はじめに
勝手神社の秋祭りは、勝手神社で毎年10月第2日曜日に行われる秋の例祭で、伝統的な神事踊が奉納される。勝手神社の神事踊は、鞨鼓【かっこ】と呼ばれる太鼓を胸につけて踊るもので、雨乞いや疫病よけの願いを込めたかんこ踊の一種である。
勝手神社の神事踊は、カッコ踊りと呼ばれ、太鼓や歌の複雑なリズムに合わせ、6人の踊り手たちが踊りを披露し、五穀豊穣や村内安全を祈願する。
勝手神社のカッコ踊りは、江戸時代中期に始まり、1963年に三重県の無形文化財に指定され、1971年には国の民俗芸能選択に指定されている。この神事踊が持つ独自の文化的価値と地域社会における重要な役割が評価され、2022年11月にはユネスコの無形文化遺産にも登録されている。
勝手神社
勝手神社は、三重県伊賀市山畑にある神社で、主祭神として天忍穂耳命【あめのおしほみみのみこと】が祀られている。天忍穂耳命は、「農業や豊穣を司る神」として信仰されている。
伊賀市の勝手神社は、1562年に大和吉野山の勝手神社から勧請されたもので、天正伊賀の乱で一度焼失したが、1593年に再建されたという。
勝手神社は、特に神事踊(かんこ踊り)で有名である。毎年10月第2日曜日に行われる秋祭りでは、カッコ踊りが奉納される。この祭りは、地域の伝統と文化を感じることができる貴重なイベントとなっている。
名 称 | 勝手神社 |
所在地 | 三重県伊賀市山畑482 |
アクセス | 名阪国道(国道25号)「御代IC」を出て、 県道2号に入って道なりに進み、 Y字交差点を左に入ってしばらく行ったところ |
Link | 勝手神社のカッコ踊り – 伊賀上野観光協会 |
勝手神社の秋祭り
勝手神社の秋祭りは、勝手神社で毎年10月第2日曜日に行われる秋の例祭である。2024年度は10月13日に実施された。
- 御旅所から神社へのお渡り(13:30〜)
- 神事踊奉納(14:00~16:00頃まで)
勝手神社の秋祭りでは、特に神事踊(カッコ踊り)が有名である。この踊りは、古来から田楽形式の鞨鼓太鼓を肩からかけた豊年踊りとして行われている。この踊りの目的は、悪疫退散や雨乞い、五穀豊穣を祈るためであると伝えられている。
このカッコ踊りの特徴は、色とりどりの花を付けて垂らしたオチズイを背負い、胸につけた羯鼓【かっこ】と呼ばれる田楽形式の太鼓を打ちながら踊るスタイルである。カッコ踊りは、ゆっくりとしたリズムと力強い動きが特徴で、見る者を魅了するパフォーマンスである。
神事踊(カッコ踊り)は、6人の踊り子(中踊)と、5人の歌出し、4人の楽太鼓打、計15名によって奉納され、五穀豊穣や村内安全を祈願する。歌出し5人と楽太鼓打4人を中央に配置し、中踊6人がそれを囲むようにして踊りを始める。
勝手神社のカッコ踊りは、江戸時代中期に始まり、1963年に三重県の無形文化財に指定され、1971年には国の民俗芸能選択に指定されている。さらに、2022年11月30日にはユネスコ無形文化遺産にも登録されている。
秋祭りの当日は、御旅所から勝手神社まで行列が行われる。地元の人々が伝統衣装を身にまとい行列に加わる。御旅所から神社へのお渡りが始まるのは午後1時半頃である。
踊り子たちも色とりどりの花を付けたオチズイと呼ばれる飾りを背負い、胸につけた鞨鼓【カッコ】をつけて行列に加わる。
踊り子たちは、神社に到着後にはカッコ踊りを披露する。約2時間で5曲の踊りが奉納されたらしいが、初めての観客であった私には残念ながらそれらの区別が全く分からなかった。もっとも地元の方でも判別がつく人は少なくなっているようなので、私が分からなくて当然かも知れない。
勝手神社のカッコ踊りは、この地域の伝統文化を次世代に伝える重要な役割を果たしていると共に、地域の人々が一体となって楽しむことができる素晴らしいイベントとしての機能も果たしているようだ。
名 称 | 勝手神社の秋祭り |
会 場 | 勝手神社 |
所在地 | 三重県伊賀市山畑482 |
駐車場 | 臨時駐車場(無料) 山畑農事集会所裏のグランド (勝手神社まで徒歩11分、御旅所まで徒歩5分) |
あとがき
勝手神社で主祭神として祀られている天忍穂耳命【あめのおしほみみのみこと】は、正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊【まさかつあかつかちはやひあめのおしほみみのみこと】という、私のような凡人には決して覚えることができない、長い名前を持つ神様である。
しかし、この神様は天照大御神の長男とされる偉い神様で、日本神話で「天孫降臨」を果たした邇邇芸命【ににぎのみこと】の父神である。邇邇芸命が地上に降り立ち、日本の統治者となったことから日本の皇室の祖先とされる。
伊賀市の勝手神社は、戦国時代の1562年に大和吉野山の勝手神社から勧請されたものであり、その経緯に興味がある。しかしながら、その経緯についての情報は不明であるのは残念である。