カテゴリー
ウェルネスツーリズム

中部山岳国立公園・北アルプスの山岳と湖沼への山旅

はじめに

日本アルプスは、中部地方の3つの山脈(飛騨山脈・木曽山脈・赤石山脈)の総称であるが、各山脈はそれぞれ北アルプス中央アルプス南アルプスと呼ばれることが多くなっている。

中部山岳【ちゅうぶさんがく】国立公園は、長野、岐阜、富山、新潟の4県にまたがる飛騨山脈北アルプス)を中心とした国立公園である。

中部山岳国立公園の指定区域には槍が岳、穂高岳や立山などの標高3,000m級の山岳や、上高地や乗鞍高原などの高原があるだけでなく、天然湖沼やダム湖、名瀑と称される滝の名所が目白押しである。

しかしながら、飛騨山脈には標高3,000m級の山が10座以上もあり、その山容も本場ヨーロッパのアルプスに近いことから、それに倣って「日本アルプス」と最初に名付けられたのは槍が岳・穂高連峰を擁する北アルプスである。最高峰は穂高連峰の奥穂高岳(標高3,190m)であり、それらの山岳について語ることなしに中部山岳国立公園を語れない。そして、登山者にとってオアシス的な存在である天然湖沼を語ることで中部山岳国立公園、北アルプスの魅力を示せるのではないかと私は思っている。

目次
はじめに
北アルプスの主な山岳一覧
北アルプスの主な天然湖沼一覧
朝日岳
白馬岳
白馬大池
風吹大池
唐松岳
五竜岳
鹿島槍ヶ岳
爺ヶ岳
針ノ木岳
毛勝山
剱岳
仙人池
奥大日岳
立山
硯ヶ池
泥鰌池
多枝原池
刈込池
新湯
ミクリガ池
薬師岳
竜晶池
赤牛岳
水晶岳
水晶池
蓮華岳
烏帽子岳
野口五郎岳
五郎池
鷲羽岳
鷲羽池
三俣蓮華岳
双六岳
双六池
餓鬼岳
燕岳
大天井岳
常念岳
霞沢岳
笠ヶ岳
槍ヶ岳
鏡池
天狗池
穂高岳
西穂高岳
明神池
大正池
田代池
焼岳
正賀池
乗鞍岳
権現池・五ノ池
あとがき

北アルプスの山岳一覧

山名標高(m)山系
朝日岳あさひだけ2,417後立山連峰
白馬岳しろうまだけ2,932後立山連峰
唐松岳からまつだけ2,696後立山連峰
五竜岳ごりゅうだけ2,814後立山連峰
鹿島槍ヶ岳かしまやりだけ2,889後立山連峰
爺ヶ岳じいがたけ2,670後立山連峰
針ノ木岳はりのきだけ2,821後立山連峰
剱岳つるぎだけ2,999立山連峰
奥大日岳おくだいにちだけ2,616立山連峰
立山たてやま3,015立山連峰
薬師岳やくしだけ2,926立山連峰
黒部五郎岳くろべごろうだけ2,840立山連峰
赤牛岳あかうしだけ2,864飛騨山脈
水晶岳すいしょうだけ2,986飛騨山脈
蓮華岳れんげだけ2,799飛騨山脈主稜
烏帽子岳れんげだけ2,628飛騨山脈主稜
野口五郎岳のぐちごろうだけ2,924飛騨山脈主稜
鷲羽岳わしばだけ2,924飛騨山脈主稜
三俣蓮華岳【みつまたれんげだけ】2,841飛騨山脈主稜
双六岳すごろくだけ2,860飛騨山脈主稜
餓鬼岳がきだけ2,647常念山脈
燕岳つばくろだけ2,763常念山脈
大天井岳【おてんしょうだけ】2,922常念山脈
常念岳じょうねんだけ2,857常念山脈
霞沢岳かすみざわだけ2,646常念山脈
笠ヶ岳かさがだけ2,897飛騨山脈
槍ヶ岳やりがだけ3,180飛騨山脈主稜
穂高岳ほたかだけ】(奥穂高岳)3,190飛騨山脈主稜
西穂高岳にしほたかだけ2,909飛騨山脈主稜
焼岳やけだけ2,455飛騨山脈主稜
乗鞍岳のりくらだけ3,026飛騨山脈主稜

