝のある海岸で、名称の由来は諸説があって定かではない。
竜串の一帯は砂岩と泥岩の層が交互の重なっており、その層が波食や風食を受けて独特の形状が形成されている。中でも一直線上に、丸みを帯びた節理が見られる大竹小竹は竜串を象徴する景観である。他にもしぼり幕、欄間石、蛙の千匹連れ、千畳敷などと名付けられた名所が知られている。
名 称 | 竜串海岸【たつくしかいがん】 |
所在地 | 高知県土佐清水市竜串3897 (竜串ダイビングセンター) |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 『竜串海岸』 | 土佐清水市観光協会 竜串海岸 – 土佐清水市 |
見残し海岸
見残し海岸は、竜串海岸から千尋岬を南下したところにある海岸である。「見残し」という地名は、弘法大師・空海がこの景勝地を見残したことに因むと伝わる。
竜串層といわれる地層から成っており、砂岩や泥岩が長年の波食や風食作用によって岩肌に無数の襞【ひだ】と甌穴【おうけつ】を生み出している。その特徴的な造形によって屏風岩がよく知られているあるが、他にも渦巻岩、博打【バクチ】岩や人魚御殿などと名付けられた鑑賞ポイントが多数ある。
名 称 | 見残し海岸 |
所在地 | 高知県土佐清水市竜串 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 『見残し海岸』 | 土佐清水市観光協会 見残し海岸 – 土佐清水市 見残し海岸 – 竜串〜見残し往復グラスボート |
大堂海岸
大堂海岸【おおどうかいがん】は、宿毛湾【すくもわん】の南に突き出た大月半島の南側の海岸である。大月半島の南側は岩が波により侵食された高さ120~130mの切り立った断崖が続く。断崖の岩石は花崗岩と水成岩で構成され、白く見える岩石が花崗岩である。
地殻変動の激しかった白亜紀に水成岩須崎層に裂け目ができ、その裂け目に花崗岩の岩漿が噴き出した結果、現在の姿になったと言われている。
観音岩
観音岩は、高さ30mほどの花崗岩の岩で、海から突き出た姿が観音菩薩に似ていることからこの名がついたとされる。昔は沖を航行する船を照らしたと言う伝説が残る。
お万の滝
お万の滝は、「滝」という名が付いているが水は流れていない。断崖をこの地方では「タキ」、あるいは「ガケ」と呼ぶ。
伝承によれば、その昔、お万という盲目の美女が島守に恋をしたが、島守の職務の妨げになると思って、高さ120mの崖から身を投じたという。この悲話を悼んで、この断崖は「お万の滝」と呼ばれるようになったと伝わる。
名 称 | 大堂海岸 |
所在地 | 高知県幡多郡大月町一切 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 大堂海岸 | 高知県観光情報Webサイト「こうち旅ネット」 大堂山展望台 – 一般社団法人 大月町観光協会 |
柏島
柏島【かしわじま】は、宿毛湾【すくもわん】の南に突き出た大月半島の先端に位置する、高知県最西端に位置する島である。柏島は、柏島橋と新柏島大橋の2本の橋で大月半島と繋がっているので車だけでアクセスできる。
島の北東側の平坦部には集落があり、漁港もある。一方、島の南側が最も高く、山上には柏島灯台がある。南岸から南西岸にかけては断崖となっている。
名 称 | 柏島【かしわじま】 |
所在地 | 高知県幡多郡大月町柏島 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 柏島 – 大月町観光サイト:海と山 柏島 | 高知県観光情報Webサイト「こうち旅ネット」 |
篠山
篠山【ささやま】(標高1,065m)は、愛媛県と高知県の県境に位置する山で、山名はミヤコザサの大群落があることに由来するらしい。篠山はアケボノツツジで知られている。4月下旬~5月上旬にかけては、アケボノツツジやシャクナゲの花で山一面が埋め尽くされるという。
山頂付近には弘法大師・空海が開山したと伝えられる観世音寺跡があるなど古くから開かれた山であり、歴史的遺跡が存在する。山頂からは宇和海や遠く九州の山々も望むことができるという。
名 称 | 篠山【ささやま】 |
