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  • 英虞湾を歩く──真珠の海と賢島が描く静かな風景

    <目次>
    はじめに
    英虞湾の魅力
    横山展望台
    英虞湾を歩く
    志摩地中海村
    NEMU RESORT
    賢島を歩く
    賢島金刀比羅宮
    伊勢志摩サミット記念館 サミエール
    真珠の海にふれる
    賢島エスパーニャクルーズ
    自然と文化が調和する旅へ
    安乗埼灯台
    大王崎灯台
    ともやま公園
    あとがき



    ◆ はじめに

    三重県・志摩市に広がる英虞湾【あごわん】の海は、驚くほど静かだ。 複雑に入り組んだリアス海岸の入り江が穏やかに広がり、 真珠の養殖筏が海面に静かに浮かんでいる。 風が弱い日は、海が鏡のようになり、 空の色をそのまま映し込む。

    賢島【かしこじま】は、その英虞湾の中心に位置する小さな島だ。 2016年のサミット開催で知られるようになったが、 島の本質は、華やかさとは対照的な「静けさ」にある。 海と島が寄り添うように佇み、 歩くほどに心がゆっくり整っていく。

    本稿では、英虞湾と賢島を歩きながら、 真珠の海が描く静かな風景を、シニアの旅目線でゆっくり味わっていきたい。

    引用:Ago_Bay_Map.jpg (795×598)

    英虞湾の魅力

    ──真珠が育つ穏やかな海

    英虞湾は、志摩半島の南部に位置するリアス海岸の代表的な入り江だ。 複雑に入り組んだ地形が波を弱め、 海は驚くほど穏やかで静かだ。海水の栄養バランスも良く、真珠養殖に適した環境をつくり出しているため、真珠養殖の筏が湾内に点在している。このように、英虞湾はアコヤ貝の養殖に最適な環境を持つ日本有数の真珠の産地である。

    明治時代、御木本幸吉によって世界初の真珠養殖が成功したこの地は、今もなお高品質な真珠を生み出し続けている。本格的な真珠養殖は明治期に始まり、英虞湾はその中心地として発展してきた。 海面に浮かぶ養殖筏は、 この地域の文化と歴史を静かに物語っている。海と人の営みが重なった風景── それが英虞湾の魅力である。


    ● 横山展望台

    横山展望台は、三重県志摩市の横山(標高203m)山頂にあり、英虞湾のリアス式海岸と約60の小島を一望できる絶景スポットとして知られている。

    横山天空カフェテラスは、横山山頂より少し下に位置するメイン展望台(標高140m)である。広々としたウッドデッキからは英虞湾のリアス式海岸や真珠筏を一望できる、まさに「天空のカフェテラス」と言える。森と海のコントラストが美しく、まるで空に浮かんでいるような気分になれると評判である。

    カフェ・ミラドール志摩は、地元食材を使ったベーグルやスイーツが楽しめるカフェであり、景色を眺めながらのんびりできる。

    横山ビジターセンターは、自然や地形について学べる展示施設で、クラフト体験もできる。

    横山にはそれぞれ違った角度から英虞湾を楽しめる5つの展望台が整備されていて、時間があれば、ハイキング気分で巡れるのが魅力である。

    春は桜、秋は紅葉、そして晴れた日は遠くの山々まで見渡せるから、季節ごとに違う表情が楽しめる。そんな横山展望台でのんびりと時間を過ごすのもおすすめである。

    名 称横山展望台(横山天空カフェテラス)
    所在地志摩市阿児町鵜方875-20
    駐車場あり(無料)
    アクセス第二伊勢道路白木ICから国道167号線経由で約25分
    Link横山展望台 | 志摩 観光

    英虞湾を歩く

    ──入り江が描く柔らかな風景

    英虞湾の海沿いには、歩きやすい散策路が続いている。 入り江の曲線が柔らかく広がり、 海と陸が寄り添うように重なっている。

    歩くほどに海の表情が変わり、 光の角度によって水面の色が微妙に変化する。 風が弱い日は、海が鏡のようになり、 空の青や雲の白が静かに映り込む。

    リアス海岸は、荒々しい海ではなく、 「静けさの海」だ。 歩く旅にふさわしい穏やかな風景が続いている。


    ● 志摩地中海村

    志摩地中海村は、志摩市浜島町にあるリゾート施設である。英虞湾の南岸に位置していて、白壁の街並みや温泉、クルーズが楽しめる。地中海風の街並みが広がるフォトジェニックなリゾートエリアであり、宿泊もできる。