北アルプスの天然湖沼一覧

天然湖沼名種類特記事項
風吹大池堰止湖北アルプスで最大面積を誇る
白馬大池堰止湖北アルプスで2番目に大きい
仙人池(不明)運が良ければ「鏡剱」が撮れる
硯ヶ池(不明)日本最高所の湖沼(標高2870m)
ミクリガ池火口湖北アルプスで最も美しい火山湖
泥鰌池堰止湖立山カルデラ内の湖沼
多枝原池堰止湖立山カルデラ内の湖沼
刈込池火口湖立山カルデラ内の湖沼
新湯火口湖立山カルデラ内の泉温70度の温泉池
五郎池堰止湖野口五郎岳の西山腹にある湖沼
竜晶池堰止湖湖面に薬師岳が逆さに映る
水晶池堰止湖湖面に水晶岳が逆さに映る
鷲羽池火口湖背後には槍ヶ岳を望むことができる
双六池(不明)湖畔に北アルプスの要所・双六小屋あり
鏡池(不明)湖面に槍ヶ岳が逆さに映る
天狗池(不明)湖面に槍ヶ岳が逆さに映る
明神池堰止湖上高地にある神秘的な湖沼で人気がある
大正池堰止湖国の特別名勝・特別天然記念物に指定
田代池堰止湖大正池に隣接する湖沼
正賀池火口湖焼岳の火口湖
権現池火口湖乗鞍岳の頂上部にある火口湖
五ノ池火口湖乗鞍岳の頂上部にある火口湖

朝日岳

朝日岳【あさひだけ】(標高2,418m)は、北アルプスの最北部に位置し、富山県と新潟県にまたがる後立山連峰に属する山である。

積雪量が多く、山頂付近には夏でも雪渓が残る。山頂は平坦で豊富な高山植物が見られる。白馬岳近辺とは違った高山植物を見ることができる。小桜ヶ原のような湿地帯もある


白馬岳

白馬岳【しろうまだけ】(標高2,932m)は、北アルプス北部の後立山連峰に位置する、長野県と富山県にまたがる山である。

東側の谷筋には日本最大の雪渓、「白馬大雪渓」がある。また、大雪渓の上部には日本有数の高山植物のお花畑が広がる。

白馬岳は、杓子岳【しゃくしだけ】、白馬鑓ヶ岳【しろうまやりがだけ】とともに「白馬三山」と呼ばれる。


白馬大池

白馬大池【はくばおおいけ】(標高2,379m)は、風吹大池の南西5km先に位置する、北アルプスでは風吹大池に次いで大きな湖沼で、白馬乗鞍岳、小蓮華山や白馬岳などに囲まれている。

白馬大池は、白馬大池火山の噴出物により堰き止められてできた火山性の堰止湖で、魚類は生息しないが、クロサンショウウオが多く生息しており、肉眼でも確認できるほどであるという。

湖畔には白馬大池山荘があり、例年7月初旬から10月初旬まで営業している。

名 称白馬大池【はくばおおいけ】
所在地長野県北安曇郡小谷村千国
Link白馬大池山荘について| 白馬岳だより(株)白馬館

風吹大池

風吹大池【かざふきおおいけ】(標高約1,775m)は、横前倉山(標高1,907m)の西側に位置する天然湖沼で、周囲を風吹岳(1,888m)や 岩菅山(1,889m)などに囲まれている。

南東から北西にかけて長径約600m、短径約200mほどの楕円形をした堰止湖で、北アルプスでは最も面積の大きな湖である。

名 称風吹大池【かざふきおおいけ】
所在地長野県北安曇郡小谷村北小谷
Link風吹山荘 信州 小谷 – 風吹山荘公式HP

唐松岳

唐松岳【からまつだけ】(標高2,696m)は、北アルプスの後立山連峰に位置する、長野県白馬村と富山県黒部市にまたがる山である。氷河が現存する山でもある。

唐松岳北側の峻険な岩峰・不帰嶮【かえらずのけん】は、後立山連峰を縦走するうえでの難所として知られる。

また、東側の八方尾根にはスキー場としては日本国内最大級のスキー場「白馬八方尾根スキー場」がある。


五竜岳

五竜岳【ごりゅうだけ】(標高2,814m)は、北アルプス・後立山連峰に位置し、富山県黒部市と長野県大町市にまたがる山である。


鹿島槍ヶ岳

鹿島槍ヶ岳【かしまやりがたけ】(標高2,889m)は、北アルプス・後立山連峰に位置し、富山県黒部市、立山町および長野県大町市にまたがる山である。氷河の現存する山である。

