はじめに
京都の神社仏閣は国際的にも有名であり、世界文化遺産「古都京都の文化財」の構成資産として17か所が登録されている。世界文化遺産に登録されていない寺社にも素晴らしい景勝地があり、むしろそちらの方が多いくらいだ。三千院【さんぜんいん】もその一つである。

三千院は、京都の市街地から離れた場所に位置するため、周囲には自然と調和した静かな環境が広がっている。四季折々の風景を楽しむことができるが、特に紅葉の季節には美しい景色が広がるのでお薦めである。
三千院
三千院【さんぜんいん】は、京都市左京区大原来迎院町にある天台宗の寺院である。山号を魚山【ぎょざん】し、御本尊は薬師如来である。
三千院は、京都市街の北東に位置する山中「大原の里」は、かつては貴人や仏教修行者の隠棲の地として知られた地である。
三千院は、延暦年間(782~806年)に伝教大師最澄が比叡山東塔南谷に一宇を構えたことに始まりとされる。その後、慈覚大師円仁に引き継がれ、最雲法親王入室により、平安後期以降、皇子皇族が住持する宮門跡になったとされる。
混迷する時代のなか比叡山内から近江坂本、そして京の洛中へと幾度となく移転し、その都度、寺名を変えてきたという。明治維新後に現在の大原の地に移り「三千院」と称するようになった。
境内には往生極楽院のほか、宸殿、客殿などの建物がある。このうち、境内南側の庭園内にある往生極楽院内部には国宝の阿弥陀三尊像が安置されている。
名 称 | 三千院 |
所在地 | 京都府京都市左京区大原来迎院町540 |
TEL | 075-744-2531 |
駐車場 | なし |
Link | 天台宗 京都大原三千院 |
あとがき
三千院は、元々は8世紀に創建され、その歴史は1200年以上に及ぶ。三千院の魅力は、美しい庭園である。池泉回遊式庭園や苔庭の中をゆっくりと散策しながら、リラックスできる。
苔庭で目にする愛らしい地蔵には癒される。弁天池の脇にたたずむ「わらべ地蔵」と呼ばれる小さなお地蔵さまたちに癒される人は多いのではなかろうか。
三千院と寂光院は近く、両寺院を結ぶルートは約1.7kmである。徒歩では35分ほど要するが、紅葉の季節には魅力的な散策コースとなっている。