はじめに
石鎚【いしづち】国定公園は、愛媛県に位置する石鎚山とその近辺の山嶺を包含する国定公園である。石鎚国定公園は、指定区域のほとんどを愛媛県が占めるが、一部高知県も含まれる。石鎚山を始め、瓶ヶ森、伊予富士、二ノ森などが含まれる。石鎚山の西麓には面河渓があり、この渓谷も同国定公園に含まれる。
本稿は石鎚国定公園内の「UFOライン(雄峰ライン)」と呼ばれる瓶ヶ森林道【かめがもりりんどう】をドライブし、面河渓に行った際の旅の記録である。
石鎚山
石鎚山【いしづちさん】(標高1,982m)は、四国山地西部に位置する、愛媛県西条市と久万高原町にまたがる西日本最高峰の山である。古くから山岳信仰(修験道)の山として知られる。山容が石でできた剣である「石鎚」に似ていることが名前の由来になったとの伝承も残る。
石鎚山は、正確には最高峰の天狗岳(標高1,982 m)、石鎚神社山頂社のある弥山【みせん】(1,974 m)、南尖峰【なんせんぽう】(1,982 m)からなる山塊全体を指す山名である。
名 称 | 石鎚山 |
所在地 | 愛媛県上浮穴郡久万高原町若山 |
Link | 石鎚山 | 石鎚山系公式|石鎚山系連携事業協議会 |
瓶ヶ森
瓶ヶ森【かめがもり】(標高1,897m)は、石鎚山脈に属する山である。「瓶ヶ森」の山名は山頂西側の湧水のたまる瓶壺【かめつぼ】に由来するという。
瓶ヶ森の最高峰は女山【めやま】と呼ばれ、山頂には蔵王権現の祠が祀られている。 女山の南側のなだらかな稜線上にある山頂が男山【おやま】と呼ばれ、石土古権現の祠が祀られている。
瓶ヶ森は吉野川の源流域にあたり、直下を瓶ヶ森林道【かめがもりりんどう】が走っている。瓶ヶ森林道は、高知県いの町の町道(瓶ヶ森線)で、地元では「UFOライン(雄峰ライン)」 とも称されている。
石鎚スカイラインの東側に位置し、石鎚スカイラインの終点から旧寒風山トンネル高知県側出口までの瓶ヶ森沿いの尾根を走る舗装道(延長27km)である。
石鎚山近郊の標高1300~1700 mの尾根沿いを縫うように走る、絶景のドライブルートとして人気がある。
名 称 | 瓶ヶ森林道(UFOライン) |
所在地 | 高知県吾川郡いの町寺川 |
Link | 瓶ヶ森 | 石鎚山・石鎚山系公式|石鎚山系連携事業協議会 UFOライン(町道瓶ヶ森線) | 高知県いの町観光ガイド |
伊予富士
伊予富士【いよふじ】(標高1,756m)は、石鎚山脈に属する山である。
伊予富士は独立峰ではないが、西側になだらかな裾野を有することから、見る方向によっては富士山のような秀麗な山容に見えるという。
名 称 | 伊予富士 |
所在地 | 高知県吾川郡いの町中ノ川 |
Link | 伊予富士 | 石鎚山・石鎚山系公式|石鎚山系連携事業協議会 |
二ノ森
二ノ森【にのもり】(標高1,930m)は、石鎚山脈に属する山である。愛媛県第二の高峰であり、山名もこれに由来する。
秋には山頂から南側の面河渓まで紅葉前線が下る。山頂には一等三角点「面河山」(標高1,929.6m)が設置されているという。
名 称 | 二ノ森 |
所在地 | 愛媛県西条市・久万高原町 |
Link | 四国地方の主な山の高さ | 国土地理院 |
面河渓
面河渓【おもごけい】は、愛媛県久万高原町(旧面河村)にある渓谷で、仁淀川上流の面河川に至る渓谷である。
周囲を高峻な山々に囲まれてV字谷となっており、 早瀬、深淵、瀑布が連続する国の名勝地にもなっている。
名所には関門、相思渓、五色河原、亀腹、蓬莱峡、紅葉河原、御来光の滝などがあり、紅葉の名所にもなっているという。面河渓に通じる県道12号西条久万線は通称「もみじライン」と呼ばれている。
私が面河渓のことを書いている理由は、この面河渓が「21世紀に残したい日本の自然百選」に選らばれていることを後か知ったからである。
「陰性植物の宝庫であり、奇岩と渓流、周辺の自然林も美しい」というのが選定理由に挙げられているが、訪れる前に知っておくべきであったと後悔している。
面河渓は、複雑に入り込んだ地形をしており、また気象条件により、植物の水平分布は、暖帯性のものから温帯性のものまで見られ、その種類は極めて多く、植物の宝庫となっているという。
次に訪れる機会があれば、しっかりと植物まで観察することにしたいと思う。
名 称 | 面河渓 |
所在地 | 愛媛県久万高原町 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 面河渓|愛媛県 |
あとがき
瓶ヶ森山頂を目指して行ったが、ちょうど駐車場近くに到着しようとした際に濃霧にあってしまい全く景色が見えなくなってしまった。狭い林道を運転するのも危険な状況であり、瓶ヶ森に登るのを残念した。
UFOラインと呼ばれる瓶ヶ森林道を走行していたら、幸いにも急に晴れ間が出て来たので路駐して写真を撮ることにした。もう少し早くに晴れてくれれば瓶ヶ森にも登れたのにと思ったが、それは贅沢というものだろう。山の天気は変わりやすいものだ。次回に期待しようと思う。