鹿島槍ヶ岳は、南峰(2,889m)と北峰(2,842m)からなる双耳峰であり、吊尾根と呼ばれるなだらかな稜線で繋がっている。


爺ヶ岳

爺ヶ岳【じいがたけ】(標高2,670m)は、北アルプス・後立山連峰南部に位置する、富山県立山町と長野県大町市にまたがる山である。

爺ヶ岳は、北峰(2,630 m)・本峰(2,670m)・南峰(2,660 m)の3峰からなる。南峰と本峰の間の白沢の上部には、春に種蒔きをする老爺【ろうや】の雪形が見られ、農耕の目安に利用されてきた。この雪形が山名の由来である


針ノ木岳

針ノ木岳【はりのきだけ】(標高2,821m)は、北アルプス・後立山連峰に位置する、富山県立山町と長野県大町市にまたがる山である。ピラミッド型の端正な山容をして、針ノ木峠を挟んで蓮華岳と対峙している。

針ノ木岳を源流とする厩窪沢【まやくぼさわ】にはカール地形がみられる。高瀬川支流の篭川の上流部には針ノ木大雪渓がある。


剱岳

剱岳【つるぎだけ】(標高2,999m)は、北アルプス北部の立山連峰に位置する、富山県の上市町と立山町にまたがる山である。

三ノ窓氷河小窓氷河のような氷河が現存する山である。また大きな雪渓として知られる剱沢雪渓もある。

氷河に削り取られた氷食尖峰で、その峻険な山容については登山家から「岩の殿堂」あるいは「岩と雪の殿堂」と呼ばれている。

雪を纏わない剱岳は、黒っぽい岩石の塊のような山容で、何人も寄せ付けないような雰囲気を醸し出している。

剱岳は眺める方向と角度によってその姿を変える点もツェルマットにあるマッターホルンに似ていて素晴らしいと思う。

剱岳は登山者にとって最も危険度の高い山とされる。難所として「カニのヨコバイ」や「カニのタテバイ」と呼ばれる鎖場がある。

稜線での滑落事故や岩場・雪山での遭難も多く報告されている。


仙人池

仙人池【せんにんいけ】は、八ツ峰として展望できる険しい山容の剱岳【つるぎだけ】を見ることができる位置にあり、運が良ければ湖面に映り込む幻想的な「鏡剱」を写真に収めることもできる。まさに山岳写真の愛好家にとっては憧れの撮影スポットの一つとなっている。

仙人池の湖畔には仙人池ヒュッテがあり、この古びた山小屋で連泊してベストショットを狙う山岳写真愛好家に出会うのは難しいことではない。

山小屋の檜風呂に入りながらその瞬間を待つためだけに滞在する。そんな人を羨ましく思った経験が私にはある。

当時の私はひたすら登山だけを楽しみにしていたが、そんな私にも絶景の「鏡剱」が見れた嬉しい想い出がある。

只、一眼レフカメラでフルサイズの写真を撮っていないのは残念である。登山できる体力をつけて、絶景を撮影するためにも再訪したいものである。

名 称仙人池
所在地富山県中新川郡立山町芦峅寺
LinkInformation – 仙人池ヒュッテ
「仙人池ヒュッテ」北アルプスの山小屋完全ガイド

奥大日岳

奥大日岳【おくだいにちだけ】(標高2,611m)は、北アルプス・立山連峰から派生する大日尾根に位置する、富山県にある山である。多くの高山植物を見ることができる山である。

厳冬期は、日本海からの季節風によって巨大な雪庇ができるが、この雪庇は日本最大級であるとされる。


立山

立山【たてやま】は、北アルプス北部・立山連峰に位置する、群峰を指す。狭義の立山は立山本峰【たてやまほんみね】を指す。立山本峰とは、雄山【おやま】(標高3,003m)、大汝山【おおなんじやま】(3,015m)、富士ノ折立【ふじのおりたて】(2,999m)の3峰のことである。雄山の頂上には雄山神社の峰本社神殿が鎮座している。日本では数少ない氷河が現存する。

