はじめに
釧路湿原【くしろしつげん】国立公園は、北海道東部に位置する国内最大の釧路湿原を中心とする自然公園である。タンチョウなどの水鳥はじめ、多くの野生動物の生息地となっている。
釧路湿原は、釧路川とその支流を抱く日本最大の湿原で、その広大さは東京の都心がすっぽりと入ってしまうほどだという。
市街地に接して広がる湿原を主体とした点が珍しく、世界でもまれな自然公園と言われる。湿原の大半はヨシ草原とハンノキ林などからなる、いわゆる低層湿原で、蛇行する河川とあいまって広大な水平的な景観が特徴的である。
釧路高原には、計5つの展望台(細岡展望台、北斗展望地、釧路市湿原展望台、コッタロ湿原展望台およびサルボ・サルルン展望台)があり、それぞれ異なった湿原風景が楽しめるという。
釧路湿原は、特別天然記念物のタンチョウなどの貴重な動植物の生育地である。そのため、湿原の主要部は「ラムサール条約」の登録湿地に指定され、国際的にも高く評価されている。
ラムサール条約の正式和名は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と言い、イランの都市・ラムサールで開催された国際会議で採択された条約であるため、通称「ラムサール条約」と呼ばれている。生物多様性保全に関する地球規模の条約としては最も早く採択された国際条約であるとされる。
くしろ湿原ノロッコ号
くしろ湿原ノロッコ号は、釧路湿原をゆっくりと楽しむための観光列車で、釧路駅と塘路駅を結ぶ。運行は、4月〜10月の期間限定で、運行事業者はJR北海道である。
くしろ湿原ノロッコ号は、通常の列車よりもゆっくりと走行するため、釧路湿原の美しい景色をじっくりと楽しむことができる。特に見どころに近づくと低速で運転してくれるので、心行くまで湿原の風景を堪能できる。この心遣いが嬉しい!
車内ではガイドさんが見どころを丁寧に紹介してくれる。そのため、釧路湿原の自然や歴史について学びながら旅を楽しめる。ガイドさんの解説が旅を一層豊かにしてくれるので、ガイドさんに感謝である。
釧路湿原国立公園内を流れる釧路川には一級河川には珍しくダムもなく、緩やかな流れであるためカヌーが楽しめるという。
列車の窓からは、広大な釧路湿原や蛇行する釧路川の風景を楽しむことができる上に、エゾシカやタンチョウなどの野生動物に出会えることもある。川沿いはより一層湿原に近いので野生動物に出会える機会が比較的多くなる。まさに、自然の中を走る観光列車ならではの体験ができる。
くしろ湿原ノロッコ号は、釧路湿原の自然を満喫しながら、ゆったりとした時間を過ごすことができる素晴らしい列車旅である。
ノロッコ号の車両は、木目調の内装や愛らしいデザインが特徴的である。乗るだけで楽しい気分になるに違いない。
くしろ湿原ノロッコ号は、毎年4月から10月までの期間限定で運行される。この期間中にしか体験できない特別な列車旅を、是非、楽しんで頂きたい。
名 称 | くしろ湿原ノロッコ号 |
所在地 | 釧路駅 |
Link | 「くしろ湿原ノロッコ号」観光列車なび |
釧路市湿原展望台
釧路市湿原展望台は、駐車場も完備されているため、車での訪問も便利である。また、公共交通機関も利用でき、釧路駅からバスで約30分の場所にある。
釧路市湿原展望台の周辺には1周約2.5kmの木道の遊歩道が整備されており、散策しながら野鳥や植物の観察が楽しめる。
釧路湿原には、約700種の植物、39種の哺乳類、4種の両生類、5種の爬虫類、38種の魚類、200種の鳥類、さらに少なくとも1,150種の昆虫が生息しているといわれている。
釧路湿原は、特別天然記念物に指定されているタンチョウの生息地にもなっている。釧路湿原は、野生生物の宝庫であり、後世に残さねばならない。
名 称 | 釧路湿原・釧路市湿原展望台 |
所在地 | 北海道釧路市北斗6-11 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 釧路市湿原展望台 |
コッタロ湿原展望台
コッタロ湿原展望台は、釧路湿原にある5つの展望台のうちの一つである。JR塘路駅から車で約10分の場所にあり、駐車場も完備されている。ただし、周辺の道路は砂利道で道幅が狭いため、車の運転には要注意である。
コッタロ湿原展望台は、釧路湿原の中でも特に原始的な自然が残るエリアに位置している。そのため、展望台からは、蛇行するコッタロ川や無数の沼が広がる原始的な風景を一望できる。この地域は「釧路湿原のサンプル」とも言われ、釧路湿原国立公園の特別保護地区に指定されている。
特別天然記念物に指定されているタンチョウやアオサギなど、多くの野鳥が生息しており、バードウォッチングに最適なスポットにもなっているようだ。私たちは、幸運にも2羽のタンチョウの姿を確認することができた。
コッタロ湿原展望台は、比較的観光客が少なく、静かな環境で自然の美しさを堪能できる。湿原の広がる風景を眺めながら、リラックスした時間を過ごすには最適な場所である。
コッタロ湿原展望台は、その原始的な自然と静寂な環境で訪れる私たちを魅了する。湿原は多くの野生生物の貴重な生息地となっているようだ。この展望台から眺めたコッタロ湿原の風景は、私の記憶に鮮明に残っている。私は、この場所を大変気に入った。
名 称 | 釧路湿原・コッタロ湿原展望台 |
所在地 | 北海道川上郡標茶町コッタロ |
駐車場 | あり(無料) |
Link | コッタロ湿原展望台【公式】北海道の観光・旅行情報サイト |
塘路湖
塘路湖【とうろこ】は、北海道東部の標茶町にある淡水湖(海跡湖)で、釧路湿原国立公園に含まれる。 塘路湖は釧路湿原最大の湖で、周囲には豊かな自然が広がっている。湖畔を歩くだけでも野鳥を観察することができる。
塘路湖はカヌー愛好者にとって理想的な場所であるという。湖から釧路湿原の源流部を下るカヌーツアーが人気で、静かな湖面を滑るように進む体験は格別であるらしい。
塘路湖を一望できる「サルボ展望台」や「サルルン展望台」へ行けば、広大な湿原と湖の美しい景色を楽しむことができるという。特に、夕暮れ時の景色は絶景であるらしい。次回の旅の際には、忘れずに旅行プランに入れておきたい。
名 称 | 塘路湖 |
所在地 | 北海道川上郡標茶町塘路原野沼ノ上 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 釧路湿原・塘路湖とその周辺|行政情報|標茶町HP |
あとがき
北海道は広大であるので、自分の思い通りに点在する景勝地を巡るにはどうしても車を利用しないと不便である。北海道の道を愛車で走行したいという気持ちはあるが、神戸から車で行くには北海道は遠すぎる。仕方なく空路で北海道に行き、空港でレンタカーを借りることになる。北海道の道路は広くて、カーブも少ないので慣れないレンタカーでも走りやすい。北海道の大地をまっすぐに延びる道路をドライブしたことが昨日のことにように良き想い出として残る。
釧路湿原国立公園内の景勝地を巡った旅は北海道の旅のなかでも特に強く記憶に残っている。それは本州とは違う北海道の大自然が色濃く残る場所であるからに違いない。広大な釧路湿原のような光景を目にする機会は北海道以外ではない。コッタロ湿原展望台で出会ったタンチョウの姿は忘れられない記憶として残る。何度訪れても感動する景勝地がある国立公園への旅は最高である。