カテゴリー
ウェルネスツーリズム

【伊賀の国】紅葉の名所「滝山渓谷・白藤滝」

はじめに

伊賀の国」は、かつての日本の地方行政区分で、現在の三重県西部、上野盆地一帯に該当する令制国の一つであり、東海道に属していた。「伊賀」は、現在でも三重県の伊賀地方を指す呼称として使われており、伊賀市と名張市を中心に構成されている。伊賀は、伊賀流忍者の発祥地として知られ、伊賀焼(陶器・炻器)や伊賀組紐の産地としても有名である。

白藤滝【しらふじのたき】は、滝山渓谷にある落差約15mの直瀑の滝である。三重県伊賀市の景勝地の一つである。

白藤滝は、かつては落差約30mもある直瀑であったらしいが、地震によって滝口が崩落してしまい、現在のような約半分の落差になってしまったと伝えられている。

地元では紅葉の名所と知られ、例年11月3日(祝)には「滝山渓谷紅葉まつり」が行われているらしい。しかしながら、年々紅葉の見頃に時期は後にずれてきている感じがする。例えば、2023年の例で行けば、白藤滝の紅葉の見頃は11月23日(祝)の数日後であった可能性が高い。そして11月28日に訪れた際には既に紅葉の見頃は過ぎていて、落葉がかなり進んでいた。

このように白藤滝の紅葉の見頃の時期は非常に短い。私のように白藤滝に何度も足を運ぶ機会がある者にとっても見頃を見逃すこともある。だから紅葉のちょうど見頃に訪れることができた人たちはかなり幸運の持ち主と言えるのではないだろうか。

負け惜しみに聞こえるかも知れないが、何度も足を運んでいると、短い期間に、深まりゆく秋を肌で感じることができた。それは同時にもの哀しさも感じさせるものでもあった。

自分自身が歳をとったせいであろうか、哀愁という感情が以前よりも強く感じられるようになった気がしている。


<目次>
はじめに
滝山渓谷・白藤滝
親子の滝前の広場
アクセス
あとがき

滝山渓谷・白藤滝

白藤滝【しらふじのたき】を見るためには駐車場から広場の奥にある遊歩道の入口から急坂の石段を下って川岸まで行き、滝壺まで遊歩道を歩くことになる。約5程度で川岸まで降りることができるが、帰りの急坂の登りは結構つらいものがある。この遊歩道は運動靴など歩きやすい靴で行くべきである。

坂道を下ると滝の手前に朱色に塗装されたアーチ橋がある。アーチ橋からでも滝を見ることができるが、滝壺の近くまで行けるので、自分の好みのアングルを探して滝との距離感をアジャストすれば良い。

今年(2023年)になって私が初めて白藤滝を訪ねたのは11月9日であったが、その時のモミジはまだ色づきはじめてはいない。写真では少し色づき始めているように感じられるかも知れないが、これは陽光の当たり加減によるものである。

11月15日に撮影した下の写真を見て頂ければそれが明らかであると思う。紅葉はまだ全く始まっていないと言える。

ところが11月23日に訪ねたところ下の写真のように紅葉が既に始まっていた。まだ真っ赤に色づいてはいないので見頃かどうかの判断はこのときはできなかった。

写真の撮り方によっても多少は雰囲気は異なるが11月23日の段階では、まだ100%見頃というには早い気がした。

そして今年最後の11月28日に訪ねたところ下の写真のように落葉が既に始まっていた。今年は真っ赤に色づかないままに落葉しているようである。今年の夏は暑い日が続き、降水量も少なかったのでモミジにとっては過酷な夏であったかも知れない。

紅葉の見事さは気象の影響を受けやすいので運不運があるのは止むを得ない。来年の紅葉に期待したいと思う。

白藤滝は、紅葉の季節に関係なく、モミジが若葉や青葉の季節であっても良い。むしろ水量が多い季節の方が滝自体の迫力が増すというものだろう。只、今回は「紅葉の名所」としての白藤滝に拘ってしまったきらいが私自身にある。


親子の滝前の広場

私が観た限りでは、白藤滝近くのモミジよりも、白藤滝の上流に位置する「親子の滝前の広場」のモミジの方が色づくのが早い。11月15日には既に下の写真のように色づきはじめていた。