一方、広義の立山は立山三山を指す。立山三山とは雄山と南側の浄土山【じょうどさん】(北峰:2,831m、南峰:2,830m)、北側の別山【べっさん】(2,880m)を含んだ呼び名である。

立山三山(浄土山・雄山・別山)は、それぞれ阿弥陀「過去」、釈迦「現在」、弥勒「未来」の三世諸仏に擬えられる。


硯ヶ池

硯ヶ池【すずりがいけ】(標高2870m)は、立山別山の山頂近くにある、直径10m、深さ0.3mほどの池である。小さな池ではあるが、「日本最高所の湖沼」である。

別名、経ヶ池とも呼ばれる。硯ヶ池、経ヶ池のどちらの名称の由来も庚申信仰【こうしんしんこう】と関係があるとされる。

名 称硯ヶ池【すずりがいけ】
所在地富山県中新川郡立山町
Link富山県/硯ヶ池

泥鰌池

泥鰌池【どじょういけ】は、立山カルデラ内に位置する堰止湖であり、立山カルデラ内にある4つの湖沼のなかで最大の面積を持つとされる。名前からのイメージとは異なり、水の透明度は高いという。

名 称泥鰌池【どじょういけ】
所在地富山県中新川郡立山町芦峅寺
Link泥鰌池(富山県立山) – 水辺遍路

多枝原池

多枝原池【だしはらいけ】は、立山カルデラ内に位置する堰止湖である。

クロサンショウウオやモリアオガエルの卵塊が多数確認されている。また、ギンブナとイワナの魚類も確認されている。1935年にフナ、1979年にイワナを放流した記録があり、それらが繁殖して定着したものと考えられている。

名 称多枝原池【だしはらいけ】
所在地富山県富山市有峰
Link水辺遍路 ・多枝原池

刈込池

刈込池【かりこめいけ】は、立山カルデラ内に位置する火口湖であり、立山カルデラ内にある4つの湖沼のなかで最も水深が深いという。

名 称刈込池【かりこめいけ】
所在地富山県富山市有峰
Link刈込池(富山県富山) – 水辺遍路

新湯

新湯【しんゆ】は、立山カルデラ内に位置する火口湖であり、水温が70°Cと極めて高温の湖沼である。理由は、近くで高温の温泉が湧出しており、滝となって新湯に注いでいるからである。

上質なオパールの一種である玉滴石を産し、「新湯の玉滴石産地」として国の天然記念物となっている。

名 称新湯【しんゆ】
所在地富山県富山市有峰
Link立山新湯(富山県富山) – 水辺遍路

ミクリガ池

ミクリガ(標高2,405m)は、約1万年前にできた周囲約630m、水深約15mの火口湖である。北アルプスで最も美しい火山湖といわれている。

ミクリガ

室堂ターミナルから舗装された遊歩道を歩いていくと美しいミクリガ池が姿を現す。そして紺碧の湖面に雄大な立山を映し出してくれる。ミクリガは室堂のシンボルとなっている。

ミクリガ
名 称ミクリガ
所在地富山県中新川郡立山町室堂
Link富山県/みくりが池
【公式】みくりが池温泉:アクセス

薬師岳

薬師岳【やくしだけ】(標高2,926m)は、北アルプス・立山連峰(富山市南東部)に位置する山である。

東斜面には、大規模な氷河地形の薬師岳圏谷(カール)群があり、国の特別天然記念物に指定されている。

薬師岳も山岳信仰の対象であり、阿弥陀浄土としての立山(雄山)に対し、薬師岳は薬師如来浄土として信仰を集めた。山頂にはこの薬師如来を祀った小さな祠があり、銅剣など数々の修験道の宝具が残されている。


竜晶池

竜晶池【りゅうしょういけ】は、北アルプス・高天原の北部(夢の平)に位置する堰止湖である。水面に薬師岳が逆さに映ることで知られている。東側には水晶岳が聳えており、高天原を挟んだ南側には水晶池もある。南西側は岩苔小谷を挟んで雲ノ平と隣接する。

名 称竜晶池【りゅうしょういけ】
所在地富山県富山市

赤牛岳

赤牛岳【あかうしだけ】(標高2,864m)は、北アルプス中部に位置する山である。赤茶けた山肌と、牛が寝そべっているような穏やかな山容が山名の由来であるという。赤牛岳の南側には水晶岳がある。


