はじめに
アーチ橋は、優美な曲線を描き、その優れた構造の造形美が美しいのは何故だろうか? 私の心を魅了してやまない。
アーチ橋とは、主構造にアーチを用いた橋梁のことである。アーチ橋は、橋梁鉛直に働く荷重をアーチ部材への圧縮力に変換させて支持する構造であるため、剛性が高く、断面効率に優れるといった利点があるという(引用:ウィキペディア)。
アーチが二つあるアーチ橋は眼鏡のように見えるので「眼鏡橋」と呼ばれることがある。長崎市にある眼鏡橋は特に有名である。また、太鼓の胴のように上に張り出しているアーチ橋を太鼓橋と呼ぶらしい。
山口県岩国市の錦帯橋はアーチ(太鼓橋)が5つも連なったアーチ橋である。この錦帯橋を目にしてから私はアーチ橋の造形美に魅せられるようになってしまった。
本稿は、そんな私が旅先で撮ったアーチ橋の紙上ギャラリーと言いたいところだが、アーチ橋の数が少なすぎる。これを手始めに数を増やしていきたいと考えているところである。
<目次> はじめに 錦帯橋【山口県岩国市】 眼鏡橋【長崎県長崎市】 諫早公園・眼鏡橋【長崎県諫早市】 本耶馬渓・耶馬渓橋【大分県中津市】 日本最大級の石造アーチ橋【大分県豊後大野市】 轟橋 出會橋 白馬渓の石造アーチ橋【大分県臼杵市】 長府公園のアーチ橋【山口県下関市】 毛利庭園の反橋【山口県防府市】 伊弉諾神宮の神橋【兵庫県南あわじ市】 別府明礬橋【大分県別府市】 室生寺山門前の太鼓橋【奈良県宇陀市】 恵那峡大橋【岐阜県恵那市】 青蓮寺湖に架かる赤と青のアーチ橋【三重県名張市】 弁天橋 青蓮寺橋 黒部峡谷に架かるアーチ橋【富山県黒部市】 用水路橋 山彦橋 新山彦橋 湖面橋 くしもと大橋【和歌山県串本町】 神戸大橋【兵庫県神戸市】 あとがき |
錦帯橋
錦帯橋【きんたいきょう】は、山口県岩国市の錦川に架けられた、木造五連のアーチが美しい橋である。幅5m・長さ193.3mで、木組みの技法を駆使して造られている。
洪水のため何度も流出したが、その度に再建され、日本を代表する木造橋として、その美しさと建築技法が後世に残されてきた。
錦帯橋は、昼間の明るい時に眺めるのも勿論素晴らしいが、夜にライトアップされた様子は幻想的で、一段とアーチ橋の魅力を増していた。思わず同じ構図の写真を何枚も撮影してしまう。
錦帯橋は、日本橋(東京都)や眼鏡橋(長崎県)と共に日本三名橋の一つに数えられている。
話に聞いたり、写真でしか見たことがなかった錦帯橋を初めて見たとき、私は感動したことを今も鮮明に覚えている。もっと小さな橋だと思っていたからである。「百聞は一見に如かず」だと思った。
名 称 | 錦帯橋 |
所在地 | 山口県岩国市 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 【錦帯橋】岩国市HP【公式サイト】 |
眼鏡橋
眼鏡橋【めがねばし】は、中島川石橋群(長崎市)にある 日本最古のアーチ型石橋である。
眼鏡橋は、中島川石橋群の中では唯一の双円アーチ型で、水に映る姿が眼鏡のように見えるためこの名が付いたという。
長崎の観光名所として人気が高く、私も長崎に行った際に、妻のお供で訪ねたことがある。
眼鏡橋は、日本橋(東京都)と錦帯橋(山口県)と共に日本三名橋の一つに数えられている。
名 称 | 眼鏡橋 |
所在地 | 長崎県長崎市 |
駐車場 | なし |
Link | 眼鏡橋【公式】長崎観光/旅行ポータルサイト |
諫早公園・眼鏡橋
諫早公園【ちはやこうえん】にある眼鏡橋【めがねばし】は、石造二連アーチ橋であり、石橋としては日本で初めて国の重要文化財に指定されている。