そして11月23日には既に見頃を迎えていたと判断してよい。

その5日後の11月28日には既に落葉してしまったモミジの樹木が多かった。色づいて見頃を迎えているモミジの樹木は5日前はまだ色づき始めたばかりのものであった。

こうして比較してみると紅葉の見頃というのは1週間程度のものかも知れない。勿論、その期間は植栽されているモミジの樹木の本数によって変動するであろう。本数が多いほど全体としての見頃の期間は長くなるはずである。


アクセス

白藤滝へのアクセスは、車でないと苦労するかも知れない。自家用車の場合、名阪国道の上柘植ICから中瀬ICの間であれば、どのICを出て、一般道を進んでもほぼ同じような時間に到着する。しかし、色々と試してみた中では、名阪国道の下柘植ICから白藤滝方面に向かうのが最も簡単な道順であると私は思う。

白藤滝への林道の入口に「白藤滝 2.0km」と書かれた小さな案内標識が一つあるだけなので、うっかりするとそれを見落としまうかも知れない。この案内標識から白藤滝の駐車場へは約2kmほどである。ここから先の道は一本道なので迷うことはない。

初めての場合は、ナビで住所が特定できない場合もあるので、とにかくこの看板を見落とさないで貰いたい。私が知る限りでは白藤滝への唯一の案内標識である。

白藤滝の近くには駐車スペースが約10台分ぐらいはあるので、平日なら問題なく駐車することができるはずである。しかしながら、休日ともなるとこの駐車場はかなり混雑してしまう。

そうゆう場合は、この白藤滝の少し上流、約200mぐらい先に広場(「親子滝前の広場」)があるのでそこに駐車し、徒歩で道路を下ってくると良いだあろう。

駐車スペースと白藤滝への遊歩道入口との間は広場になっていて、休憩所やトイレが整備されている。

この広場の奥には不動明王を祀るがあり、手水所もある。道中の無事を祈願しておくと良いだろう。


名 称滝山渓谷・白藤滝
所在地三重県伊賀市大字山畑
駐車場あり(無料)
アクセス名阪国道下柘植ICから約10分
Link白藤滝 – 伊賀上野観光協会

あとがき

今年は白藤滝の紅葉の写真を撮りたいと少々意地になっていたきらいがある。だから約20日の間に4回も訪ねてたことになる。同じ場所に、そして比較的短期間に、4度も訪ねることは出不精である普段の私にしたら奇跡というか、馬鹿というしかない。

そんな馬鹿な行動をとってみたくなるほど白藤滝は景勝地としてお勧めである。とにかく普段は静かに一人でのんびりと時間を過ごせるので、考え事をするのに最適の場所と言える。秋の紅葉シーズンの休日以外は、静かに自然と対峙できる景勝地と言ってよいのではないだろうか。

静寂さが保たれている理由は、車以外ではアクセスが困難なことと、大型観光バスでは来れない(道路が狭く、駐車場が確保できない)ことが理由になっていると思う。とにかくオーバーツーリズムとは無縁の景勝地である。白藤滝の魅力を損なわないためには、今後もこのままの状態でいてもらいたいと切に願う。


