はじめに
秋の紅葉は、自然が織り成す一大イベントであり、季節の変わり目を実感する季節でもある。夏の暑さから完全に癒え、冬の訪れを感じるなど、季節の移ろいを感じる瞬間でもある。
秋になると、カエデ、イチョウ、ナラなどの葉が鮮やかな赤色、黄色、オレンジ色に染まる。このカラフルな風景はまるで絵画のような美しい色彩で私たちを楽しませてくれる。日本では秋になると北から南へと順に全国的に紅葉が楽しめるが、その魅力は地域や紅葉の名所によって特徴が異なる。
個人的には静かな森や山中で紅葉を楽しみたいと思う。その理由は、自然の中でリフレッシュでき、心が洗われるような感覚が味わえるからである。一方で、有名な神社仏閣の境内での紅葉は、観光客が多いという問題を除けば、紅葉自体は素晴らしい。観光客が多いということは、その場所が紅葉の名所であることを物語っている。人混みを覚悟で、そんな紅葉の名所に押しかけてしまうのも人情というものであろう。
長崎県には美しい紅葉スポットがたくさんある。特に有名なのは、島原半島や五島列島などである。そんな長崎県の紅葉名所を私の撮った写真と共に紹介したい。
雲仙・仁田峠第二展望所
雲仙岳は、長崎県の島原半島中央部にそびえる火山で、総計20以上の山々から構成される。主峰は普賢岳(標高1,359m)だが、平成2~7年(1990~1995年)の火山活動で平成新山(標高1,483m)ができ、こちらの方が最高峰になってしまった。
仁田峠は普賢岳の5合目にあたる峠であり、最高峰の平成新山を間近で見ることができる場所が仁田峠にある第二展望所(標高1,080m)である。この展望所からは眼前に平成新山の威容を望み、右手の眼下には有明海を見下ろすことができる。
第二展望所となっているが、ここがイチオシの雲仙屈指の展望台であることに間違いはない。尚、仁田峠へ向かう道路は一方通行となっており、引き返すことはできないので注意を要する。
名 称 | 仁田峠・第二展望所 |
所在地 | 長崎県雲仙市小浜町雲仙 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 仁田峠循環道路・仁田峠第二展望所 |
雲仙・仁田峠(平成新山展望地)
仁田峠・平成新山展望地は、仁田峠循環道路沿いにあり、妙見岳(標高1,333m)と野岳(標高1,142m)の鞍部(標高1,079m)に位置する。妙見岳に登る際に利用できる雲仙ロープウェイの仁田峠駅が近くに見える。この展望地からは妙見岳が一望できる。
紅葉の見頃に時期であれば、雲仙ロープウェイに乗ると見事な紅葉を空中から眺められるはずである。私たちが訪れたときは、既に紅葉の見頃時期は終わっていた。また天候も悪化し、冷たい風が強く吹いていたのでロープウェイで妙見岳駅に行くことはしなかった。次の機会には、是非、行ってみたいものだ。
名 称 | 仁田峠・平成新山展望地 |
所在地 | 長崎県雲仙市小浜町雲仙 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 雲仙ロープウェイ【公式】 |
三十路苑
三十路苑【さんじゅうしおん】は、長崎県雲仙市に位置する紅葉の名所である。自然豊かな森林が秋の紅葉の季節には艶やかに色づいて訪れる私たちを楽しませてくれる。
紅葉の見頃時期には「もみじ祭り」も開催され、紅葉狩りを目的に多くの観光客が訪れる観光スポットである。
三十路苑には、紅葉を楽しむための散策路が整備されており、自然と触れ合いながら紅葉を堪能できるのが良い。
名 称 | 三十路苑 |
所在地 | 長崎県雲仙市小浜町南木指 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 三十路苑|雲仙温泉郷 |
轟峡