眼鏡のように水に映る姿を撮ろうと努力してみたが、うまく撮れなかったのは残念である。
名 称 | 諫早公園・眼鏡橋 |
所在地 | 長崎県諫早市高城町770-2 |
Link | 眼鏡橋(諫早公園内)【公式】長崎観光/ながさき旅ネット |
本耶馬渓・耶馬渓橋
耶馬渓橋【やばけいばし】は、山国川に架かる石造アーチ橋で、「青の洞門」より500mほど下流に位置する。全長116m、日本最長の石造アーチ橋である。
8連アーチが渓谷の景観と調和していると評価され、国の重要文化財に指定されている。
名 称 | 本耶馬渓・耶馬渓橋 |
所在地 | 大分県中津市本耶馬渓町樋田・曽木 |
駐車場 | なし |
Link | 耶馬渓橋(オランダ橋) 耶馬渓橋 | 大分県中津市 |
日本最大級の石造アーチ橋
大分県豊後大野市を流れる大野川水系の奥岳川【おくだけがわ】には日本最大級の石造アーチ橋が架かっている。一つは轟橋【とどろばし】で、もう一つは出會橋【であいばし】である。
これらの橋付近の奥岳川の渓谷の断崖には「しゃくし岩」と呼ばれる柱状節理が見られる。2つの石造アーチ橋とともに絶景を成し、豊後大野市の景勝地の一つとなっている。
名 称 | 轟橋・出會橋 |
所在地 | 大分県豊後大野市清川町平石 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 出会橋・轟橋 | 大分県の観光情報公式サイト |
轟橋
轟橋【とどろばし】は、奥岳川が轟川【とどろがわ】と合流する地点のすぐ上流に架かる石造2連アーチ橋である。
2連アーチの径間は、右岸側が32.1m、左岸側が26.2mである。右岸側の径間は日本国内の石橋で最長であると言われている。
実を話せば、轟橋の存在を私は知らなかった。私の妻が探して私に教えてくれたのである。おかげで日本最大級の石造アーチ橋を写真に収めることができたとともに私の記憶にも残せた。感謝!
出會橋
出會橋【であいばし】は、轟橋の約80m下流に架かる石造単アーチ橋である。
アーチの径間は29.3mで、轟橋に次いで国内第2位であるとされる。
白馬渓の石造アーチ橋
大分県別府市にある白馬渓を訪れた際、渓谷を流れる小さな谷川に架かる小さな石造アーチ橋が何故か印象に残っている。
率直に言うと、すべてのアーチ橋が石造であったかどうかは覚えていない。石造のものもあれば、コンクリート製のアーチ橋もあったかも知れない。
およそ8基ほどのアーチ橋があり、それぞれの橋には名前が付けられていたかも知れないが、今となっては思い出せない。
名 称 | 白馬渓の石造アーチ橋 |
所在地 | 大分県臼杵市前田馬代 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 白馬渓 | 臼杵市観光協会 |
長府公園のアーチ橋
長府庭園【ちょうふこうえん】は、毛利家の家老格であった西運長【にしゆきなが】の屋敷跡にある日本庭園である。小高い山を背にした約3万平方メートルの広大な敷地に、池を中心にした庭に書院、茶屋や東屋が残されている。散策するには最適の回遊式池泉庭園である。
池泉庭園にはいくつかの石造のアーチ橋が架かり、風情を感じさせてくれる。
なかでも「中島」に通ずる木造のアーチ橋は欄干を有する比較的大きな立派なものである。橋の名前が分からないのは残念である。
名 称 | 長府庭園 |
所在地 | 山口県下関市長府黒門東町8-11 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 長府庭園|トップページ |
毛利庭園の石造アーチ橋