【関連記事】
【伊賀の国】芭蕉翁のふるさとの地で芭蕉塚を訪ねる
【伊賀の国】芭蕉の生家と服部土芳の蓑虫庵を訪ねる
【伊賀の国】自然と歴史が交差する場の「上野公園」
【伊賀の国】伊賀上野城が朝霧に浮かぶ写真を撮る!
【伊賀の国】朝霧に浮かぶ伊賀上野城の絶景を撮る!
【伊賀の国】街歩き「伊賀上野城下町のおひなさん」
【伊賀の国】伊賀市の秋の風物詩となった「芭蕉祭」
【伊賀の国】ユネスコ無形文化遺産の「上野天神祭」
【伊賀の国】伊賀一宮の敢国神社に伝わる獅子神楽
【伊賀の国】伊賀上野NINJAフェスタに参加!
【伊賀の国】名張の夜を彩る「名張川納涼花火大会」
【伊賀の国】名張の夜を照らす「愛宕神社の火祭り」
【伊賀の国】大イチョウの黄葉が綺麗な「植木神社」
【伊賀の国】くねり御輿と楼車「植木神社の祇園祭」
【伊賀の国】陽夫多神社の「祇園祭・願之山踊り」
【伊賀の国】伝統の夏祭りをはしごして夏を満喫!
【伊賀の国】関西の耶馬渓「香落渓」は紅葉の名所
【伊賀の国】美しい水の舞「滝山渓谷・白藤滝」
【伊賀の国】紅葉の名所「滝山渓谷・白藤滝」
【伊賀の国】秋の風と共に「名張秋祭り」を楽しむ!
【伊賀の国】大イチョウの黄葉が綺麗な「積田神社」
【伊賀の国】大イチョウの黄葉が綺麗な「霊山寺」
【低山登山】旧霊山寺の遺跡が残る「霊山」に登頂!
【低山登山】伊賀の最高峰「尼ヶ岳」に登頂!
「伊賀の国」イチョウの黄葉が綺麗な絶景名所3選
【伊賀の国】伊賀流忍者の発祥の地で学ぶ忍者の実像
【伊賀の国】伊賀流忍者の修行の里「赤目四十八滝」
【伊賀の国】石燈篭と樹齢350年超の枝垂桜の延寿院
【伊賀の国】真っ青な湖面が印象的な「青蓮寺湖」
【伊賀の国】四季の変化があざやかな「青山高原」
【伊賀の国】鈴鹿国定公園内の余野公園「つつじ祭」
【伊賀の国】御墓山古墳、美旗古墳群や石山古墳の地に眠る被葬者たちは誰か?
【伊賀の国】ミエゾウの足跡化石のレプリカに会える大山田せせらぎ運動公園
【伊賀の国】徒然草作者の吉田兼好終焉の地「兼好塚と兼好法師遺跡公園」
【伊賀の国】観菩提寺正月堂の古儀式「修正会」での火と水の荒行・達陀行法!
【伊賀の国】夏越の大祓神事「茅の輪くぐり」とは?
【伊賀の国】日本三大仇討ち「鍵屋の辻の決闘」史跡
【伊賀の国】藤原千方と四鬼伝説の千方窟・逆柳甌穴
【伊賀の国】飛鳥・奈良時代の寺院跡「夏見廃寺跡」
【伊賀の国】地震守護の神「大村神社」
【伊賀の国】地震守護の神「大村神社」秋の例祭
【伊賀の国】神輿が石段を登る「うの宮神社の秋祭」
【伊賀の国】船形だんじりと共に「種生神社の秋祭」
【伊賀の国】火の忍術を感じる「手力神社の秋祭」
【伊賀の国】カッコ踊りが彩る「勝手神社の秋祭り」
【伊賀の国】伝統の秋祭りをはしごして秋を満喫!
【伊賀の国】名張藤堂家邸跡と旧細川邸やなせ宿
【伊賀の国】宇流冨志禰神社と名張藤堂家寄贈の能面
【伊賀の国】能の大成者・観阿弥の「創座の地」
【伊賀の国】観阿弥を偲ぶ伊賀上野城前での「薪能」
【伊賀の国】本堂の美しい彫刻が魅力の寺「常福寺」
【伊賀の国】西国四十九薬師霊場札所の「弥勒寺」
【伊賀の国】アウトドア派の癒しの楽園「岩倉峡」
【伊賀の国】青山高原に鎮座する「奥山愛宕神社」
【伊賀の国】神話に登場する神々の社「比々岐神社」 
【伊賀の国】奥山愛宕神社と比々岐神社の「両詣り」
【伊賀の国】鯛ヶ瀬峡と島ヶ原温泉・やぶっちゃの湯
【伊賀の国】かえで渓谷と大山田温泉・さるびの
【伊賀の国】菜の花フェアと大山田温泉さるびの
【伊賀の国】さくら祭りも開催される伊賀の桜の名所
【伊賀の国】静寂の中に佇む癒しの聖地「新大佛寺」
【伊賀の国】伊賀の里モクモク手づくりファーム
【伊賀の国】伊賀組紐、その伝統と魅力を伝える施設
【伊賀の国】伊賀焼、その伝統と魅力を発信する施設