水晶岳

水晶岳【すいしょうだけ】(標高2,986m)は、別名で黒岳と呼ばれ、北アルプス(富山市南東部)に位置する山である。水晶岳の北側には赤牛岳がある。

水晶岳は双耳峰(北峰:2,977.7m、南峰:2,986m)で、東斜面にすり鉢状の圏谷地形(カール)がある。


水晶池

水晶池【すいしょういけ】(標高約2,290m)は、水晶岳の西麓に位置する堰止湖である。水晶岳と高天原温泉との間にある。水面に水晶岳が逆さに映ることで知られる。

名 称水晶池【すいしょういけ】
所在地富山県富山市有峰

蓮華岳

蓮華岳【れんげだけ】(標高2,799m)は、北アルプス北部に位置する、富山県立山町と長野県大町市にまたがる山である。針ノ木峠を挟んで針ノ木岳の東側に対峙している。周辺の山との山並みが蓮【はす】の花に見え、その中心にある山であることから「蓮華岳」と名付けられたという。


烏帽子岳

烏帽子岳【えぼしだけ】(標高2,628m)は、北アルプス中部に位置する、長野県大町市と富山県富山市にまたがる山である。

頂上部にオベリスク(縦長の柱状の岩)がある特徴的な山容を持つほか山頂の南側には烏帽子池があり、北側には四十八池と呼ばれる池塘【ちとう】が点在する。


野口五郎岳

野口五郎岳【のぐちごろうだけ】(標高2,924m)は、北アルプス中部に位置する山である。山頂付近には大きな石が堆積していて、灰色で茫洋【ぼうよう】とした山容が特徴的な山である。

西側斜面には明瞭な圏谷(カール)、「野口五郎カール」があるほか、カール底には氷河湖の五郎池がある。


五郎池

五郎池【ごろういけ】は、野口五郎岳の西山腹(野口五郎岳カール)にある堰止湖である。氷河末端部の礫【れき】のたまり場であるモレーンによる堰き止めで出来た氷河湖であるとされる。

名 称五郎池【ごろういけ】
所在地富山県富山市

鷲羽岳

鷲羽岳【わしばだけ】(標高2,924m)は、北アルプス中央部に位置する、長野県大町市と富山県富山市にまたがる山で、黒部川の源流域に位置する。


鷲羽池

鷲羽池【わしばいけ】は、北アルプスの鷲羽岳【わしばだけ】の南東側の山頂直下に位置する火口湖である。背後には槍ヶ岳を望むことができる最高の場所に位置し、印象に残る池である。

北アルプスの核心部にあたる黒部川源流域はどの登山口からも奥まった場所であり、日帰りでは到達できない所ばかりである。鷲羽池に行くには、鷲羽岳に登る必要がある。鷲羽岳に登ろうとするなら2泊3日の登山を計画する必要がある。

名 称鷲羽池【わしばいけ】
所在地長野県大町市
Link鷲羽池 -日本湖沼めぐり

三俣蓮華岳

三俣蓮華岳【みつまたれんげだけ】(標高2,841m)は、北アルプス中央部に位置する山である。東側に圏谷地形(カール)があり、豊富な高山植物のお花畑がある山として知られる。


双六岳

双六岳【すごろくだけ】(標高2,860m)は、北アルプス中央部に位置する、長野県大町市と岐阜県高山市にまたがる山である。

山頂で稜線は東南東に向きを変えて槍ヶ岳穂高岳へと主稜線が続き、東南東の樅沢岳から南西に分岐した稜線が弓折岳を経て笠ヶ岳へと続く。

双六岳と樅沢岳の鞍部は各方面からの登山道が交差する要所になっており、双六小屋がある。


双六池

双六岳と樅沢岳の鞍部には双六小屋があり、その双六小屋の南隣の平坦地にあるのが双六池【すごろくいけ】である。西側は双六岳、東側は樅沢岳に挟まれていて、南側のやや開けた先には笠ヶ岳の姿を望むことができる、最高の場所にある。

名 称双六池【すごろくいけ】
所在地岐阜県高山市上宝町金木戸
Link双六池 -日本湖沼めぐり

餓鬼岳

餓鬼岳【がきだけ】(標高2,647m)は、北アルプス(長野県)に位置する山である。山名の由来には安曇野から見上げる岩壁がそばだっているので、「崖岳」【がけだけ】が転訛したとする説がある。