毛利博物館とその前庭に広がる庭園は、明治維新後に爵位を得て公爵となっていた旧長州藩主毛利家の毛利元昭が、国許【くにもと】に建てた邸宅の一部が一般観光客に開放されたものである。邸宅・庭園をあわせて国指定の名勝となっている。
この毛利庭園の「瓢箪池」にも「反橋」と呼ばれる立派な石造アーチ橋(長さ11m、幅2.6m)が架かっている。尚、反橋は明治12年(1879年)に造られたものであるというから、既に140年以上も経過している。
この反橋は中央に2組の石柱があってアーチ橋を支える造りとなっている。
名 称 | 毛利博物館・庭園 |
所在地 | 山口県防府市多々良一丁目15-1 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 毛利博物館/国指定名勝 毛利氏庭園 |
伊弉諾神宮の神橋
伊弉諾神宮は、日本最古の神社の一つで、伊邪那岐神と伊邪那美神の二神を祀る神社である。記紀には伊邪那岐神が「国生み」に始まるすべての神功を果たした後、御子神の天照大御神に国家統治の大業を委譲して、淡路島の多賀の地に「幽宮」を構へて余生を過ごしたと記される。その住居跡に御陵が営まれたのが伊弉諾神宮の起源であるとされる。
現在の本殿の位置は、明治時代に後背の御陵地を整地して移築されたもので、それ以前は、禁足の聖地であったという。御陵を中心とする神域の周囲には濛が巡らされたと伝えられ、正面の神池や背後の湿地はこの周濛の遺構とされる。
この神池に「神橋」と呼ばれる石造のアーチ橋が架かっている。この神橋は中央に一組の石柱があってアーチ橋を支える造りとなっている。
名 称 | 伊弉諾神宮 |
所在地 | 兵庫県淡路市多賀 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 伊弉諾神宮 |
別府明礬橋
別府明礬橋【べっぷみょうばんきょう】は、東九州自動車道が通っているコンクリート製アーチ橋である。
全長が411m(アーチ橋部351m、ラーメン橋部60m)もある見事なアーチ橋である。私は明礬温泉の岡本屋に宿泊していた際に偶然、このアーチ橋が目に留まり、思わずシャッターを押していたのを今でも覚えている。
別府明礬橋は、平成元年(1989年)に開通している。竣工当時は、日本最長のアーチ支間(235m)を有し、「東洋一」のコンクリートアーチ橋であったとされる。
名 称 | 別府明礬橋 |
所在地 | 大分県別府市大字鶴見(明礬)地内 |
Link | 別府明礬橋 – 大分県ホームページ |
室生寺山門前の太鼓橋
室生寺【むろうじ】は、奈良県宇陀市室生に位置する、真言宗室生寺派の大本山の寺院である。山号は宀一山【べんいちさん】または檉生山【むろうさん】で、御本尊は如意輪観音である。
室生寺は、高野山金剛峯寺とは異なり、古から女性の参詣が許されていた。そのため室生寺は「女人高野」と呼ばれるようになったと言われている。
その室生寺の山門前には朱塗りの太鼓橋が架かっている。太鼓橋の下を流れるのは室生川である。
この室生川に架かる太鼓橋を綺麗に撮りたいとベストアングルを求めて周辺を散策したが、結果的になかなかしっくりとする撮影スポットを探し出せなかった。川辺に降りた方が良かったかもしれない。
アーチ橋、特に太鼓橋の特徴が人の立ち位置の変化(全身が見えるかどうか)で分かるのが面白い。
名 称 | 室生寺 |
所在地 | 奈良県宇陀市室生78 |
駐車場 | あり(有料) |
Link | 女人高野 室生寺 (murouji.or.jp) |
恵那峡大橋
