はじめに
京都の神社仏閣は国際的にも有名であり、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産として17か所が登録されている。世界文化遺産に登録されていない寺社にも素晴らしい景勝地があり、むしろそちらの方が多いくらいだ。東福寺【とうふくじ】もその一つである。

東福寺は、平安時代に創建され、その歴史は千年以上にわたる。室町時代には足利義時によって修理されたと伝わっている。また、豊臣秀吉によって寺領1854石が安堵されて再興されたり、江戸時代になると徳川家康や徳川家光によって修理がなされている。東福寺は、このように時の権力者の庇護を得て、歴史を刻んできた名刹である。
東福寺
東福寺【とうふくじ】は、京都市東山区本町十五丁目にある臨済宗東福寺派大本山の寺院である。山号を慧日山【えにちさん】と称し、御本尊は釈迦如来である。寺号は奈良の東大寺、興福寺の二大寺から1字ずつ取って「東福寺」としたという。
京都五山の第四位の禅寺として中世・近世を通じて栄えたという。しかし、明治時代初期に神仏分離令が出されると、70か院近くあった塔頭が25か院になったという。規模が縮小されたとはいえ、25か寺の塔頭(山内寺院)を有する大寺院である。
境内には国宝や重要文化財に指定された名建築を多く有し、東福寺の伽藍面【がらんづら】とも呼ばれる。
仏殿と法堂を兼ねた本堂が建てられ、塔頭の万寿寺から釈迦如来像を移して本尊としている。現在の本堂、方丈、庫裏などは明治以降の再建だが、国宝の三門をはじめ、東司(便所)、浴室、禅堂などは焼け残り、中世の建物が現存している。
東福寺は、紅葉の名所として知られ、秋には数十万もの観光客が訪れる。通天橋から見下ろす紅葉は他では観ることができない絶景である。また、境内には宋から伝わったという「通天モミジ」と呼ばれる三葉楓などカエデの木が多いのも特徴である。
名 称 | 東福寺 |
所在地 | 京都市東山区本町15-778 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 臨済宗大本山 東福寺 -日本最古の最大級の伽藍- |
あとがき
東福寺の魅力は、私にとっては境内の美しい庭園である。東福寺の日本庭園は、喧騒から離れた静かな場所で、心を落ち着けることができる。四季折々の美しい風景を楽しむことができるが、特に秋の紅葉は格別である。