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【低山登山】曾爾高原から倶留尊山、そして曾爾三山

はじめに

室生赤目青山国定公園は、三重・奈良の両県にまたがる山間部が指定地域の国定公園である。

室生寺周辺の室生高原、赤目四十八滝香落渓といった山峡部を中心とした赤目渓谷、そして青山高原及び高見山地を包括した自然公園である。

ススキの群生地として有名な曾爾高原、日本三百名山の一つに数えられる倶留尊山、そして曾爾高原や倶留尊山からよく見える曾爾三山は、室生赤目青山国定公園の指定区域に含まれている。

本稿では、曾爾高原はじめ倶留尊山曾爾三山の魅力について書いてみたいと思う。


<目次>
はじめに
曾爾高原
倶留尊山
曾爾三山
  • 鎧岳
  • 兜岳
  • 屏風岩
あとがき

曽爾高原

曽爾高原【そにこうげん】は、奈良県東北端の曽爾村に位置し、日本三百名山の一つ倶留尊山【くろそやま】(標高1,037m)の麓に広がる約40haの草原である。

曽爾高原の標高は約700mで、倶留尊山と亀山【かめやま】(標高849m)の西斜面から麓に広がっており、そこには「お亀池」と呼ばれる湿地帯もある。

ススキは曽爾高原全体に生育しているが、お亀池周辺に特に群生している。

亀山峠からの眺望を求めて曽爾高原を春から秋にかけてハイキングを楽しむ人が多い。

曽爾高原は、お亀池の周辺を中心にススキの群生地であり、関西有数のススキの名所として知られる。

特に夕暮れ時のススキが美しいことでも有名である。

ススキが見頃となる10~11月の夕暮れ時に夕陽を浴びて黄金色に輝くススキは、確かに一度見ると忘れられない美しさである。

この景色を一目観ようと全国各地から多くの観光客が訪れる。 

名 称曽爾高原
所在地奈良県宇陀郡曽爾村太良路
Link曽爾村・曽爾高原の温泉「お亀の湯」

倶留尊山

倶留尊山【くるそやま】は、この地域の最高峰(標高1,037m)で、室生火山群に属する塊状火山である。奈良県と三重県の県境上に位置する。

倶留尊山は南北に山稜を延ばし、三重県側(東面)は急峻な柱状節理が露出、山麓の池の平高原ではのどかな山村風景が広がる。一方、奈良県側(北西面)には広々とした裾野があり、ススキの群生で知られる曽爾高原【そにこうげん】がある。

一般的な登山コースは、その曽爾高原の亀池のそばを通り、亀山峠(標高800m)に登り、稜線を北上し二本ボソ(イワシの口)を経て山頂に至るというものである。

亀山峠から山頂までは約1時間のコースタイムである。尚、二本ボソから先の頂上部は私有地であり、環境整備のための協力金(入山料として500円)を徴収している。

倶留尊山の名の由来は、山の北西面を流れる滝川の上流に祀られている「くるその石仏」であると言われている。 「くるそ」とは「拘留孫仏」【くるそんぶつ】(賢劫【けんごう】の時に出現する千仏の第一仏)のことである。

倶留尊山は南北に山稜を延ばし、その東面には三ツ岩から二本ボソ(イワシの口)まで切り立った岩壁を連ねる。反対に北西面は緩やかなスロープとなって山麓へ裾を広げている。

倶留尊山の山頂は樹木の成長とともに眺望は良くないが、亀山峠から二本ボソ(イワシの口)にかけての稜線には樹木がなく、室生や三重の山々を一望することができる。

そして二本ボソから山頂を経て三ツ岩までは切り立った岩壁が連なる。

名 称倶留尊山
所在地三重県津市美杉町太郎生
Link倶留尊山|津市観光協会公式サイト

曾爾三山

曽爾三山【そにさんざん】とは鎧岳兜岳屏風岩を合わせた総称で、国の天然記念物に指定されている。奈良県曽爾村の自然美を総称して「奥香落」と呼ぶ。その主なものは室生大山群の代表的な地質・山岳景観で、特に奇勝と称すべきは屏風岩、兜岳、鎧岳である。

鎧岳

鎧岳(標高894m)は鎧の腹巻を正面から眺めた形から、その名がついたと言われている。

兜岳

兜岳(標高920m)は兜の針金に似ていることから名がついたと言われている。

屏風岩

屏風岩は北東から南西にかけて約2km、高さ約200mに及ぶ壮大な柱状節理による断崖である。


あとがき

低山登山とは、標高が比較的低い山を登るアクティビティを指す用語である。最近は、初心者から経験者まで幅広い層に人気がある。

低山登山の魅力は、日帰りで楽しめることである。当たり前のことだが、低山は標高が低いため、日帰りで登山できることが多い。日帰りが可能なら、テントやシュラフなどの重い装備を担いで登る必要はなく、気軽に登山を楽しめるというものだ。

日帰りができる距離の山歩きは、体力の衰えた私のようなシニア世代の人間には願ったり叶ったりである。低山でも美しい景色や豊かな自然を楽しむことができる。特に、四季折々の風景を楽しむことができるのが嬉しい。

尤も低山だからと言って、危険が全くないわけではない。山の天気は変わりやすいため、レインウェアなど最低限の装備や防寒具は持参すべきである。両手を自由に使えるリュックは必須で、安定感のある靴を履き、凸凹のある道でも安全に歩けるようにすべきである。

標高が低いため、特に夏場は気温や湿度が高くなりやすく、熱中症対策が必要となる。私のようなシニア世代は、夏場の登山は避けた方が良いだろう。

低山登山は、自然を楽しみながら健康的なアクティビティを楽しむのに最適である。そのため、私のようなシニア世代にとってもしっかりと準備を整えれば、安全に楽しむことができる。体力と相談しながら低山登山を楽しみたいと思う。


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