    宿泊者は、昼間の観光客が帰った後のライトアップされた街並みや、まるで異国のリゾートのような朝の静かな海辺を楽しむことができる。また、宿泊者専用の「スパ・アルハンブラ」で、露天風呂や大浴場を満喫できる。

    ◆ 写真映えスポット:

    ● 白壁と石畳の街並み

    ギリシャやスペイン風の建物が並ぶエリアは、どこを切り取っても絵になる。特に青い扉と白い壁のコントラストが人気スポットである。

    ● カラフルな階段

    入口付近の階段は一段一段がカラフルで、まるで海外の街角みたいな雰囲気を醸し出している。

    ● 噴水広場

    中心にある噴水広場は、白と青のタイルが美しくて、ヨーロッパの広場みたいな気分になれる。

    ● 英虞湾を望むテラス

    海に面したテラスからは、リアス式海岸の絶景が広がっていて、夕方の光が差し込む時間帯が特におすすめである。

    名 称志摩地中海村
    所在地志摩市浜島町迫子2619-1
    駐車場あり(無料)約150台分
    宿泊者専用駐車場も完備
    (ゲート左手に約15台分)
    アクセス国道167号 → 県道17号(浜島可児線)経由で到着。
    「NEMU RESORT」の看板がある交差点から入るルートが安全でおススメ!
    Link【公式HP】志摩地中海村

    ● NEMU RESORT

    NEMU RESORT【ネムリゾート】は志摩市浜島町迫子に位置する、リゾートホテルとレクリエーション施設からなる総合リゾート施設である。敷地面積は300万m2もあり、大崎半島の大部分を占める広さである。

    名 称NEMU RESORT
    所在地志摩市浜島町迫子2692-3
    駐車場あり(無料)
    LinkNEMU RESORT

    賢島を歩く

    ──静けさに包まれた島の佇まい

    賢島は、英虞湾の中心に浮かぶ小さな島だ。 2016年の伊勢志摩サミット開催で世界的に知られるようになったが、 島の本質は、華やかさとは対照的な「静けさ」にある。

    島の道を歩くと、 海の香りが静かに漂い、 木々の間から入り江が見える。 観光地でありながら、 どこか落ち着いた成熟した雰囲気がある。

    賢島は、英虞湾の風景を最も美しく眺められる場所であり、 歩く旅の「中心の島」といえる。


    英虞湾の東側に位置する賢島は、近鉄特急でアクセスできるリゾートアイランド(近鉄賢島駅がある観光拠点)である。

    2016年にはG7伊勢志摩サミットが開催され、各国首脳がこの静かな島に集った。現在も「伊勢志摩サミット記念館 サミエール」では、当時の展示や記念品を見ることができ、世界の舞台となった島の空気を感じることができる。


    ● 賢島金刀比羅宮

    賢島金刀比羅宮は、海上交通の守り神として信仰される神社で、賢島の歴史とともに歩んできた静かなパワースポットとして知られれる。大物主神が祀られており、漁業や真珠養殖が盛んな賢島らしく、海上安全や繁栄のご利益があるとされている。

    鳥居から拝殿までは約100段の石段を登る。少し大変であるが、登った先には英虞湾の絶景が広がっている。

    志摩観光ホテルの敷地内にあり、ホテルの庭園ともつながっている。野鳥のさえずりや木々の香りに包まれながらの散策が気持ち良い。

    名 称賢島金刀比羅宮
    所在地志摩市阿児町神明726-10
    駐車場なし
    賢島駅南口観光用専用
    駐車場(無料)を利用
    志摩市阿児町神明722-1
    アクセス近鉄「賢島駅」から
    徒歩約7分
    Link賢島金刀比羅宮 – Bing 地図

