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高龗神(水の神様)を祀る絵馬発祥の社「貴船神社」

はじめに

京都の神社仏閣は国際的にも有名であり、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産として17か所が登録されている。世界文化遺産に登録されていない寺社にも素晴らしい景勝地があり、むしろそちらの方が多いくらいだ。貴船神社【きふねじんじゃ】もその一つである。貴船神社の参拝は、三社詣といい、貴船山の麓にある本宮結社奥宮を参拝するのが通例である。

貴船神社の境内マップ

貴船神社は、縁結びの神様としても有名で、恋愛成就を願う多くの参拝者が訪れ、お守りや絵馬【えま】に願い事を書いている。

貴船神社の名物である「水占い」は、紙に願いを書いて水に浮かべると文字が浮かび上がるという。この神秘的な体験は、訪れる人々に一層の感動を与える。この「水占い」は、インスタ映えするらしく、若い女性の参拝客に大人気であるようだ。

目次
はじめに
貴船神社
あとがき

貴船神社

貴船神社【きふねじんじゃ】は、京都市左京区鞍馬貴船町にある神社で、主祭神として水神である高龗神【たかおかみのかみ】が祀られている。全国に二千社を数える水神の総本宮でもある。

創建は不詳であるが、社伝では第18代反正天皇の時代(5世紀前半)の創建としている。また、社伝によれば、神武天皇の母である玉依姫命が、黄色い船(黄船)に乗って淀川・鴨川・貴船川を遡って当地に上陸し、水神を祭ったのに始まりとされている。貴船神社の名は「黄船」に由来し、奥宮境内にある「御船型石」が、玉依姫命が乗ってきた船が小石に覆われたものだと伝えている。また、「まれる源」が転じて「気生根」になったという説もある。

貴船神社の歴史は古く、平安時代には貴族たちが訪れる場所として栄えたという。現在でもその歴史的な背景を十分に感じることができる。

貴船神社は、貴船山と鞍馬山に挟まれた森林が鬱蒼とする山峡の地に鎮座している。社前には賀茂川の上流に位置する貴船川が流れている。古くから祈雨の神として信仰されており、歴代の天皇は干ばつの時には黒馬を、長雨には白馬を奉納して祈願をしていたという。

後に生きた馬に替えて、馬形の板に着色した「板立馬」を奉納したと伝えられる。これが現在の絵馬の原形となったため、貴船神社が「絵馬発祥の社」といわれる。

今日では水の神様として全国の料理・調理業や水を取扱う商売の人々から信仰を集めている。また、縁結びの神としての信仰もあり、若いカップルで賑わっている。

名 称貴布禰總本宮 貴船神社
所在地京都府京都市左京区鞍馬貴船町180
TEL075-741-2016
駐車場あり(有料)
Link貴布禰総本宮 貴船神社

あとがき

貴船神社の魅力は、美しい自然である。貴船神社は、貴船川沿いに位置しており、四季折々の自然を楽しむことができる。特に新緑や紅葉の季節は、訪れる私たちを魅了する。

貴船神社は、都会の喧騒から離れた山中にあるため、静かな環境で心を落ち着けることができる。また、神社全体には神秘的な雰囲気が漂い、訪れる私たちに深い感銘を与える。

また、夏の間は川床【かわどこ】と呼ばれる食事エリアが川の上に設置され、涼をとりながら食事を楽しむことができる。

私が「流しそうめん」というものを人生で最初に体験したのが、ここ貴船であったと記憶している。

貴船神社は、鞍馬寺と地理的に近いこともあり、鞍馬寺の参拝後に山道を通り貴船神社に参拝したり、逆に貴船神社に参拝後、鞍馬寺に廻る参拝者もいる。


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