恵那峡【えなきょう】は、木曽川中流域の渓谷で、大井ダムの上流域に位置する約10kmの区間をいう。恵那峡は恵那峡県立自然公園の中心的存在である。
恵那峡大橋【えなきょうおおはし】は、恵那峡に架かる赤色の1連上路アーチ橋である。恵那市中心部と中津川市蛭川を結ぶ主要路にあり、重要な役割を果たしている。
恵那峡一帯は奇岩が多いことで知られており、屏風岩、軍艦岩、獅子岩、鏡岩などと名付けられた奇岩が存在する。それらの見物を目的とした観光遊覧船が周航している。
名 称 | 恵那峡【えなきょう】 |
所在地 | 岐阜県恵那市大井町恵那峡 |
Link | 恵那峡|岐阜県観光公式サイト 「岐阜の旅ガイド」 |
青蓮寺湖に架かる赤と青のアーチ橋
青蓮寺ダム【しょうれんじダム】は、三重県名張市青蓮寺に位置し、名張川の支流である青蓮寺川に造られたダムで、そのダム湖は青蓮寺湖【しょうれんじこ】と呼ばれている。
名 称 | 青蓮寺湖(青蓮寺ダム湖) |
所在地 | 三重県名張市青蓮寺字ガオヤ |
Link | 青蓮寺ダム管理所-水資源機構 木津川ダム総合管理所 青蓮寺湖(青蓮寺ダム)|名張市 |
弁天橋
弁天橋【べんてんばし】は、青蓮寺湖に架けられた赤色に塗装されたアーチ橋である。
青蓮寺湖付近一帯は室生赤目青山国定公園に指定されている地域も多く、青蓮寺川上流には紅葉の名所として知られる香落渓があり、山を越えると赤目四十八滝もある。
青蓮寺湖も室生赤目青山国定公園の一部に指定されている地域であり、その景観は一見の価値がある。
青蓮寺橋
青蓮寺橋【しょうれんじばし】は、青蓮寺湖に架けられた青色に塗装されたアーチ橋である。
青蓮寺湖は、ブラックバス釣りでも知られるが、周囲を山に囲まれた風光明媚な場所である。春(3月下旬~4月上旬)は桜、秋(11月上旬~下旬)は紅葉が湖面に映える。
青蓮寺湖の美しい湖畔はサイクリングにも最適である。赤色に塗装された弁天橋や青色に塗装された青蓮寺橋を自転車で渡りながら青蓮寺湖を眺める景色は格別である。
黒部峡谷に架かるアーチ橋
用水路橋
橋は、一般的には人や車両・列車が行きかうものであるが、水が通る橋、すなわち用水路橋も立派な橋と言えよう。
そんな用水路橋の造形美に惹かれ、黒部峡谷鉄道沿線のトロッコ列車の車窓から思わずシャッターを押していた。
険しい谷を跨いで水路を繋ぐコンクリート製のアーチ橋であるが、年季の入った風格が漂う。緑の渓谷を背景に一段と美しい景観を楽しませてくれる。私は、この用水路橋を最初に見たときには、石造のアーチ橋ではないかと勘違いしたくらいである。
名 称 | 黒部渓谷・用水路橋 |
所在地 | 黒部峡谷鉄道沿線 |
Link | 黒部峡谷鉄道トロッコ電車【公式サイト】 |
山彦橋
山彦橋【やまびこばし】は、宇奈月温泉街の黒部峡谷鉄道トロッコ電車の出発駅(宇奈月駅)近くに位置するアーチ橋である。
山彦橋は、かつては黒部峡谷鉄道の軌道であった。トロッコ列車の音が山彦【やまびこ】となって温泉街に響くことから名付けられたというのが橋名の由来である。
名 称 | 山彦橋 |
所在地 | 富山県黒部市宇奈月温泉 |
Link | 山彦橋 / やまびこ遊歩道【公式】富山県の観光/旅行サイト |
新山彦橋
新山彦橋【しんやまびこばし】は、現在の黒部峡谷鉄道の軌道である。山彦橋と新山彦橋の二つのアーチ橋は隣合わせで黒部川に架けられている。
山彦橋から新山彦橋を見上げるようにして撮影すると迫力のある写真が撮れる。周囲の緑と赤色のアーチ橋のコントラストは美しいので、思わずシャッターを押してしまう。
