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御神体の松尾山と多数の神像で知られる「松尾大社」

はじめに

京都の神社仏閣は国際的にも有名であり、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産として17か所が登録されている。世界文化遺産に登録されていない寺社にも素晴らしい景勝地があり、むしろそちらの方が多いくらいだ。松尾大社【まつのおたいしゃ】もその一つである。

松尾大社の境内マップ

松尾大社は、京都市西京区嵐山宮町の松尾山の麓に位置する神社である。平安時代には朝廷の祈願所であったとされる。

目次
はじめに
松尾大社
あとがき

松尾大社

松尾大社【まつのおたいしゃ】は、京都市西京区嵐山宮町にある神社で、大山咋神【おおやまぐいのかみ】と中津島姫命【なかつしまひめのみこと】 (別名:市杵島姫命【いちきしまひめのみこと】)の2柱の神様を祀っている。

大山咋神【おおやまぐいのかみ】は、大年神と天知迦流美豆比売【あめのかるみずひめ】の間の子であるとされ、日吉大社(滋賀県大津市)の主祭神と同じくする神である。中津島姫命【なかつしまひめのみこと】は、宗像大社(福岡県宗像市)で祀られる宗像三女神の市杵島姫命の別名とされる。

松尾大社は、元来は松尾山(標高223m)に残る磐座での祭祀に始まるとされ、701年に文武天皇の勅命を賜わった秦忌寸都理【はたのいみきとり】が勧請して社殿を設けたといわれる。

平安京遷都後は東の賀茂神社(賀茂別雷神社・賀茂御祖神社)と並び称され、西の王城鎮護社に位置づけられた。中世以降は酒の神としても信仰され、現在も醸造家からの信仰が篤い神社となっている。

松尾大社は、御神体の松尾山の麓に位置する。本殿は室町時代の造営で、全国でも珍しい両流造であり、国の重要文化財に指定されている。

松尾大社は、多くの神像を有することでも知られ、男神像2躯・女神像1躯の計3躯が国の重要文化財に、他の16躯が京都府の有形文化財に指定されている。松尾大社の神使は、亀と鯉である。

名 称松尾大社
所在地京都市西京区嵐山宮町3
TEL075-871-5016
Link松尾大社 – MATSUNOO TAISHA

あとがき

松尾大社を建立した秦氏が酒造りの技術にも優れていたらしく、「酒造りの神様」としても知られている。霊泉「亀の井」の水をお酒に混ぜると腐らないといわれており、酒造家が持ち帰る風習も残っているという。

また、「延命長寿の水」あるいは「蘇りの水」とも言われ、この水を求めて早朝から汲みに来る参拝者もいるという。

松尾大社の「一の鳥居」から「二の鳥居」までの参道や境内にはソメイヨシノやヤマザクラなどの桜の木が植えられており、桜の名所にもなっている。毎年4月に開催される「松尾大社桜まつり」には多くの参拝客や観光客が訪れるという。

桜と言えば、松尾大社には秋に開花する十月桜【じゅうがつざくら】という珍しいサクラも「二の鳥居」前に植栽されているという。また、希少なグリーンの御衣黄桜【ぎょいこうざくら】も1本植栽されているらしい。私も是非、これらの珍しいサクラを見てみたいと思っている。


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