    ● 伊勢志摩サミット記念館 サミエール

    伊勢志摩サミット記念館 サミエールは、2016年に賢島で開催されたG7伊勢志摩サミットを記念して作られた施設である。G7サミットの舞台裏として各国の展示や記念品が見られるほか、三重の魅力が体感できる特別な観光スポットとなっている。

    サミットで実際に使用された円卓と椅子などの家具が展示されていて、会議の臨場感が味わえるほか、G7首脳の等身大パネルがあるので、世界のリーダーたちと並んで記念撮影ができる。

    各国首脳への贈り物や三重の伝統工芸・食文化を紹介する展示があるので、地域の魅力を再発見してみよう! 隣接する「カフェサミエール」で、英虞湾を眺めながらひと休みもできる。

    名 称伊勢志摩サミット記念館
    サミエール
    所在地志摩市阿児町神明747-17
    (近鉄賢島駅2階)
    開館時間9:00~17:00
    年中無休(臨時休館あり)
    入館料無料
    駐車場なし
    賢島駅南口観光用専用
    駐車場(無料)を利用
    志摩市阿児町神明722-1
    Link伊勢志摩サミット記念館

    真珠の海にふれる

    ──養殖筏が描く風景

    英虞湾の海には、真珠養殖の筏が静かに浮かんでいる。 規則正しく並ぶ筏は、 海と人の営みが重なった風景を描いている。

    真珠養殖は、海女文化とも深くつながっており、 海とともに生きる人々の歴史がこの海に宿っている。 歩く旅では、こうした文化の気配を自然に感じられる。真珠の海は、ただ美しいだけではなく、 人の暮らしが重なった「生活の海」でもある。

    遊覧船に乗れば、筏の間をすり抜けながら、真珠が育つ様子を間近で見ることができる。海女文化や養殖技術の歴史に触れる体験は、旅の記憶に深く残るはずである。


    ● 賢島エスパーニャクルーズ

    賢島エスパーニャクルーズは、英虞湾を約50分かけてゆったりと巡る遊覧船クルーズである。スペイン風の遊覧船で英虞湾の周遊ができる。見どころは、リアス式海岸、真珠筏、穏やかな湾内の景色である。真珠養殖の筏やリアス式海岸の絶景が十分に楽しめるはずである。

    遊覧船「エスペランサ」は、スペイン大航海時代のカラック船をモチーフにした船で、展望デッキや異国風の装飾が魅力である。まるで海外旅行した気分になれると人気が高い。

    晴れた日には、展望デッキで風を感じながら楽しむも良し、船内の喫茶コーナーでソフトドリンクやアルコールを飲みながら英虞湾の景色を楽しむも良しである。夕方にはサンセットクルーズもあるみたいである。気になるので、是非、乗船してみたいものである。

    名 称賢島エスパーニャクルーズ
    出航場所賢島港(近鉄賢島駅から徒歩約2分)
    所要時間約50分
    料 金大人1,900円
    運航時間9:30~15:30
    毎時30分発
    (季節臨時便あり)
    駐車場あり(無料)約10台分
    Link賢島エスパーニャクルーズ

    自然と文化が調和する旅へ

    英虞湾の静けさは、 歩くほどに心をゆっくり整えてくれる。 入り江の曲線、海の穏やかさ、 賢島の佇まい── そのすべてが旅の記憶として静かに残っていく。人生の歩みを重ねた今、 この海と島の風景は若い頃とは違う深さで響いてくる。 次に訪れるとき、 また新しい表情の海に出会えるだろう。

    英虞湾と賢島は、ただ美しいだけでなく、海と人の営みが織りなす物語に満ちている。真珠のきらめき、海女の息吹、そして世界が注目したサミットの記憶──そのすべてが、訪れる人の心に静かに語りかけてくれる。

    志摩市は灯台の宝庫である。安乗埼灯台や大王崎灯台をはじめ、麦崎灯台、御座埼灯台、大鼻灯台といった5つの灯台があり、それぞれの灯台は違った海の表情を見せてくれる。


    ● 安乗埼灯台

    安乗崎【あのりさき】は、志摩半島の中央部に位置する的矢湾の入口にある岬であり、周囲には暗礁が多い。古くから安乗崎、大王崎、鎧崎をもって志摩三崎と称し、海の難所として知られている。