タイミングが良ければ新山彦橋をトロッコ列車が通過する姿を撮影することもできるが、待つことが嫌いなのですぐに諦めた。私には、いわゆる「撮り鉄」になる資質はなさそうだ。
名 称 | 新山彦橋 |
所在地 | 富山県黒部市宇奈月温泉 |
Link | 富山県/黒部峡谷山彦橋から見る新山彦橋 |
湖面橋
湖面橋【こめんきょう】は、黒部川を堰き止めた宇奈月ダムの人造湖(うなづき湖)に架かる赤色のアーチ橋である。エメラルドグリーンの湖面と赤色のアーチ橋とのコントラストが美しい。
湖面橋は、宇奈月ダムの工事用道路として建設されたものであるが、ダムの完成後には一般道として供用されている。湖面橋は、構造的にはバスケットハンドル型ニールセンローゼ橋というタイプのアーチ橋であるらしい。
名 称 | 湖面橋【こめんきょう】 |
所在地 | 富山県黒部市宇奈月町舟見明日音沢 |
Link | 湖面橋|黒部めぐり〈黒部・宇奈月温泉観光局 公式サイト〉 |
くしもと大橋
くしもと大橋は、本州側の潮岬と紀伊大島を繋ぐ橋で、導入路となるループ橋と海を跨ぐアーチ橋の2つの橋から構成されるユニークな橋である。アーチ橋の長さは290mもあるという。
くしもと大橋は、白く塗装されており、太平洋のコバルトブルーとのコントラストが鮮やかである。
くしもと大橋の開通のおかげで、それまで巡航船やフェリーに頼っていた大島内の交通が圧倒的に便利になったと言われている。
名 称 | くしもと大橋 |
所在地 | 和歌山県東牟婁郡串本町大島 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | くしもと大橋|串本町 |
神戸大橋
神戸大橋【こうべおおはし】は、神戸港の新港第四突堤とポートアイランド間に架かるダブルデッキ型アーチ橋である。
神戸大橋には自動車専用道路に加えて、歩道も併設されている。ポートアイランドへ行くルートには、このアーチ橋と海底トンネルがあるが、海底トンネルは自動車専用である。そのため神戸大橋は徒歩でポートアイランドに行ける唯一のルートとなる。
神戸マラソン大会の際には、自動車の通行を規制して、ランナーがこの神戸大橋を渡ってゴール地点のあるポートアイランドへと向かって走る。
神戸大橋を渡ったポートアイランド側の橋の袂にはポートアイランド北公園がある。ここからの神戸の夜景も一見の価値がある。
私は会社員生活をリタイアするまでは、この神戸大橋を渡って通勤をしていた。今から1年と数か月前までの話である。
名 称 | 神戸大橋 |
所在地 | 兵庫県神戸市中央区新港町 |
Link | 神戸大橋 – 神戸夜景ガイド【公式】 コウベdeナイト |
あとがき
アーチ橋には木造、石造、そして鋼鉄製があることが分かった。それぞれ特徴があり、いずれも甲乙つけがたい。
九州には石造のアーチ橋が多いと聞く。ボランティア団体の「日本の石橋を守る会」の調査では、全国に2,072の石橋が残されているが、そのうちの大半(89.4%;1853)の石橋が九州に存在しているという。九州以外の地に存在する石橋はわずかに219(10.6%)であるというから驚きである。
私は全国的にほぼ均一に点在しているものとばかりに勝手に想像していたので、九州に多くの石橋が偏在していることに率直に驚いた。一方で、洪水などで消失してしまった石橋もあるということなので、残念な気持ちにもなった。
九州には石造アーチ橋が多くあるようなので、リタイアしたのを機に一つでも多くのアーチ橋を見に行ってみたいと思っている。特に、大分県宇佐市院内町は「日本一の石橋の町」と呼ばれ、約60基ほどの石造アーチ橋があると言われている。是非、機会をつくって訪れたいものである。