カテゴリー
ウェルネスツーリズム 神社仏閣

千本鳥居の先の朱の社:伏見稲荷大社で出会う宇迦之御魂神

はじめに

伏見稲荷大社【ふしみいなりたいしゃ】は、主祭神として下記の五柱の神々を祀る神社で、京都市伏見区に位置する。

  • 宇迦之御魂大神【うかのみたまのおおかみ】
    • 須佐之男命と神大市比売【かむおおいちひめ】の子
    • 穀物の神、食物の神
    • 稲荷神(食物の神、特に稲作に関する神)
    • 稲荷神が狐に乗って現れるという伝説あり
    • 狐は稲荷神の使いとされる
  • 佐田彦大神【さたひこのおおかみ】
    • 農業の神、土地の神
    • 農業や土地の守護神
    • 土地の豊穣をもたらす神
  • 大宮能売大神【おおみやのめのおおかみ】
    • 宮殿の神、家の守護神
    • 宮殿や家の守護神
    • 女神
    • 家内安全や家庭の繁栄をもたらす神
    • 家庭の守護神
  • 田中大神【たなかのおおかみ】
    • 田畑の神、農業の神
    • 田畑や農業の守護神
    • 農作物の豊穣をもたらす神
  • 四大神【しのおおかみ】
    • 四方の守護神
    • 東西南北の四方を守護する神々
    • 地域全体の安全と繁栄をもたらす神々

これらの神々は、伏見稲荷大社の本殿に祀られており、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全などのご利益をもたらすとされる。

宇迦之御魂大神は、稲荷神として全国の稲荷神社で広く信仰されており、最も有名な神様と言えるかも知れない。狐は、稲荷神の使いとして知られている。かつて、稲荷神社は狐の神様だと思っていた自分が恥ずかしい。

目次
はじめに
伏見稲荷大社
あとがき

伏見稲荷大社

伏見稲荷大社【ふしみいなりたいしゃ】は、全国に約3万社あるといわれる稲荷神社の総本社であり、稲荷信仰の中核として、商売繁盛や五穀豊穣の神として広く信仰されている。

伏見稲荷大社の創建は、和銅年間(708年~715年)とされており、初めは農耕の神として祀られ、のちに商売繁盛や家内安全などの守護神としても信仰されるようになったという。現在の伏見稲荷大社は、五穀豊穣、商売繁盛、家内安全、諸願成就の神として広く信仰されている。

伏見稲荷大社のシンボルともいえる「千本鳥居」は、参道にずらりと並ぶ赤い鳥居のトンネルである。この鳥居は、願いが叶ったお礼として奉納されるもので、現在では1万基以上の鳥居が立ち並んでいるという。この赤い鳥居が連なる光景は非常に美しく、この千本鳥居を見るために多くの観光客が訪れる。

伏見稲荷大社の楼門は、豊臣秀吉によって建立されたもので、重要文化財に指定されている。また、本殿も室町時代に再建されたもので、その美しい装飾が見どころである。

伏見稲荷大社の境内は、稲荷山全体を神域としており、山頂までの「お山めぐり」も人気である。約4kmのハイキングコースを2~3時間かけて巡ることで、自然の美しさと神聖な雰囲気を楽しむことができるはずである。本殿は稲荷山の麓に位置する。

奥社奉拝所にある「おもかる石」は、自分の願いが叶うかどうかを試すことができる石灯篭である。願い事を念じて石灯篭の頭を持ち上げ、その重さが予想より軽ければ願いが叶い、重ければ叶い難いとされている。不安があるが、トライしてみよう!

稲荷神社のもう一つのシンボルはキツネの石像(狛狐)である。境内の至る所にある狛狐は、稲荷神の使いとされている。伏見稲荷大社の狛狐は、稲穂、巻物、鍵、玉などを様々な種類のものを口にくわえている。それぞれが五穀豊穣や知恵、守護を象徴している。そんな狛狐を探しながらゆっくりと参拝するのも楽しいかも知れない。

