はじめに
天照大御神【あまてらすおおみかみ】は、日本神話に登場する重要な女神で、太陽を司る神であり、彼女の光が世界を照らすとされている。また、日本神話では、高天原【たかまがはら】を統べる主宰神として描かれることが多い。
天照大御神は、伊邪那岐命【いざなぎのみこと】(=イザナギ)が黄泉の国から帰還した際に穢れを祓うために行った禊で生まれた神様である。
天照大御神にまつわる神話としては、特に、天の岩戸神話が有名である。実は、天照大御神は、太陽神としての側面だけでなく、農業や機織りの神としても信仰されており、日本の文化や信仰に深く根付いている(伊勢信仰)。天照大御神を祀る神明社は、全国に約5400社もあるという。これら数多の神明社の総本社が伊勢神宮なのである。
天照大御神は、日本の皇室の祖神とされ、伊勢神宮の内宮に祀られている。
伊勢神宮
伊勢神宮【いせじんぐう】は、三重県伊勢市にある日本で最も重要な神社の一つとされている。正式名称は「神宮」であり、他の神宮と区別するために「伊勢神宮」と一般的には呼ばれている。
伊勢神宮は、内宮【ないくう】(皇大神宮)と外宮【げくう】(豊受大神宮)の二つの主要な宮殿から成り立っている。内宮は、天照大御神を祀り、皇室との結びつきも非常に強い。一方、外宮は豊受大御神【とようけのおおみかみ】を祀っている。
伊勢神宮は、2000年以上の歴史を持ち、20年に一度行われる神宮式年遷宮【しきねんせんぐう】という大規模な祭事があり、わが国で最も重要な祭事の一つとなっている。
驚くべきことに、伊勢神宮では年間に1500回以上の祭典が行われており、日本の安寧を祈る場所として重要視されている。
伊勢神宮に参拝する際は、外宮から内宮の順にお参りするのが古くからの習わしである。
内宮(皇大神宮)めぐり
伊勢神宮には何度か参拝させて頂いているが、内宮(皇大神宮)しかお参りしていないことに気付いた。
外宮(豊受大神宮)を参拝した後に内宮を参拝するのが正しい参拝の順序であるという。次回の参拝からは気をつけたいと思う。
ただし、伊勢神宮は広大であり、外宮と内宮の距離は約5.5 kmもある。徒歩でいくには、正直、躊躇する距離でもある。
宮社 | 神社名 | 主祭神 |
---|---|---|
摂社 | 津長【つなが】神社 | 栖長比賣命 |
末社 | 新川【にいかわ】神社 | 新川比賣命 |
末社 | 石井【いわい】神社 | 高水上命 |
所管社 | 饗土橋姫【あえどはしひめ】神社 | 宇治橋鎮守神 |
摂社 | 大水【おおみず】神社 | 大山祇御祖命 |
末社 | 川相【かわあい】神社 | 細川水神 |
末社 | 熊淵【くまぶち】神社 | 多支大刀自神 |
所管社 | 子安【こやす】神社 | 木華開耶姫命 |
所管社 | 大山祇【おおやまつみ】神社 | 大山祇神 |
所管社 | 瀧祭神【たきまつりのかみ】 | 瀧祭大神 |
別宮 | 風日祈宮【かざひのみのみや】 | 級長津彦命、 級長戸辺命 |
所管社 | 四至神【みやのめぐりのかみ】 | 四至神 |
御正宮 | 皇大神宮【こうたいじんぐう】 | 天照大御神 |
所管社 | 興玉神【おきたまのかみ】 | 興玉神 |
所管社 | 宮比神【みやびのかみ】 | 宮比神 |
所管社 | 屋乃波比伎神【やのはひきのかみ】 | 屋乃波比伎神 |
所管社 | 御稲御倉【みしねのみくら】 | 御稲御倉神 |
別宮 | 荒祭宮【あらまつりのみや】 | 天照大御神荒御魂 |
所管社 | 由貴御倉【ゆきのみくら】 | 由貴御倉神 |
所管社 | 御酒殿神【みさかどののかみ】 | 御酒殿神 |
名 称 | 伊勢神宮・内宮 |
所在地 | 三重県伊勢市宇治館町1 |
駐車場 | あり(無料)2時間まで |
Link | 皇大神宮(内宮)|神宮について|伊勢神宮 |
外宮(豊受大神宮)めぐり
私は、外宮に参拝した経験が実は一度もない。次回は、是非、外宮を参拝してから内宮を参拝することにしようと思う。
宮社 | 神社名 | 主祭神 |
---|---|---|
摂社 | 宇須乃野【うすのの】神社 | 宇須乃女命 |
末社 | 縣【あがた】神社 | 縣神 |