燕岳

燕岳【つばくろだけ】(標高2,763m)は、北アルプス・常念山脈(長野県)に位置する山である。白っぽい山容が特徴的な山であり、私が好きな山の一つである。

中房温泉に登山口があり、大天井岳を経て槍ヶ岳へ向かう「表銀座縦走コース」の始点になる山でもある。


大天井岳

大天井岳【おてんしょうだけ】(標高2,922m)は、北アルプス暗部の飛騨山脈に位置する、長野県の大町市・安曇野市・松本市にまたがる山である。燕岳を起点に槍ヶ岳へ登る「表銀座縦走コース」と常念山脈との分岐点の山である。


常念岳

常念岳【じょうねんだけ】(標高2,857m)は、北アルプス南部の常念山脈に位置する、長野県の松本市と安曇野市にまたがる山である。

安曇野から全容を望むことができ、その端正なピラミッド型の山容は印象的であり、安曇野のシンボル的な山となっている。


霞沢岳

霞沢岳【かすみざわだけ】(標高2,646m)は、北アルプス南部の常念山脈最南端部(長野県松本市)に位置する山である。山名は、南東側の梓川【あずさがわ】支流の霞沢【かすみさわ】の源流の山であることに由来する。霞沢岳への登山道は徳本峠【とくごうとうげ】からの道しかないため訪れる人も少ない。

徳本峠

徳本峠【とくごうとうげ】(標高約2,140m)には、徳本峠小屋があり、「昔ながらの峠の小さなランプ小屋」として親しまれている。

上高地【かみこうち】にバスが乗入れられる以前は、徳本峠越えで上高地に入る道がメインルートであった。しかし、バス道が開通してからは徳本峠を利用する人はめっきり少なくなったという。

私は社会人になってから一度だけであるが、徳本峠小屋に宿泊するために訪れたことがある。

名 称徳本峠小屋
所在地長野県松本市安曇1743
Link徳本峠小屋公式ホームページ – 徳本峠小屋HP

笠ヶ岳

笠ヶ岳【かさがたけ】(標高2,898m)は、北アルプス南部(岐阜県高山市)に位置する山である。

なだらかな北アルプスの稜線上に笠(またはお椀)を伏せたような特徴的な山容をしているためどこからでも笠ヶ岳と分かる。

笠が岳の姿が見えている限り、登山道(縦走路)で方向を間違えることはないだろう。但し、笠が岳は主稜線上にはないので、笠が岳への登山ではない限り、この山に向かってはいけない。


槍ヶ岳

槍ヶ岳【やりがたけ】(標高3,180m)は、北アルプス南部に位置する、長野県松本市、大町市と岐阜県高山市にまたがる山である。

天空に槍を衝く形が特徴的な高山であり、北アルプスシンボル的な存在である。多くの登山者の憧れの的となっている。

天候に恵まれれば、「表銀座縦走コース」の縦走路から槍ヶ岳がその特徴的な姿を見せてくれるので、気分はルンルンとなり、人が居なければ口笛や鼻歌が自然と出てくる。

槍ヶ岳を中心として東西南北にそれぞれ東鎌尾根西鎌尾根槍穂高連峰北鎌尾根と呼ばれる稜線(尾根)が延びている。さらに東南に槍沢、南西に飛騨沢(槍平)、北西に千丈沢、北東に天上沢の四つの沢がある。

梓川源流部の槍沢上部標高2,500 m付近の天狗原には天狗池があって、周辺は圏谷(カール)地形となっている。あたりは氷河公園と呼ばれる。


鏡池

鏡池【かがみいけ】は、新穂高から双六岳方面に向かう小池新道の途中に位置する、鏡平【かがみだいら】と呼ばれる小さな平坦地にある池である。この鏡池は、槍ヶ岳を望むことができる最高の場所であり、天候条件が良ければ水面に映る「逆さ槍」を撮影できる。

まさに「鏡池」と呼ぶにふさわしい池ではあるが、「逆さ槍」を撮影できるシャッターチャンスは運次第である。鏡池のそばに建つ鏡平山荘で何泊かするつもりで登山を計画しないと念願の写真は撮れないかも知れない。

