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【伊賀の国】大イチョウの黄葉が綺麗な「植木神社」

はじめに

伊賀の国」は、かつての日本の地方行政区分で、現在の三重県西部、上野盆地一帯に該当する令制国の一つであり、東海道に属していた。「伊賀」は、現在でも三重県の伊賀地方を指す呼称として使われており、伊賀市と名張市を中心に構成されている。伊賀は、伊賀流忍者の発祥地として知られ、伊賀焼(陶器・炻器)や伊賀組紐の産地としても有名である。

秋の紅葉と言えば、文字通りにモミジの紅葉をイメージしてしまうことが多いが、銀杏(イチョウ)の黄葉も秋の風物詩であることに間違いはない。大イチョウの葉が黄葉している様は絵になるし、そのイチョウの落葉して地面に敷き詰められ、まるで黄色の絨毯のようになった様も見事というしかない。

そのような黄葉したイチョウの写真が撮りたくなり、「伊賀の国」でイチョウの大木がある場所を探したところ、幸いにも三か所も見つけることができた。そのうちの一つが、本稿で紹介する植木神社である。

目次
はじめに
植木神社
あとがき

植木神社

植木神社は、三重県伊賀市平田に位置する神社で、主祭神として健速須佐之男命【タケハヤスサノオノミコト】、すなわちスサノオ(素戔嗚尊)と、櫛名田比売【クシナダヒメ】を祀っている。

植木神社鳥居

この二柱は、日本神話のヤマタノオロチ退治に登場する神さまである。スサノオがヤマタノオロチを退治して櫛名田比売の命を救ったのがきっかけで夫婦となっている。

植木神社境内

植木神社の創建は、伝承によれば、寛弘元年(1004年)に、出雲国意宇郡日御碕の住人桃木某の三男・政守が夢でお告げを受けて、播磨国広峰山から牛頭天王【ごずてんのう】(=スサノオ)を勧請し、王手村清水谷の鳥坂神社の相殿に祀ったが、文永二年(1263年)の洪水で流出したため当地へ遷座して植木牛頭天王と称したのが始まりとされる。

植木神社拝殿

植木神社の拝殿前の左右にはヒノキ科 ヒノキ属の針葉樹である【サワラ】(推定樹齢450年)と銀杏【イチョウ】(推定樹齢200年)の巨樹が生育しており、見事である。

植木神社【サワラ】(樹齢450年)と銀杏【イチョウ】(樹齢200年)の巨樹

毎年7月の最終土日に行われる祇園祭は、宵宮祭と本祭りの2つからなる祭りで、神輿を大胆に傾ける「くねり神輿」と豪華絢爛な「だんじり」が有名であり、三重県の無形民俗文化財にも指定されている。

植木神社大イチョウ(推定樹齢200年)

祇園祭の起源には諸説あって、そのうちの一つが、その昔、この地に疫病が流行った時にスサノオが現れて、薬として牡丹を授けたことが始まりとも言われている。そのため、祇園花の朱い縁取りの花はを、白い花は牡丹と表しているとされる。

植木神社秋の風景

現在の植木神社には、明治以降に周辺の多くの神社の御祭神が合祀されている。

植木神社は、初めての場合、案内板が全くないので見つけにくい場所に鎮座しているが、近くに大山田せせらぎ公園があるので、その付近を目指して行くと必ず到着できるはずである。

名 称植木神社
所在地三重県伊賀市平田699
電 話0595-47-0431
駐車場あり(無料)
Link植木神社

あとがき

イチョウ(銀杏)は、落葉性の高木樹で、秋になる黄葉して実に美しい。大木に育つため神社や寺院の境内で御神木になっている場合もある。また丈夫な樹木であるため街路樹として植栽されている場合もある。

だからイチョウが「生きている化石」として国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されていると知ったときには率直に驚いたものである。

植木神社の境内には樹齢約200年と推定される大イチョウが御神木になっている。この大イチョウが黄葉するととても綺麗である。また、落葉しても境内が黄色の絨毯が敷かれたようになり見事である。


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