所在地 | 愛媛県南宇和郡愛南町正木3047番地2 (篠山自然学習館所在地) |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 愛南町公式ホームページ/ 篠山 篠山観光開発協議会 篠山のアケボノツツジ|愛南町観光協会 公式HP 篠山(ささやま) – すくも観光ナビ 篠山(ささやま) – 宿毛市 |
高茂岬
高茂岬【こうもみさき】は、豊後水道に突き出た船越半島【ふなこしはんとう】にある。岬の周辺の海岸線は高さ80~100mに達する海食崖である。
岬にある展望所からは、南側に高知県の沖の島や鵜来島【うぐるしま】が見え、西には豊後水道越しに九州山地が見えるという。
名 称 | 高茂岬【こうもみさき】 |
所在地 | 愛媛県南宇和郡愛南町高茂18番地(駐車場) |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 愛南町公式ホームページ/ 高茂岬 高茂岬|愛南町観光協会 公式ホームページ |
滑床渓谷
滑床渓谷【なめとこけいこく】は、四万十川支流の目黒川最上流に位置する、延長12kmにも及ぶ愛媛県下有数の渓谷である。
渓谷のほぼ全域が花崗岩から成り立っているため、長年にわたる浸食によって岩肌が滑らかになっていることが名称の由来と言われている。
滑床渓谷にある雪輪の滝【ゆきわのたき】は、一枚岩(花崗岩)の緩斜面を全長約300mにわたって流れるナメ滝(落差80m、幅約20m)である。名称の由来は、流れ落ちる水紋が雪の輪の様に見えることからであるという。但し、水量が多いとその雪輪が見えないことがあるので運次第ということかも知れない。
滑床渓谷には雪輪の滝以外にも霧ヶ滝、象頭岩、太鼓岩、千畳敷などと名付けられた景勝地がある。
名 称 | 滑床渓谷 |
所在地 | 愛媛県北宇和郡松野町目黒・宇和島市野川 |
駐車場 | あり(無料)滑床渓谷は駐車場から約1.2km先 |
Link | 滑床渓谷|愛媛県の公式観光サイト【いよ観ネット】 滑床渓谷| 森の国まつの(松野町公式観光情報サイト) |
法華津峠
法華津峠【ほけつとうげ】(標高436m)は、宇和島市と西予市との間に位置する峠で、市境となっている。
かつて峠越えの道は宇和島と宇和とを隔てる難所であったが、現在ではトンネルが開通し、道路(国道56号)と鉄道(予讃線)が共に整備されている。
昔ながらの峠道(旧国道56号)は、トンネルの南口から、南へ(宇和島市街方面)へと下る。旧道の沿線は果樹園(みかん畑)と雑木林が混在しているが、峠付近から見下ろすみかん畑や法花津湾の眺望は素晴らしいという。
新国道の両側は一面のみかん畑であり、みかんの実の色づくころには独特の景観を形成している。この眺めも素晴らしいということである。
名 称 | 法華津峠【ほけつとうげ】 |
所在地 | 愛媛県宇和島市吉田町法花津/西予市宇和町皆田 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 法華津峠|一般社団法人西予市観光物産協会 法華津峠|ジオサイト | 四国西予ジオパーク 法華津峠展望台 / 愛媛県 |
佐田岬・佐田岬灯台
佐田岬灯台は、大正7年(1918年)に佐田岬半島の先端の岸壁に建設された白亜の灯台である。塔高は18 m、灯高は49 mであり、光達距離は19海里(約35km)に及ぶとされる。
四国の最西端に位置するため、晴れた日には豊予海峡を隔てて九州を遠望できるという。夕暮れになると海に沈む夕日を間近に眺めることもできる。
名 称 | 佐田岬・佐田岬灯台 |
所在地 | 愛媛県西宇和郡伊方町正野 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 佐田岬灯台|愛媛県の公式観光サイト |
あとがき
足摺宇和海国立公園は、さすがに国立公園であって素晴らしい景勝地が多い。にもかかわらず私はほとんど訪れていないことに気付いて愕然としている。しかも結構近くの道路をドライブしているにも関わらずに見逃しているのである。何を目的にしていたのだろうか。それすらも記憶にないのは如何に主体的な旅をしてこなかったことの証左である。いつまでも妻のドライバー兼ポーターであってはいけない。リタイアした今ならもっと主体的に旅ができるかも知れない。否、旅は主体的であるべきだと遅まきながら気づくことになった。