    安乗埼灯台は、安乗崎にある歴史ある灯台で、全国でも珍しい「登れる四角い灯台」として人気を博している。

    初点灯は、明治6年(1873年)4月1日と言われており、全国的にも珍しいとされる白色の四角形コンクリート造の灯台である。塔高は、15m(灯火まで13m)であり、灯火標高は35m(平均海面から灯火まで)である。

    全国に16しかない「登れる灯台」の一つで、展望台からは的矢湾と太平洋の両方が一望できる。また、天気が良ければ富士山が見えることもあるらしい。

    名 称安乗埼灯台
    所在地志摩市阿児町安乗794-1
    駐車場あり(無料;約40台)
    参観寄付金300円
    営業時間3月~10月:
    9:00~16:30(土日)
    9:00~16:00(平日)
    11月~2月:
    9:00~16:00
    Link安乗埼灯台
    安乗埼灯台 | 伊勢志摩観光
    安乗埼灯台 | 観光三重

    ● 大王崎灯台

    大王崎灯台は、志摩市大王町波切にある白亜の灯台で、海の絶景と歴史が凝縮した観光スポットになっている。

    初点灯は、昭和2年(1927年)10月5日と言われている。構造は白色・円形・鉄筋コンクリート造で、有形文化財に登録されている。

    塔高は、22.5m(地上から塔頂まで)であり、灯火標高は45.5m(平均海面から灯火まで)であるという。有形文化財に

    全国に16しかない「登れる灯台」の一つで、展望台からは360度のパノラマビューが楽しめる。晴れた日には富士山が見えることもあるらしい。

    灯台ミュージアムが併設されており、灯台の歴史や海の安全を守る仕組みが学べる展示がある。

    灯台周辺は「絵かきの町」として知られていて、波切の風景は画家・小野竹喬も愛した場所であるとも言われている。路地や漁村の風景がとてもフォトジェニックであるので、写真愛好家にとっても愛すべき場所である。

    名 称大王崎灯台
    所在地志摩市大王町波切54-1
    駐車場周辺に有料駐車場あり
    普通車1回300円~500円
    営業時間3月~10月:
    9:00~16:30(土日)
    9:00~16:00(平日)  
    11月~2月:
    9:00~16:00
    Link大王埼灯台 志摩市観光協会
    大王埼灯台 | 伊勢志摩観光

    ● ともやま公園

    ともやま公園は、伊勢志摩国立公園の中心部に位置する自然豊かな公園である。英虞湾に三方を囲まれた自然公園であるため、英虞湾のリアス海岸や無人島を望める絶景スポットである。

    英虞湾を一望できる展望台が充実しているのが嬉しい。

    • 桐垣展望台
      • 車でアクセス可能
      • 間崎島や賢島、前島半島が見渡せる絶景スポット!
    • 登茂山展望台
      • 夕日が美しいことで有名
      • 写真家にも人気のスポット!
    • 芝生広場展望台
      • 家族連れに適したのんびりとできるスポット

    夕陽が美しい絶景スポットでもあるので、静かな時間を過ごしたい人にはぴったりな場所である。

    名 称ともやま公園
    所在地志摩市大王町波切2199
    駐車場あり(無料)
    休園日年末年始
    12月29日~1月3日
    アクセス伊勢自動車道・伊勢IC
    から県道602号経由で
    約1時間
    Link公園概要/志摩市
    ともやまキャンプ村
    ともやま公園/桐垣展望台

    ◆ あとがき

    英虞湾と賢島を歩く旅は、 海と島が描く静かな風景をゆっくり味わう時間だった。真珠が育つ穏やかな海、 入り江の柔らかな曲線、 賢島の静けさ── そのすべてが心をゆっくり整えてくれる。

    次にこの地を訪れるとき、 また違う表情の海と島に出会えるだろう。 その静かな変化を楽しみにしている。




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