はじめに
平安時代に伝教大師・最澄によって開湯されたと伝わる雄琴温泉【おごとおんせん】は、1200年以上の歴史を持ち、琵琶湖の西岸に位置する温泉地である。
アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉;pH9.0)の無色透明なお湯は、疲労回復等に効能があり、疲れた身には心地良い。
琵琶湖の湖畔に広がる温泉街は、琵琶湖周辺に展開する神社仏閣や史跡への観光拠点にもなっている。
雄琴温泉
雄琴温泉【おごとおんせん】は、滋賀県大津市に位置し、琵琶湖西岸にある温泉地である。平安時代に比叡山天台宗の伝教大師・最澄によって開湯されたと伝わり、1200年超の歴史を有する。雄琴温泉は、滋賀県最大の温泉地である。
泉質・効能
泉質は、アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)で、pH9.0の「美肌の湯」として知られている。源泉温度は約26℃~36℃と低めであるため、加温して使用される。無色透明で、しっとりと肌に馴染む感触が特徴的である。
神経痛、筋肉痛、関節痛、五十肩、運動麻痺、関節のこわばり、うちみ、くじき、慢性消化器病、痔疾、冷え性、疲労回復などに効能があるとされる。
温泉街
昭和4年(1929年)創業の老舗旅館である湯元舘をはじめとして旅館・ホテルが10軒ほどが滋賀県道558号高島大津線を挟んで点在する温泉街を形成する。比叡山の山麓沿いに建てられているため、琵琶湖の眺望にも優れている。
名物料理として鴨料理や近江牛料理などがある。特に鴨鍋は冬の琵琶湖を代表する味覚であるとされる。また、地元のブランド牛である「近江牛」を提供する「認定近江牛指定店」に全10軒が登録して、食へのこだわりがあるイメージを旅館組合ぐるみで形作っている。
旅館組合ぐるみによる旅館同士の競争が相乗効果を生み、着実にリピーターや新規顧客を増加させ、かつての雄琴温泉のイメージは消え、現在では滋賀県を代表する一大温泉地となっている。
名 称 | 雄琴温泉(おごと温泉) |
所在地 | 大津市雄琴 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | おごと温泉観光協会 |
周辺の観光スポット
雄琴温泉の周辺には比叡山延暦寺とその門前町坂本、日吉大社、白鬚神社、近江神宮、園城寺(三井寺)や石山寺など歴史のある神社仏閣が多く、観光拠点としても適している。
また、琵琶湖大橋を渡るとすぐの場所に佐川美術館もあって名画や彫刻を鑑賞できる。
あとがき
雄琴温泉は、かつて「雄琴=ソープランド」という風俗街のイメージが強く定着していた時代があり、家族層から敬遠されていたことがあった。
しかしながら、現在ではそのイメージは改善され、滋賀県を代表する温泉地として再生されている。私が妻と共に雄琴温泉の旅館に気兼ねなく泊まれるようになったのも新生・雄琴温泉のイメージが回復したからでもある。