はじめに
京都の神社仏閣は国際的にも有名であり、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産として17か所が登録されている。世界文化遺産に登録されていない寺社にも素晴らしい景勝地があり、むしろそちらの方が多いくらいだ。三十三間堂【さんじゅうさんげんどう】もその一つである。

三十三間堂は、正式には「蓮華王院本堂」と呼ばれ、京都市東山区に位置する歴史的な寺院である。三十三間堂は、その名が示すように、33間(約60m)もある壮大な本堂が特徴である。この本堂は、日本の木造建築技術の粋を集めて造られたものであり、その美しさと圧巻の規模に驚かない者はいないだろう。
三十三間堂
三十三間堂【さんじゅうさんげんどう】(正式名称は蓮華王院本堂【れんげおういんほんどう】)は、京都市東山区三十三間堂廻町にある天台宗の寺院である。御本尊は千手観音菩薩である。
三十三間堂は、妙法院(京都市東山区)の飛地境内にあり、同院が所有・管理している。この地には元々後白河上皇が離宮として建てた法住寺殿があった場所である。その広大な法住寺殿の一画に建てられたのが蓮華王院本堂(三十三間堂)である。建築された当時は朱塗りの外装で、内装も極彩色で飾られていたという。
三十三間堂は、平清盛が後白河上皇のために1165年に建立したものだったが、1249年の「建長の大火」で焼失した。現在の本堂は、1266年に再建されたものであるが、国宝に指定されている。
三十三間堂の名称は、本堂が間面記法で「三十三間四面」となることに由来するという。これは桁行三十三間の周囲四面に一間の庇(廂)を巡らせたという意味である。そもそも「33」という数字は、観音菩薩が33種の姿に変じて衆生を救うと説かれている(法華経)ことによるとされる。
三十三間堂の内部は板敷で、桁行33間、梁間3間の身舎(もや)の四方に1間幅の庇を設けた形になる。身舎が仏像を安置する空間にあたる。身舎の中央の桁行3間分を内々陣とし、本尊の千手観音坐像を安置する。その左右、各桁行15間分は10段の階段状の長大な仏壇とし、千手観音立像1,000躯が安置されている。
これらの千手観音立像全1,001体は、45年という長きにわたる修復によって2017年に蘇っている。
名 称 | 三十三間堂 |
所在地 | 京都市東山区三十三間堂廻り町657 |
TEL | 075-561-0467 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 蓮華王院 三十三間堂 |
あとがき
三十三間堂は、度重なる火災や戦乱を乗り越え、再建されてきた歴史を持っている。
三十三間堂の魅力は、第一に千体の千手観音立像である。本堂内にずらりと並ぶ1001体の観音像は圧巻で、その一体一体が異なる表情や装飾を持っており、観る私たちを魅了する。
三十三間堂は、その静かな環境と厳かな雰囲気が特徴で、訪れる私たちは、ここで心を落ち着け、静かな時間を過ごすことができる。歴史や文化、建築美に興味がある者、特に仏像に興味がある者にとって、静かな環境で仏像と対面できる三十三間堂は非常に魅力的な場所であるに違いない。