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山と海をつなぐ神話の社:三嶋大社で辿る信仰と再興の物語

はじめに

三嶋大社【みしまたいしゃ】は、主祭神として大山祇神【おおやまつみのかみ】と積羽八重事代主神【つみはやえことしろぬしのかみ】の二柱を祀る神社で、静岡県三島市に位置する。

大山祇神は、日本神話に登場する山の神で、山の神々の総元締めとされている。この神様は、天照大御神の兄であり、木花咲耶姫【このはなさくやひめ】(富士山本宮浅間大社の主祭神)の父としても知られている。大山祇神は、大山祇神社(今治市)でも主祭神として祀られている。

積羽八重事代主神(=事代主神)は、大国主大神(出雲大社の主祭神)の子であり、「国譲り」の神話において重要な役割を果たした神様として知られる。武甕槌大神【たけみかづちのおおかみ】(鹿島神宮の主祭神)が大国主大神に国譲りを迫った際、事代主神はこれを承諾し、国譲りが実現したとされる。事代主神は美保神社(松江市)や長田神社(神戸市)でも主祭神として祀られている。

大山祇命と積羽八重事代主神の間には、直接的な血縁関係はないが、大山祇命は「山の神」として、積羽八重事代主神は「漁業や商業の神」として信仰されており、それぞれの役割が異なるため、共に祀られることで多様なご利益をもたらすと考えられている。

目次
はじめに
三嶋大社
あとがき

三嶋大社

三嶋大社【みしまたいしゃ】は、伊豆国一之宮として知られ、主祭神として次の二柱を祀る神社である。

  • 大山祇命【おおやまつみのみこと】
  • 積羽八重事代主神【つみはやえことしろぬしのかみ】

三嶋大社の創建時期は不明であるが、奈良・平安時代の書物にその名が記載されていることから、非常に古い歴史を持つ神社であるとされている。地名の「三島」はこの三嶋神社の「三嶋」に由来すると言われている。源頼朝が源氏再興を祈願し、それが叶ったことでも有名な神社である。

本殿は、国の重要文化財に指定されている。その壮大な建築は一見の価値があると言われている。1866年に再建された本殿は、拝殿・幣殿・本殿の三つの建物が連なる複合社殿で、その彫刻や装飾は非常に精緻である。

境内には宝物殿もあり、北条政子が奉納したとされる国宝「梅蒔絵手箱」などの文化財を見ることができる。そのほか、国の重要文化財に指定されている「太刀・銘宗忠」や「脇差・銘相模国住秋義」なども展示されている。

境内には「神池」と呼ばれる池があり、その中には厳島神社が鎮座している。神池は源頼朝が放生会を行った場所としても知られている。

三嶋大社は、商売繁盛、五穀豊穣、家内安全、交通安全などのご利益で知られており、その歴史と伝統から多くの参拝者に信仰されている。

三嶋大社では、年間を通じて多くの祭事が行われている。特に8月16日から17日にかけて行われる「流鏑馬神事」や、1月の「お田打ち神事」などが有名である。

名 称三嶋大社
所在地静岡県三島市大宮町2丁目1-5
TEL055-975-0172
駐車場あり(有料)
Link三嶋大社

あとがき

三嶋大社には非常に珍しい御神木がある。それは、キンモクセイ(金木犀)の御神木である。キンモクセイ(金木犀)が御神木になっているケースは全国的にみても非常に珍しいと言える。

この御神木(金木犀)の樹齢は、1,200年以上と推定されており、国の天然記念物に指定されている。この御神木は、本殿の近くで生育しており、非常に長い年月にわたって三嶋大社を見守ってきたということである。

このキンモクセイは、満開の時期(毎年9月上旬頃と下旬頃の二度)には2里(約8km)先までその香りが届くと伝承されている。これが真実かどうかは不明であるが、非常に興味深い。満開の季節に是非、参拝して確認したいものである。

三嶋大社には、キンモクセイ以外にも御神木が存在する。それはクスノキの巨樹である。この御神木は、樹齢が300年以上と推定され、樹高が約16m、幹周りが約7.1mもある大楠である。このクスノキの巨樹は、三嶋大社の総門の南側、神池の脇に立っており、根元には祠もある。

これらの御神木があるだけでも、私は三嶋大社をすぐに参拝したい気持ちを抑えられない。できることならキンモクセイの開花時期に参拝したいので、旅プランは慎重に計画したい。


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