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時を守る神社「近江神宮」

はじめに

近江神宮【おうみじんぐう】は、滋賀県大津市に位置し、天智天皇を祀る神社である。近江神宮は、天智天皇【てんじてんのう】が飛鳥から遷都した近江大津宮の跡地に建てられている。

天智天皇は、日本で初めて水時計(漏刻)を設置し、時報を始めたことから「時の神様」とも称されている。それ以外にも「開運・導きの大神」、「文化・学芸・産業の守護神」として崇敬されている。そのため、近江神宮は、開運、学問成就、産業繁栄、交通安全などのご利益があるとされている。

近江神宮の境内には、色鮮やかな朱色の楼門があり、近江神宮のシンボルとなっている。また、境内には時計館宝物館があり、漏刻日時計などが展示されている。

天智天皇は、626年に舒明天皇と皇極天皇の間に生まれ、即位前は中大兄皇子【なかのおおえのおうじ】と呼ばれていた。645年に中臣鎌足と共に蘇我氏を倒し、乙巳の変を起こした。このクーデターにより、蘇我入鹿を暗殺し、蘇我氏の政治力を一気に衰退させた。そして、乙巳の変の後、天皇中心の新しい政治体制を確立するために大化の改新を実施した。これにより、中央集権的な国家体制が整備された。

667年に飛鳥から近江大津宮(現在の大津市)に遷都し、668年に正式に即位して、日本の第38代天皇(天智天皇)となる。

670年には日本最古の全国的な戸籍「庚午年籍」を作成し、公地公民制の基盤を築いたとされる。そして、671年には漏刻(水時計)を設置し、時報を開始した。この実績により、後日、天智天皇は「時の神様」としても知られるようになる。

このように、天智天皇は、日本の歴史において重要な改革を敢行し、中央集権的な国家体制の基盤を築いた人物である。彼の業績は、後の日本の政治や文化に大きな影響を与えたとして高く評価されている。まさしく、天智天皇は、飛鳥時代に大活躍した重要人物の一人である。

目次
はじめに
近江神宮
あとがき

近江神宮

紀元二千六百年記念行事とは、神武天皇即位紀元(皇紀)2600年に相当する昭和15年(1940年)に祝賀のための催された一連の行事を指す。

近江神宮【おうみじんぐう】は、この皇紀2600年を記念して昭和15年(1940年)に創祀された比較的新しい神社である。

天智天皇が667年にこの地に近江大津宮を営み、飛鳥から遷都した由緒に因み、天智天皇を御祭神として創祀されたという。

天智天皇は、小倉百人一首の第1首目の歌を詠んだ天皇として知られており、これにちなんで1月前半の日曜日にかるた開きの儀(かるた祭)が行われている。

競技かるたのチャンピオンを決める名人位・クイーン位決定戦も毎年1月に行われている。さらには高松宮記念杯歌かるた大会や高校選手権大会などが開催されているように、百人一首や競技かるたと関係が深い神社である。

天智天皇の百人一首の歌の歌碑も設置されている他、柿本人麻呂や高市黒人の万葉歌碑など多くの歌碑が境内に作られている。

また、天智天皇は日本で初めて水時計(漏刻)【ろうこく】を設置した天皇として知られ、時の記念日(6月10日)には漏刻祭が開催されている。境内には各地の時計業者が寄進した古代日時計漏刻(レプリカ)などが設けてあり、時計館宝物館と近江時計眼鏡宝飾専門学校が境内に併設されている。

境内には各地の時計業者が寄進した古代日時計漏刻(レプリカ)などが設けてあり、時計館宝物館と近江時計眼鏡宝飾専門学校が境内に併設されている。

名 称近江神宮
所在地滋賀県大津市神宮町1番1号
TEL077-522-3725
参拝時間6:00~18:00
駐車場あり(無料)
Link近江神宮公式ホームページ

あとがき

近江神宮ではいくつかの有名なお祭りが開催されている。例えば、下記のような祭りは、ユニークであり、機会があれば是非、一度は見物したいものである。

かるた祭
  • 毎年1月前半日曜日に開催
  • 天智天皇が詠んだ歌が「百人一首」の第一首であることに因み、天智天皇を祀る近江神宮において開催
  • 競技かるた全国大会も同時に開催される
  • 名人位やクイーン位が決定される
  • 多くのかるた愛好者が集う祭りである
例祭(近江まつり)
  • 4月20日に行われる例祭
  • 天智天皇が近江大津宮に遷都した日を記念するお祭り
  • 例祭後には、地元の子供神輿が集まる「近江まつり」を開催
漏刻祭
  • 毎年6月10日の「時の記念日」に開催
  • 日本初の水時計(漏刻)設置を記念したお祭り
  • 時計業界の関係者が集まり、天智天皇に感謝の祈りを捧げる
燃水祭
  • 7月7日(7日が土日の年は5日)に行われる
  • 天智天皇の時代に越の国(現在の新潟県)から献上された燃ゆる水(石油)を記念するお祭り
  • 新潟県胎内市黒川から採油された原油が献納される

これらのユニークなお祭りは、近江神宮の歴史と文化を感じることができる素晴らしい機会にもなり得る。


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