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現存天守に残る平山城郭と堀川と武家の記憶:国宝・松江城で出会う風景と歴史

はじめに

松江城【まつえじょう】は、島根県松江市にある歴史的な城で、別名「千鳥城」とも呼ばれている。

松江城は1607年に堀尾忠氏によって築かれ、1611年に完成した平山城である。堀尾氏の後、京極氏、そして松平氏が城主となっている。

明治7年(1874年)の廃城令により松江城は廃城となり、多くの建物が取り壊されたが、天守は地元の有志によって保存された。そのため幸いなことに現存12天守の一つとして松江城の天守は現在も残されている。

1935年に国宝に指定され、2015年には再び国宝に指定されている。松江城は現在もその美しい姿を保ち、多くの観光客を魅了している。

目次
はじめに
松江城
あとがき

松江城

松江城は、全国に12城しか残っていない現存天守の1つである。
その中でも、慶長16年(1611年)完成の松江城の天守は、高さ約30mの四層五階建て(地下1階)の望楼型天守と呼ばれる木造建築で、その美しい外観と防御設備が特徴である。近世城郭最盛期を代表する天守として国宝に指定されている。

松江城天守

松江城の天守の屋根が、千鳥が羽を広げたような美しい曲線をもつことから、別名「千鳥城」とも呼ばれている。松江城は、山陰地方で唯一の現存天守を持つ城である。2015年に松江城天守の完成年を示す「祈祷札」が再発見されたことにより、松江城天守が国宝に指定されることになったと言われている。

松江城天守【しゃちほこ】 日本ーと鯱とも言われている

松江城の石垣は、築城時に有名な石積み職人によって築かれたもので、崩れにくい「打ち込み接ぎ」という手法が使われている。石垣には「ハートと亀」の形をした石もあるという。

松江城天守石垣

松江城を囲む堀川では、観光遊覧船に乗って城下町の風情を楽しむことができる。船から見る松江城や周辺の景色も格別であるかも知れない。

松江城堀川 屋根付き遊覧船での堀川めぐりは松江観光の一つである

堀端には武家屋敷もあり、歴史的な建物を見学できる。

名 称松江城
所在地島根県松江市殿町1-5
TEL0852-21-4030
駐車場あり(有料)
Link国宝 松江城ホームページ

あとがき

堀尾忠氏(1578~1604)は、松江城の建設において重要な役割を果たした人物とされている。

堀尾忠氏は、堀尾吉晴の次男であり、松江藩の初代藩主である。忠氏は関ヶ原の戦いで東軍に与し、その功績により出雲国松江24万石を与えられた。忠氏は父の吉晴と共に月山富田城に入城したが、この城が山に囲まれていて不便であることから、新たな城の建設を計画したという。

忠氏は1603年に江戸幕府から新城建設の許可を得て、松江の地に新しい城を築くことを決定した。しかし、忠氏は1604年に27歳の若さで急逝してしまい、松江城の完成を見ることはなかった。そのため、父の吉晴が後見役として藩政を執り行い、松江城の建設を引き継ぎ、1611年に完成したという。

堀尾吉晴の妻が石垣を1個積み上げた者に1個の餅を与えるという制度を設けたことが、建築現場の士気を高めたという。この制度により、松江城は比較的短期間で完成したとも言われている。

堀尾吉晴は、松江城と城下町の整備に尽力し、現在の松江市の基礎を築いた。このように堀尾忠氏とその父吉晴の努力により、松江城は美しい城郭として完成し、現在もその姿を保っている。

ところで、松江城にはその建設にかかわる怖い伝説が残されている。松江城の築城時、石垣が何度も崩れるという問題が発生した。堀尾吉晴は霊験あらたかな宮司を招き、敷地内を調べてもらったところ、槍の穂先が刺さったしゃれこうべが発見された。これを手厚く祀ることで、石垣は無事に積み上げることができたという。

また、松江城の築城時、石垣がうまく積み上がらないため、人柱を立てることが決定された。盆踊りの最中に一番美しくて、踊りのうまい娘が攫われ、生きたまま人柱にされたという悲しい伝説も残っている。このため、松江城下では盆踊りが禁止されるようになったとも言われている。


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