名 称鏡池【かがみいけ】
所在地岐阜県高山市
Link鏡池 -日本湖沼めぐり

天狗池

天狗池【てんぐいけ】は、梓川の上流部の槍沢にある、通称「氷河公園」(氷河地形であるため)と呼ばれる天狗原に位置する池である。槍ヶ岳を水面に逆さに映しだす、いわゆる「逆さ槍」の絶景を撮影できる池として知られる。

北アルプスでも最もアルペン的な山容を誇るのが槍ヶ岳(標高3180m)であるから登山者に人気が高いのも頷ける。しかしながら、天狗池に行くにはしっかりとした装備での登山となる。

しかも天狗池は例年8月中旬頃まで雪渓で埋まっていてその姿を現さないので、池の全容が現れる9月まで待たなければならない。そして10月中旬を過ぎると山は冬支度を始め、南岳小屋も営業しなくなる。実質的に9月のわずかな天候の良い日でないと天狗池での「逆さ槍」を撮影することはできないので、それも運次第というしかない。

名 称天狗池
所在地岐阜県高山市
Link槍ヶ岳天狗池

穂高岳

穂高岳【ほたかだけ】は、北アルプスの盟主的存在の山塊で、北穂高岳、涸沢岳、奥穂高岳、前穂高岳、西穂高岳からなる穂高連峰全体を指す。

奥穂高岳(標高3,190m)は、穂高連峰の主峰であり、北アルプス最高峰であると共に日本第3位の高峰である。

奥穂高岳の北側には涸沢岳、北穂高岳、南岳、中岳、大喰岳と山稜が連なっており、さらに北に位置する槍ヶ岳も含めて槍・穂高連峰と呼ばれることも多い。

また、奥穂高岳の東側には屏風の頭、前穂高岳、明神岳と連なる吊尾根と呼ばれる山稜がある。

奥穂高岳の南西側には西穂高岳【にしほたかだけ】(2,909m)や西穂高独標がある。その延長線上に焼岳が位置している。

山麓へは奥穂高岳より吊り尾根を経て、前穂高岳に至り、涸沢カールを下れば、上高地に至る。

涸沢【からさわ】は、穂高岳への登山の拠点で、奥穂高岳と前穂高岳に挟まれた吊り尾根よりU字型にえぐられた圏谷(涸沢カール)で、夏でも雪渓が残る。


西穂高岳

西穂高岳【にしほたかだけ】(標高2,909m)は、穂高連峰を構成する山で、奥穂高岳の南西に位置する。

無雪期の登山シーズン中に、新穂高ロープウェイの終点の西穂高口駅や上高地からの登山者で賑わう。西穂独標までは、穂高岳の入門コースとなっているが、西穂独標から西穂高岳山頂までは熟達者向きの登山コースとなる。山頂から奥穂高岳までの区間の岩稜は北アルプスの主稜線上では屈指の難コースとなっている。


明神池

明神池【みょうじんいけ】(標高約1,425m)は、上高地の明神橋を渡った梓川の対岸に位置する湖沼である。

明神池は、明神岳で土砂崩れが起き、梓川支流の沢がふさがれてできた堰止湖である。

湖面に映る木々が美しく、神秘的な感覚を味わいながら散策が楽しめるため人気が高い観光スポットとなっている。

名 称明神池【みょうじんいけ】
所在地長野県松本市安曇上高地
Link明神池 – 上高地公式ウェブサイト

大正池

大正池【たいしょういけ】(標高1,500m)は、上高地にある堰止湖である。大正4年(1915年)に活火山の焼岳が噴火し、泥流によって梓川が堰き止められてできた湖沼である。

池にある立ち枯れの木々の景観は非常に珍しく、国の特別名勝特別天然記念物にも指定されている。

名 称大正池【たいしょういけ】
所在地長野県松本市安曇上高地
Link大正池 – 上高地公式ウェブサイト

田代池

田代池【たしろいけ】は、上高地内に位置し、大正池に隣接する堰止湖である。大正時代に焼岳の噴火により流れ出た溶岩が梓川左岸の支流・千丈沢をせき止めたことでできた浅い湖沼である。