別宮 | 月夜見宮【つきよみのみや】 | 月夜見尊、 月夜見尊荒御魂 |
摂社 | 高河原【たかがわら】神社 | 月夜見尊御魂 |
摂社 | 度会国御【わたらいくにみ】神社 | 彦國見賀岐建與束命 |
末社 | 大津【おおつ】神社 | 葦原神 |
所管社 | 上御井【かみのみいの】神社 | 上御井鎮守神 |
所管社 | 御酒殿【みさかどの】 | 御酒殿神 |
所管社 | 四至神【みやのめぐりの】 | 四至神 |
御正宮 | 豊受大【とようけだい】神宮 | 豊受大御神 |
別宮 | 多賀宮【たかのみや】 | 豊受大御神 荒御魂 |
所管社 | 下御井【しものみいの】神社 | 下御井鎮守神 |
別宮 | 土宮【つちのみや】 | 大土乃御祖神 |
別宮 | 風宮【かぜのみや】 | 級長津彦命、 級長戸辺命 |
摂社 | 度会大国玉比賣【わたらいおおくにたまひめ】神社 | 大国玉命、 弥豆佐佐良比賣命 |
末社 | 伊我理【いがり】神社 | 伊我利比女命 |
末社 | 井中【いなか】神社 | 井中神 |
摂社 | 山末【やまずえ】神社 | 大山津姫命 |
摂社 | 田上大水【たのえおおみず】神社 | 小事神主 |
摂社 | 田上大水御前【たのえおおみずみまえ】神社 | 宮子 |
名 称 | 伊勢神宮・外宮 |
所在地 | 三重県伊勢市豊川町279 |
駐車場 | あり(無料)2時間まで |
Link | 豊受大神宮(外宮)|神宮について|伊勢神宮 |
あとがき
伊勢神宮は、神社本庁の本宗であり、全神社の上に位置する神社として社格の対象外とされてきた神社である。また、重要な宮中祭祀である四方拝において天皇に遥拝される筆頭の神社である。
伊勢神宮の構成は、下記の計125の宮社から成り立っている。
- 内宮(皇大神宮)
- 外宮(豊受大神宮)
- 14所の別宮【べつぐう】
- 43所の摂社【せっしゃ】
- 24所の末社【まっしゃ】
- 42所の所管社【しょかんしゃ】
内宮と外宮は、御正宮【ごしょうぐう】と呼ぶ。
別宮は、御正宮に次ぐ格の高いお宮であり、合計14ヶ所ある。別宮の内、9ヶ所は伊勢市内あるいは市外の域外に鎮座している域外別宮である。域外別宮のうち、天照大御神を祀る瀧原宮、瀧原並宮、伊雑宮は、さらに別格扱いである。
宮社 | 神社名 | 主祭神 |
---|---|---|
内宮別宮 | ⽉読宮【つきよみのみや】 | ⽉読尊 |
内宮別宮 | ⽉読荒御魂【つきよみあらみたま】宮 | ⽉読尊荒御魂 |
内宮別宮 | 伊佐奈岐宮【いざなぎのみや】 | 伊弉諾尊 |
内宮別宮 | 伊佐奈弥宮【いざなみのみや】 | 伊弉冉尊 |
内宮別宮 | 瀧原宮【たきはらのみや】 | 天照大御神御魂 |
内宮別宮 | 瀧原並宮【たきはらならびのみや】 | 天照大御神御魂 |
内宮別宮 | 伊雑宮【いざわのみや】 | 天照大御神御魂 |
内宮別宮 | 倭姫宮【やまとひめのみや】 | 倭姫命 |
外宮別宮 | ⽉夜⾒宮【つきよみのみや】 | 月夜見尊 |
伊勢信仰は、伊勢神宮に対する主として庶民の信仰をいう。祭神の天照大御神が皇室の祖神とされているため、農耕儀礼と密接に結びつき、信仰を広く集めてきた。そのため神明社【しんめいしゃ】と呼ばれる神社は、全国に約5400社もあるという。
神明社とは、伊勢神宮を総本社とし、天照大御神を祀る神社のことを指す。神明神社、皇大神社、天祖神社などとも称されることがある。通称として「お伊勢さん」と呼ばれることもある。
ところで、「お伊勢詣り」で忘れてならないのが、内宮の宇治橋から徒歩5分程度の場所に「おかげ横丁」への立ち寄りである。おかげ横丁は50余りのお店が軒を連ねる街並みで、自由に散策できる。
伊勢路の風景にぴったりの建物が立ち並び、伊勢地方の特産品や伊勢まいりの土産を買うことができる。食べ歩きを楽しんでいる若者も多い。
名 称 | おかげ横丁 |
所在地 | 三重県伊勢市宇治中切町52 |
駐車場 | 有(市営宇治駐車場) |
Link | おはらい町・おかげ横丁 | 伊勢市観光協会 |
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