(2024年9月12日更新)
◆ はじめに
近江八幡の郊外に広がるラ コリーナは、単なる商業施設ではなく、「自然と人が共に生きる風景」を目指してつくられた場所である。建物は土や木の温もりを感じさせ、屋根には草が生い茂り、 敷地を歩けば、風の音や水の流れがそっと耳に届く。 訪れる人は、買い物をする前にまず風景に迎えられ、 その静けさの中で自然と心がゆるんでいく。
今回の旅では、琵琶湖国定公園の雄大な景観を巡る途中に、「周辺観光」としてラ コリーナ近江八幡を訪れた。自然と調和するこの場所が、旅の余韻をやわらかく整えてくれるように感じた。
ラ コリーナ近江八幡という場所
ラ コリーナ近江八幡は、2015年にオープンした、たねやクラブハリエのフラッグシップショップで、「自然に学ぶ」をテーマに、お菓子や自然を楽しむことができる施設である。
近江八幡の郊外に広がるラ コリーナは、自然の中にそっと身を置くような感覚を与えてくれる場所である。敷地に足を踏み入れると、まず目に入るのは草屋根のメインショップ。その大きな屋根には季節ごとに色を変える草が生い茂り、建物そのものが風景の一部として息づいているように見える。

メインの建物は草に覆われており、自然と一体化したデザインが特徴的である。この建物を設計したのは、自然素材を生かした独特の建築で知られる藤森照信氏。土壁、木材、草屋根──どれも人工的な装飾ではなく、自然の力を借りて形づくられたものだ。ラ コリーナの理念である「自然に学ぶ」は、建物の佇まいからも静かに伝わってくる。

訪れる人は、買い物をする前にまず風景に迎えられる。建物と自然が調和するこの空間は、商業施設というよりも「自然の中にあるひとつの集落」のようであり、歩くだけで心がゆるんでいく。
自然と調和する風景
敷地内には森への小道があり、自然散策が楽しめるようになっている。私たちは一羽のダイサギが餌を探している場面を目撃することができた。周辺の田んぼには小さな生物が多数生息しており、自然観察もできる。

ラ コリーナの敷地を歩くと、風景のつくり方に細やかな配慮があることに気付く。小川が流れ、木々が風に揺れ、草屋根の上には季節ごとに異なる色が広がる。春は芽吹きの柔らかな緑、夏は濃い緑が力強く茂り、秋には黄金色が風景を包み、冬は静寂の中で建物の輪郭が際立つ。
敷地内の道はゆるやかに曲がり、歩くたびに見える景色が少しずつ変わる。これは「自然のリズム」を感じられるように設計されたものだという。直線的な道ではなく、ゆるやかな曲線が続くことで、訪れる人は自然の中を散策しているような気持ちになる。
写真映えするスポットも多く、草屋根の建物、回廊、田園風景が重なる場所では、まるで絵画のような一枚が撮れる。観光地としての賑わいがありながらも、風景の静けさが保たれているのがラ コリーナの魅力である。

ラ コリーナの「食」の魅力
ラ コリーナを訪れる楽しみのひとつは、たねやグループが手がける「食」である。バームクーヘン、どら焼き、カステラ──どれも素材へのこだわりが感じられ、自然に寄り添う味わいがある。特にクラブハリエのバームクーヘンは、焼きたての香りが店内に広がり、訪れる人の足を自然と止めてしまう。
店内は落ち着いた雰囲気で、シニアにも楽しみやすい空間になっている。派手な装飾はなく、木の温もりを感じるインテリアが、食の時間をゆっくりと味わわせてくれる。
食を提供するだけでなく、「自然と共にある食文化」を伝えようとする姿勢が随所に見られる。素材の選び方、建物のつくり方、風景との調和──そのすべてが「食を通じて自然を感じる」という体験につながっている。
ラ コリーナ近江八幡の施設には以下のような魅力的な特徴があり、どの施設も多くの女性たちを虜にしているようである。
● メインショップ
- たねやとクラブハリエの和洋菓子が楽しめる
- 焼きたてのバームクーヘンや季節のお菓子が人気!
● カフェ
- 自然に囲まれたカフェでは、ゆったりとした時間を満喫
- 地元の食材を使ったメニューが楽しめる
● カステラショップ
- 栗の木を使った店舗
- 焼きたてのカステラが楽しめる
● フードコート
- 地元の食材を使った料理が楽しめる
● パンショップ
- 焼きたてのパンが楽しめる

建物が語る物語
ラ コリーナ(La-collina)とは、イタリア語で「丘」という意味であるらしい。ラ コリーナのコンセプトは「自然に学ぶ」で、共に生きる自然を感じ、みずからの創造力に活かしているという。
ラ コリーナの建物は、ただの店舗ではなく「風景の語り手」である。草屋根のメインショップは、遠くから見ると丘のように見え、近づくとその大きさに圧倒される。屋根の草は季節ごとに色を変え、建物が自然と共に呼吸しているようだ。

敷地内にはサイロのような建物や、回廊のように続く通路があり、それぞれが風景の中に静かに佇んでいる。建物の形は奇抜ではなく、自然の中に溶け込むように設計されているため、歩くたびに新しい発見がある。

建築を眺める楽しみは、ラ コリーナの大きな魅力のひとつだ。細部に目を向けると、木材の使い方、土壁の質感、草屋根の厚みなど、自然素材が生かされた美しさが見えてくる。建物そのものが「自然と人が共に風景をつくる」という理念を語っている。

ラ コリーナにはユニークな建物が多くあり、見ているだけでも楽しい。海外からの観光客にも人気のようで、中国語や韓国語、英語にドイツ語が否応なしに耳に飛び込んできた。
| 名 称 | ラ コリーナ近江八幡 |
| 所在地 | 滋賀県近江八幡市北之庄町615-1 |
| 駐車場 | あり(無料) |
| Link | ラ コリーナ近江八幡 | たねや (taneya.jp) |
◆ あとがき
ラ コリーナ近江八幡を歩いていると、自然と人が共に風景をつくるという理念が、建物や空気の中にそっと息づいていることを感じる。
草屋根を渡る風、木々の影、土壁の温もり── どれも派手さはないが、心に静かに染み込んでくる。 琵琶湖国定公園の雄大な景観を巡ったあと、 この場所でひと息つくと、旅の余韻がやわらかく整えられていく。
自然に寄り添う味と風景を楽しむ時間は、 旅の最後にふさわしい穏やかなひとときだった。 また季節を変えて訪れれば、違った表情のラ コリーナが迎えてくれるだろう。