周囲は霞沢岳の湧水により湿原になっている。水の透明度が高いため、湖面には北アルプスの山並みが映り、イワナなどの川魚も生息している。

名 称田代池【たしろいけ】
所在地長野県松本市
Link田代池・田代湿原 – 上高地公式ウェブサイト

焼岳

焼岳【やけだけ】(標高2,455m)は、北アルプス南部に位置する、長野県と岐阜県にまたがる活火山である。焼岳は隣接する白谷山、アカンダナ山(2,109m)、割谷山と共に焼岳火山群を構成する。

山頂付近には火口湖の正賀池を挟んで南側が南峰、東側に北峰、北側には爆裂火口がある。南峰は焼岳の最高点であるが、岩が崩れやすいため、立ち入り禁止になっている。


正賀池

正賀池【しょうがいけ】は、北アルプス南部に位置する焼岳(標高2455.5m)の山頂部にある火口湖である。

名 称正賀池
所在地長野県松本市安曇
Link正賀池(長野県松本) – 水辺遍路

乗鞍岳

乗鞍岳【のりくらだけ】(剣ヶ峰;標高3,026m)は、北アルプス南部に位置する、長野県松本市と岐阜県高山市にまたがる最高峰、剣ヶ峰を主峰とする山々の総称である。

個人的な感想かも知れないが、乗鞍岳は登っているときよりも遠くから眺めた方がその山容の美しさが際立つ。

乗鞍岳の麓に広がる乗鞍高原は、夏は避暑地として、冬はスキー場として賑わう。

山頂部の火口湖、権現池を取り囲む外輪山は、最高峰が剣ヶ峰のほか、朝日岳、摩利支天岳、富士見岳など23の峰々で構成される。

権現池が姿を現すのは、万年雪が融ける夏のわずかな時期だけであり、さらに天候が良くないと見ることができない。だから権現池を見ることができたということは幸運に恵まれたと言える。

山の天候は変わりやすい。ほんの少し前まで晴れていたものが、急変して一面がガス(濃霧)に覆われてしまう。

下界は晴れていても、山頂付近は雲に覆われることが多い。

乗鞍岳の登山道は基本的に瓦礫道であり、木々の木陰は期待できない。日差しや風が強いときは辛い登山となる。それでも登山道の端で見つけた高山植物は癒しとなる。


権現池・五ノ池

乗鞍岳の山頂部には、権現池五ノ池と呼ばれる火口湖以外にも多くの火口湖が存在し、全部で12の火口湖がある。

名 称権現池・五ノ池
所在地岐阜県高山市
Link乗鞍岳 権現池(岐阜県高山) – 水辺遍路
乗鞍 五ノ池(岐阜県高山) – 水辺遍路

あとがき

登山が好きな人、登山に興味がある人にとっては北アルプスの山々は魅力的であり、一度は登ってみたい山ばかりである。

私も登山に夢中になっていた頃には北アルプスの山に登山するときには登山前から鼓動の高鳴りを感じたものである。社会人になり、友人とのお互いのスケジュールが合いづらくなってからは、単独行での登山が続いた。しかし、長女を授かってからは単独行での登山はなくなり、比較的容易な登山を妻と楽しんでいる。


【参考資料】
北アルプス 槍・穂高連峰(山と渓谷社、2008.05.31発行)
北アルプス 剱・立山連峰(山と渓谷社、2008.05.31発行)
北アルプス 白馬・後立山連峰(山と渓谷社、2008.05.31発行)
白馬大池山荘について| 白馬岳だより(株)白馬館
風吹山荘 信州 小谷 – 風吹山荘公式HP
Information – 仙人池ヒュッテ
「仙人池ヒュッテ」北アルプスの山小屋完全ガイド
富山県/硯ヶ池
泥鰌池(富山県立山) – 水辺遍路
水辺遍路 ・多枝原池
刈込池(富山県富山) – 水辺遍路
立山新湯(富山県富山) – 水辺遍路
富山県/みくりが池
【公式】みくりが池温泉:アクセス
鷲羽池 -日本湖沼めぐり
双六池 -日本湖沼めぐり
徳本峠小屋公式ホームページ – 徳本峠小屋HP
鏡池 -日本湖沼めぐり
槍ヶ岳天狗池
明神池 – 上高地公式ウェブサイト
大正池 – 上高地公式ウェブサイト
田代池・田代湿原 – 上高地公式ウェブサイト
乗鞍岳 権現池(岐阜県高山) – 水辺遍路
乗鞍 五ノ池(岐阜県高山) – 水辺遍路