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山と海と戦の神を祀る聖地へ:大山祇神社で辿る信仰の源流

はじめに

大山祇神社【おおやまつみじんじゃ】は、大山祇大神【おおやまつみのおおかみ】を主祭神として祀る神社で、愛媛県今治市大三島に位置する。

大山祇大神は、山の神、海の神、戦いの神として崇敬されており、歴代の朝廷や武将からも尊崇を集めてきたという。

大山祇大神は、伊邪那岐命(イナナギ)と伊邪那美命(イナナミ)による「神産み」から生まれた神で、「山の神」として知られる。山々を管理し、守護する役割を担っている。

また、大山祇大神は、須佐之男命(スサノオ)の妻である櫛名田比売【くしなだひめ】の祖父に当たる神様でもある。スサノオがヤマタノオロチを退治する神話に、櫛名田比売の父、足名椎【アシナヅチ】がスサノオに事情を話す段でその名が登場する。

天孫降臨した瓊瓊杵尊【ににぎのみこと】が見初めた娘(女神)は木花之佐久夜毘売【このはなのさくやびめ】(富士山本宮浅間大社の主祭神)であるが、この女神の父が大山祇大神である。

瓊瓊杵尊と木花之佐久夜毘売は結婚し、彼らの子孫が日本の皇室の祖先とされている。

また、大山祇大神は、「酒造の神」である酒解神【さかとけのかみ】としても信仰され、娘である木花之佐久夜毘売も酒解子神【さかとけのこがみ】」として知られている。このため、この二神は、「酒造守護の神社」としても知られる梅宮大社(京都市)の主祭神として祀られている。

目次
はじめに
大山祇神社
あとがき

大山祇神社

大山祇神社【おおやまづみじんじゃ】は、主祭神として大山祇大神【おおやまつみのおおかみ】を祀っている神社で、全国にある山祇神社(大山祇神社)の総本社である。

大山祇神社の創建は、推古天皇2年(594年)であると伝わっている。大山祇神社の神殿は、歴史的な価値が高く、建築様式も特徴的である。

本殿は、三間社流造【さんげんしゃながれづくり】で、屋根は檜皮葺き【ひわだぶき】である。室町初期(1427年)に再建された神殿であり、国の重要文化財に指定されている。

拝殿は、切妻造り【きりづまづくり】で、屋根は檜皮葺きである。唐破風付き向拝【からはふつきこうはい】が特徴的である。本殿と同様に、室町初期に再建された神殿で、国の重要文化財に指定されている。

境内には上津社【かみつやしろ】と下津社【しもつやしろ】と呼ばれる二つの摂社がある。

上津社には大雷神【おおいかづちのかみ】とその妻の女神が祀られている。この神殿は、三間社流造り、檜皮葺きで、室町初期に再建されたもので、愛媛県指定の重要文化財である。

一方、下津社には高靇神【たかおかみのかみ】とその妻の女神が祀られている。こちらの神殿は、三間社流造り、檜皮葺きで、江戸初期に再建されたという。

これらの摂社は、大山祇神社の本殿とともに信仰の対象となっており、参拝者に神聖な雰囲気を提供している。上津社と下津社はそれぞれ異なる神々を祀っているため、異なるご利益があるとされている。

また、十七神社と呼ばれる末社群は、境内に点在する小さな神社群で、それぞれに異なる神々が祀られている。

奥の院は、静かな森の中にあり、神秘的な雰囲気が漂う。

宝物館には国宝や重要文化財に指定された武具類が多く展示されている。特に鎧や甲冑が豊富である。

大山祇神社は、瀬戸内海国立公園の指定区域内に位置し、美しい自然環境に囲まれている神社である。

名 称大山祇神社
所在地今治市大三島町宮浦3327
TEL0897-82-0032
参拝時間毎日 8:30 – 17:00
アクセスしまなみ海道・
大三島ICから車で約10分
駐車場あり(無料)
Link大山祇神社 今治市大三島町

あとがき

境内には「大山祇神社のクスノキ群」と呼ばれる推定樹齢が数百年から千年以上のクスノキの巨樹が何本も生育しており、国の天然記念物に指定されている。

なかでも生樹の御門【いききのごもん】と呼ばれるクスノキの御神木は一見の価値がある。この大楠は、樹齢が約3,000年と推定されており、樹高は約40m、幹周りは約6mもある。この大楠は、幹が自然に門のような形になっているのが特徴である。パワースポットとして有名で、不老長寿のご利益があるとされる。

境内には樹齢が約3,000年と推定されていた大楠がもう一本ある。それは、「能因法師雨乞いのクス」と呼ばれるクスノキの御神木である。かつて、この大楠は幹周りが約17mもあった巨樹で、平安時代の歌人でもある能因法師が雨乞いを行った際に使用したとの伝承が残されている。残念ながら、現在は枯死しており、一部が残っている状態である。現在の姿は、樹高約10mで、幹周りは約10mほどで変わり果てている。それでも、国の天然記念物「大山祇神社のクスノキ群」の一部として指定されている。

さらにもう一本、乎千命小千命御手植の楠【おちのみことおてうえのくす】という名の御神木がある。このクスノキは、大山祇大神の子孫である乎千命(小千命)【おちのみこと】が植えたという伝承が残されている。この大楠は、樹齢が約2,600年と推定されており、樹高は約30m、幹周りは約6mもある。

これらの御神木があると聞いただけでも、私はすぐに大山祇神社に参拝したい気持ちを抑えられない。是非、これらの御神木をはじめ、国の天然記念物の「大山祇神社のクスノキ群」を観てみたい。そして、神聖な雰囲気を感じ取りたい。


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