はじめに
建部大社【たけべたいしゃ】は、主祭神として次の二柱の神を祀っている神社で、滋賀県大津市神領に位置する。
- 日本武尊【やまとたけるのみこと】
- 武の神
- 景行天皇の御子
- 古事記や日本書紀に登場する英雄
- 大鳥神社(堺市)の主祭神
- 大己貴命【おおなむちのみこと】
- 別名、大国主命または大国主大神
- 国づくりの神・縁結びの神
- 出雲大社(出雲市)の主祭神
建部大社は、日本神話におけるスーパースターである2柱の神を祀る神社であると言える。
建部大社
建部大社【たけべたいしゃ】は、日本武尊【やまとたけるのみこと】と大己貴命【おおなむちのみこと】を主祭神として祀る神社で、近江国一之宮として崇敬されている。
建部大社の創建は、伝承によれば第12代景行天皇の46年(西暦116年)とされている。日本武尊の死後、彼の妃である布多遅比売命【ふたじひめのみこと】が、子の建部稲依別命【たけべいなよりわけのみこと】と共に日本武尊の御霊を祀ったのが始まりとされている。
その後、天武天皇4年(675年)に、現在の場所である瀬田に遷座されたという。
平安時代末期、源頼朝が平治の乱に敗れて伊豆国に流される途中、建部大社に立ち寄り、源氏の再興を祈願したと伝わる。その後、頼朝は見事に源氏再興を果たし、再び建部大社を訪れて多くの神宝と神領を寄進したらしい。この出来事から建部大社は出世開運の神としても信仰を集めるようになったと伝えられている。
建部大社の本殿や権殿、摂社や末社などの建築物は、日本古来の美しい建築様式で造られており、長い歴史を感じさせられる。
建部大社には、平安時代の作で日本武尊の妃といわれる木造女神像や、県内最古の石灯籠など、重要文化財が多く存在する。
また、境内には「頼朝公の出世水」と呼ばれる御神水がある。源頼朝が源氏再興を祈願した際に飲んだとされる水で、現在でも参拝者が飲むことができる。
毎年8月17日に行われる「船幸祭」は、大津三大祭の一つとして知られる。重さ1.5トンの大神輿を御座船に乗せて瀬田川を下る壮大な祭りであるらしい。
名 称 | 建部大社 |
所在地 | 滋賀県大津市神領1丁目16-1 |
TEL | 077-545-0038 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 建部大社 (takebetaisha.jp) |
あとがき
境内には「三本杉」と呼ばれるスギの御神木がある。この御神木の樹齢は約1300年と推定されており、樹高は約40mで、幹周りは約6mもある巨樹である。
この杉の御神木には、孝徳天皇の時代に大己貴命が権殿に祀られた際に一夜にして成長したという伝承が残されている。建部大社のシンボル的存在でもあるので、参拝した際には、是非、訪ねててみたいと思う。
【関連記事】
【古事記版日本神話】天地創造からヤマタノオロチ退治までの物語 |
【古事記版日本神話】大国主神の誕生から天孫ニニギの降臨までの物語 |
【古事記版日本神話】天孫ニニギとその御子・海幸彦と山幸彦の物語 |
【日本書紀版日本神話】天地創造からヤマタノオロチ退治までの物語 |
【日本書紀版日本神話】大国主神の登場から天孫ニニギ降臨までの物語 |
【日本書紀版日本神話】天孫ニニギとその御子・海幸彦と山幸彦の物語 |