◆ はじめに
北海道・道東にひっそりと佇むオンネトーは、見る角度や光の加減によって湖面の色が変わることで知られている。深い青から翡翠のような緑へ、時には淡い乳白色へ──その変化はゆっくりとした呼吸のようで、訪れる私たちの心を静かに魅了する。湖の周囲には原生林が広がり、風がそっと木々を揺らす音が、湖の静けさをさらに際立たせてくれる。本稿では、オンネトーの湖岸を歩きながら、色を変える幻想的な風景をゆっくりと味わってみたい。
オンネトーの成り立ち
オンネトーは、阿寒摩周国立公園の最西端に位置し、雌阿寒岳の麓にある周囲2.5kmの美しい湖である。
オンネトーは、雌阿寒岳の噴火で流れ出た溶岩流が、螺湾川【らわんがわ】の流れをせき止めたことで形成された湖、いわゆる堰止湖である。
オンネトーの名の由来は、アイヌ語で 「オンネ=大きい・年老いた」「トー=湖・沼」 を意味し、 「大きな沼」「年老いた沼」といった解釈が伝えられている。 近くに「ポントー(小さな沼)」があることから、その対比で名付けられたという説もある。
オンネトーは、阿寒湖から車で約30分の距離にあり、阿寒湖周辺を訪れた際には、是非、立ち寄りたい湖である。

色を変える神秘の湖の秘密
オンネトーは、北海道の道東に位置する小さな湖である。その最大の特徴は、湖面の色が光の角度や天候によって変化すること。
深い青から翡翠色、時には乳白色へと移ろう湖面は、まるで自然が描く絵画のようである。
オンネトーは「五色沼」とも呼ばれ、季節や天候、見る角度によって湖面の色が変化する。晴れた日には深い青色、曇った日にはエメラルドグリーンなど、さまざまな色合いを楽しむことができる。太陽の位置や見る角度によっても湖面の色が変わる神秘的な湖である。写真撮影をしていても実に楽しい。
オンネトーが「五色沼」と呼ばれるほど色が変わるのは、以下の要因が重なっているためと言われている。
- 透明度の高い湖水の青色
- 湖底に堆積した黄色い泥の色
- 水深・太陽光の角度・風向きによる光の反射の変化
これらが混ざり合い、青・緑・乳白色など多彩な色に見えるとされている。

湖岸を歩く
──風と森の気配を感じる散策
オンネトーは、私の好きな湖である。湖畔周辺には原生林の間に整備された散策路があり、大自然を満喫できるのもこの湖を気に入っている点である。
オンネトーの湖岸には、ゆるやかな散策ルートが続いており、 森の気配を感じながら歩いていると、風が頬を撫で、自然の音が少しずつ重なっていく。湖面近くまで降りられる場所も多く、風の匂いや水の気配を間近に感じられる。私たちシニア世代でも無理なく歩けるルートで、ゆっくりと自然を味わうことができる。

オンネトーは、比較的に観光客が少なく、静かな環境で自然の美しさを堪能できる。特に午前中の早い時間帯や夕方には幻想的な雰囲気が漂い、心が癒される。

湖の周囲には豊かな自然が広がり、特に無風の日には湖面が鏡のようになり、周囲の木々や空の雲が映り込み、実に美しいリフレクションを観ることができる。

もし、日の出や日の入りの時間帯に来ることができるなら、また違った写真を撮ることができるかも知れない。太陽光の具合が柔らかく、湖面はまた違った表情を見せてくれるはずである。

季節によっては、オンネトーにも朝霧がかかるかも知れない。もし、そうなれば幻想的な雰囲気の写真を撮ることができるかも知れない。オンネトーは、実に魅力的な被写体である。
| 名 称 | オンネトー |
| 所在地 | 北海道足寄町茂足寄 |
| Link | オンネトー|北海道の観光 |
◆ あとがき
湖岸に立つと、オンネトーの静けさがすぐに伝わってくる。 風が弱い日には湖面が鏡のようになり、空や森の色をそのまま映し出す。 光が差し込む角度によって湖面の色が変わり、訪れるたびに違う表情を見せてくれる。
オンネトーの周囲には、長い年月をかけて育まれた自然が広がっており、森の気配・鳥の声・湖面の揺らぎ──そのどれもが、旅人に静かな時間を与えてくれる。
旅の途中でふと立ち止まり、湖と光の移ろいを眺めていると、時間がゆっくりと流れていくように感じられる。 オンネトーはそんな静けさの価値を私たちそっと教えてくれる場所である。色を変えるオンネトーの幻想的な風景は、私の心の奥に静かな余韻を残してくれる。何度でも訪れたい、私の大好きな場所である。