はじめに
鈴鹿【すずか】国定公園は、滋賀県と三重県の県境に位置する鈴鹿山脈一帯からなる国定公園である。私は社会人になったばかりの頃、滋賀県甲賀郡甲賀町(現在は甲賀市甲賀町)に住んでいたことがあるので、鈴鹿国定公園内の御在所岳や鎌が岳へは比較的容易にアクセスできた。特に鎌が岳山頂は私の憩いの場所になっていた。現在と違って登山者もほとんどおらず、ゆっくりと一人だけの時間を過ごせたからである。
本稿では、これらの自然公園内にある景勝地、特に御在所岳と鎌ヶ岳、さらには綿向山、そして湯の山温泉を紹介したいと思う。
御在所岳
御在所岳【ございしょだけ】(標高1,212m)は、三重県菰野町と滋賀県東近江市の境にある山である。
急峻な岩壁を持ち、四季折々の花(例えば春の桜やツツジ)や紅葉で美しい山である。そのため、登山の対象としても魅力的な山である。
三重県側の湯の山温泉から山頂直下まで御在所ロープウェイが通じているので、簡単に登れる山でもある。
そのため多くの観光客も訪れる。広い山頂部は御在所スキー場となっている。
かつては御在所ロープウェイの山上公園駅近くに日本カモシカセンターがあり、世界で唯一のカモシカ専門の動物園として存在したが、2006年11月30日に閉園したのは残念である。
名 称 | 御在所岳 |
所在地 | 三重県三重郡菰野町 |
Link | 御在所岳 | 観光スポット | 観光三重 山頂のご案内 | 御在所ロープウエイ |
鎌ヶ岳
鎌ヶ岳【かまがたけ】(標高1,161m)は、鈴鹿山脈南部に位置する、三重県菰野町と滋賀県甲賀市にまたがる山である。
山全体が花崗岩からなり、鈴鹿山脈で最もアルペン的な鋭く尖った山容の山である。北側と南側からは均整のとれた三角形の山容であるが、東の一角から均整が崩れて湾曲した形に見えることが山名の由来とされている。
鎌が岳のその鋭く尖った姿の山容から「鈴鹿のマッターホルン」と呼ぶ人もいる。南側の水沢岳へと続く痩せ尾根は、鎌尾根と呼ばれている。
登山口からなら往復2時間程度で登れるので、私は鎌が岳へは気分転換のために何度も登山している。登山道がいくつかあるようだが、鈴鹿スカイラインのつづら折りの山道を車で登って武平トンネルの出口(三重県側)近くの武平峠駐車場に駐車し、「鎌ヶ岳・御在所岳登山口」から登ると山頂はすこぶる近い。
一度だけではあるが、幼かった娘たちを連れて登ることもできたので、登山初心者には最適な登山ルートと言えるかも知れない。
御在所岳山頂や御在所ロープウェイからは勿論、三重県側の濃尾平野からも鎌ヶ岳の三角錐の山容が望める。
名 称 | 鎌ヶ岳 |
所在地 | 三重県三重郡菰野町(武平峠駐車場) |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 鈴鹿セブンマウンテン「鎌ヶ岳」 | 観光三重 |
綿向山
綿向山【わたむきやま】(標高1,110m)は、鈴鹿山脈の南西に位置する山である。
7世紀頃から山岳信仰の対象として崇拝されてきた山として知られる。頂上には天穂日命が祀られた大嵩神社が鎮座する。さらには綿向神社の奥宮も鎮座する。
また、綿向山の山頂には「青年の塔」が建てられている。
天候が良ければ、山頂からの眺めは素晴らしいはずである。東側に雨乞岳から鎌ヶ岳に連なる鈴鹿山脈や伊勢湾が眺望できる。
西側には眼下に近江盆地がひらけ、琵琶湖の対岸には比叡山や比良山地の山並みが見えるはずである。
眺望は天候次第であるのは仕方がないとはいえ、折角、登山したからにはその眺めを期待するのは人情というものだ。
山頂の西側付近には綿向山麓接触変質地帯があり、国の天然記念物に指定されている。
名 称 | 綿向山【わたむきやま】 |
所在地 | 滋賀県蒲生郡日野町北畑 |
Link | 綿向山 – 滋賀・びわ湖。お出かけ虹色ブログ |
湯の山温泉
湯の山温泉【ゆのやまおんせん】は、御在所岳の東側山麓(三重県側)に位置する温泉で、四季折々の景観に富んでいる。
泉質
泉質は、アルカリ性ラジウム泉である。
温泉街
三滝川河畔の斜面に建てられた20軒ほどのホテルと旅館で温泉街を形成している。ホテルと旅館の多くは設備の整った大型宿泊施設で、収容人数も多い。温泉街の一角からは御在所岳へと登る御在所ロープウェイが運行している。
名 称 | 湯の山温泉 |
所在地 | 三重県三重郡菰野町菰野 |
Link | 湯の山温泉公式HP|湯の山温泉協会(三重県菰野町) |
椿大神社
椿大神社【つばきおおかみやしろ】は、猿田彦大本宮とも呼ばれる、猿田彦大神【サルタヒコノオオカミ】を祀る神社の総本社である。
椿大神社は、三重県鈴鹿市に位置し、三重県では伊勢神宮と二見興玉神社に次いで3番目に参拝者数の多い神社であるという。
名 称 | 椿大神社 |
所在地 | 三重県鈴鹿市山本町1871 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 椿大神社 |
あとがき
本稿を書いていて随分と年月が経過していることを今さらのように実感した。リタイアして時間もできたことでもあるし、想い出の場所を訪ねてみたい気になったきたが、体力が気がかりでもある。情けないことだ!