名 称伏見稲荷大社
所在地京都市伏見区深草藪之内町68
TEL075-641-7331
駐車場あり(無料)
Link伏見稲荷大社

あとがき

伏見稲荷大社では、稲荷山に生えているスギ(杉)の樹木全てが御神木とされ、験の杉【しるしのすぎ】と呼ばれている。

これらの御神木は、樹齢が約400年と推察されており、樹高が約30mで、幹周りが約6mもあるスギの大木ばかりある。

これら多くの御神木は、稲荷大神が稲荷山に降臨した際の神威を象徴するものとされている。伏見稲荷大社を参拝した際には、これらの御神木たちにも是非、会いたいと思う。


【関連記事】
日本神話の扉をひらく古社:天祖神社が語るはじまりの物語
日本神話のはじまりを辿る旅:大元神社で感じる神々の気配
天津神が住む高天原への入り口へ:神話が息づく高天彦神社で出会う古代の記憶
神話「国産み」の舞台へ:自凝神社で辿る日本列島の始まり
イザナギとイザナミが降り立った聖地:自凝島神社でたどる日本列島のはじまり
国産み・神産みの二神を祀る伊弉諾神宮で感じる神話の源流
宗像三女神が守る航海の聖地:宗像大社に息づく神話の記憶
蘇りの聖地へ:神話が息づく熊野本宮大社で知る再生の物語
神々が降り立つ祈りの地:熊野速玉大社で辿る神話の始まり
那智瀧に導かれて:熊野那智大社で出会う自然崇拝の世界
苔むす石灯籠と異界の参道に神の気配:上色見熊野座神社で出会う神話の世界
雷神と笛吹の伝説が響く社:葛木坐火雷神社(笛吹神社)で出会う神話の世界
賀茂氏の神話にふれられる社:高鴨神社でたどる祖神の記憶
賀茂の氏神に出会う京都の杜:上賀茂・下鴨神社でたどる玉依姫命の神話と伝説
賀茂一族の源流を訪ねて:鴨都波神社でたどる神話の記憶
天岩戸神話の舞台:天岩戸神社で出会う神話の核心と伝承
天照大御神を祀る神宮へ:伊勢神宮が導く神話と信仰の世界
神話の剣が祀られる聖地へ:熱田神宮で辿る草薙神剣の伝説
光と闇を司る神々の社:日御碕神社で辿る神話と伝説の風景
八岐大蛇退治のその後へ:須我神社で始まる神話の新たな章
櫛名田比売命と須佐之男命の恋の舞台:八重垣神社の由緒
須佐之男命の御魂が鎮まる社:須佐神社でたどる神話の終章
厄除けと再生の神を祀る社:八坂神社の神話と信仰の歴史
素戔嗚尊を祀るもうひとつの聖地:出雲大社・素鵞社の神秘
神話「因幡の白兎」が導くご縁の社:白兎神社の神秘と伝承
神々が集う神話の聖地へ:出雲大社で辿る“縁”と神話の核心
神話と美の力が宿る社:玉作湯神社で出会う“願い石”の神秘
本殿なき神の社へ:大神神社が語る古代神話と祈りのかたち
海の神に出会う神話の社:美保神社でたどる恵比寿様の物語
布都御魂剣に宿る神威:石上神宮で辿る武の神の神話と伝説
白鹿に導かれし四柱の神々の社:春日大社が語る神話と信仰
天孫降臨の聖地へ:高千穂神社がつむぐ神話と信仰の物語
海に浮かぶ神域:青島神社がつむぐ山幸彦と豊玉姫の物語
神話の海幸彦を祀る山の社:潮嶽神社が語る兄弟神話の真実
神話の誕生譚が息づく洞窟の社:鵜戸神宮でたどる命の物語
神代と現世をつなぐ社:宝満宮竈門神社で紡ぐ玉依姫の物語
八幡信仰のはじまりへ:宇佐神宮が紡ぐ神話と歴史の交差点
武神が鎮まる東国の聖地:鹿島神宮で辿る武甕槌大神の神話
国譲り神話で活躍の神:香取神宮で出会う経津主大神の物語
神話の敗者が祀られる社:諏訪大社で辿る建御名方神の物語
神道祭祀のはじまりへ:枚岡神社がつむぐ天児屋根命の物語
天岩戸神話の舞台裏へ:天太玉命神社が語る神事と創造の力
神戸のまちに息づく神話:事代主神を祀る長田神社の魅力
山と海をつなぐ神話の社:三嶋大社で辿る信仰と再興の物語
山と海と戦の神を祀る聖地へ:大山祇神社で辿る信仰の源流
酒と命をつかさどる神々の社:梅宮大社で出会う神話の恵み
霊峰を仰ぐ神話の聖地:富士山本宮浅間大社で出会う木花咲耶姫の祈りのかたち
霊峰登拝の玄関口:北口本宮冨士浅間神社でつむぐ木花咲耶姫の神話と富士信仰
海の神を祀る浪速の古社:住吉大社でたどる住吉三神の神話
道をひらく神に出会う社:椿大神社が紡ぐ猿田彦大神の神話
伊勢に鎮まる道開きの神:猿田彦神社がつむぐ神話と導き
酒と水の神を祀る京都の古社:松尾大社が紡ぐ水と命の神話
伊邪那岐・伊邪那美を祀る聖地:多賀大社で辿る神話の源流
スサノオを祀る出雲国一宮:熊野大社がつむぐ神話の鼓動
神話の英雄を祀る武蔵国総鎮守:氷川神社が導く信仰の継承
近江国一宮に宿る英雄神:建部大社がつむぐ日本武尊の物語
天孫降臨の舞台へ:霧島神宮がつむぐ天界と地上を結ぶ物語
日本建国の地に鎮まる神宮:橿原神宮が紡ぐ神武天皇の神話
“京の伊勢”と呼ばれる社:日向大神宮が紡ぐ天照大神の神話
武運と国家の守護神を祀る社:石清水八幡宮が紡ぐ応神天皇の神話と八幡神信仰
【古事記版日本神話】天地創造からヤマタノオロチ退治までの物語
【古事記版日本神話】大国主神の誕生から天孫ニニギの降臨までの物語
【古事記版日本神話】天孫ニニギとその御子・海幸彦と山幸彦の物語
【日本書紀版日本神話】天地創造からヤマタノオロチ退治までの物語
【日本書紀版日本神話】大国主神の登場から天孫ニニギ降臨までの物語
【日本書紀版日本神話】天孫ニニギとその御子・海幸彦と山幸彦の物語