轟峡【とどろききょう】は、長崎県諫早市の紅葉の名所である。轟峡は、緑豊かな山々に囲まれた渓谷で、多良岳に源流を有する轟渓流の上流部に位置する。
轟渓流は長崎県下有数の清流で、流れ落ちる音が轟く(爆音とどろく)ことから「轟の滝」と名付けられた滝をはじめ大小30余りの滝が連なる自然の宝庫であるという。
轟渓流沿いの広葉樹が秋になると美しく色づく。散策路が整備されているので、自然の美しさを堪能しながらゆっくりと散策できるのは有難い。
私たちが訪れた日はあいにく雨天で、帰る頃になってようやく雨も上がるという状況であった。綺麗な紅葉の写真を撮ることをできなかったのは残念ではあったが、轟峡の自然の豊かさは十二分に実感できたのは良かった。
名 称 | 轟峡【とどろききょう】 |
所在地 | 長崎県諫早市高来町善住寺大山 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 轟峡関係施設 – 諫早市 |
寿福寺
寿福寺【じゅふくじ】は、長崎県佐世保市にある寺院で、紅葉の時期になると、色鮮やかな「逆さ紅葉」が期間限定で一般公開されることで知られる。
この逆さ紅葉は、寺の広間の畳を一部はがしてアクリル板をはめ込み、庭園の紅葉を逆さに移るように仕掛けを施したものである。その景色はまさに、切り取られた絵画のように美しく、訪れる私たちを楽しませてくれる。
期間限定の短い公開期間であるため、観光客も集中しやすいので混雑する。心の安らぎを求めようとするのは無理であるが、自然と人工物が調和した美しい光景は一見の価値はあると言えよう。
名 称 | 寿福寺 |
所在地 | 長崎県佐世保市江迎町長坂276 |
Link | 寿福寺【公式】旅行ポータルサイト ながさき旅ネット |
御橋観音寺・石橋
御橋観音寺【おはしかんのんじ】は、長崎県佐世保市にある真言宗智山派の寺院で、山号を石橋山【せっきょうざん】と称する。御本尊は十一面観音坐像である。境内には平戸八景の一つに数えられている天然の「石橋」がある。
この石橋は、第三紀砂岩の浸食によってできた天然の石橋(長さ約27m、幅4m弱)である。この付近は、春は桜、秋は紅葉の観賞スポットになっているという。
紅葉の季節になると、寺の周りを散策しながらその美しい景色を楽しむことができるのが良い。
名 称 | 御橋観音・石橋 |
所在地 | 長崎県佐世保市吉井町直谷94 |
Link | 御橋観音石橋【公式】旅行ポータルサイト ながさき旅ネット |
長崎県内の紅葉名所一覧
紅葉の名所 | 所在地 |
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雲仙(仁田峠) | 長崎県雲仙市小浜町雲仙 |
三十路苑 | 長崎県雲仙市小浜町南木指 |
寿福寺【じゅふくじ】 | 長崎県佐世保市江迎町長坂 |
御橋【おはし】観音・石橋 | 長崎県佐世保市吉井町直谷 |
舟志川 | 長崎県対馬市上対馬町舟志 |
轟峡 | 長崎県諫早市善住寺 |
(太字は、私が実際に紅葉の季節に訪ねたことがあるお勧めの紅葉名所)
参考:ウエザーニュース・紅葉
あとがき
紅葉の進み具合は季節変化による気温の低下と、昼間と夜間の気温差に影響を受ける。したがって、標高差の大きい観光地においては高地と低地で紅葉の見頃時期が全く違う。
そのことを長崎の雲仙を旅して身をもって学んだ。標高の高い雲仙岳周辺での紅葉の見頃は既に過ぎており、紅葉の見頃は低地へと移っていた。私の欲張りな紅葉名所めぐりは失敗に終わったというわけである。
旅行者が旅先で紅葉の見頃に遭遇するのは結構難しい。紅葉だけを旅行目的にするのはリスクが高いと言わざるを得ない。今回の私たちの長崎への旅は紅葉を観るだけではなかったので、失望はそれほど大きくはなかった。雲仙では温泉を十分に楽しむことができたとポジティブに考えることにしたい。