はじめに
明石海峡【あかしかいきょう】は、兵庫県神戸市と淡路島(淡路市)の間に位置し、大阪湾と播磨灘を分ける海峡である。そして、明石海峡大橋は神戸市と淡路島を結ぶ世界最大級の吊橋で、全長3,911m、中央支間長1,991mを誇る。
明石海峡大橋の構想は第二次世界大戦前からあったが、技術的な問題や軍事上の理由から具体化には至らなかった。
1970年に本州四国連絡橋公団が設立され、本州と四国を結ぶ橋の一つとして計画が進められるようになった。1985年に明石海峡大橋を道路単独橋とする方針が決定されたのを受け、1988年5月に現地工事が開始された。阪神・淡路大震災(1995年1月17日)の地殻変動で橋の全長が1m伸びるという影響を受けたが、工事は継続され、1996年に補剛桁が閉合され、橋の主要構造が完成した。そして、1998年4月5日に供用が開始された。
このように、明石海峡大橋は技術的な挑戦と自然災害を乗り越えて完成した壮大なプロジェクトの成果であると言える。
明石海峡大橋
明石海峡大橋は、世界最大級というスケールの大きさとデザインの美しさで私たちを魅了する。
橋の建設には最新の技術が駆使されており、地震や台風などの自然災害にも耐えられるよう設計されているという。
明石海峡大橋は、夜間にはライトアップされ、真珠のように輝くことからパールブリッジとも呼ばれている。季節ごとにライトアップのデザインが変わり、幻想的な景観を楽しめる。夜景を撮影するのであれば、淡路サービスエリアの上り側からは吊橋を上から見渡すことができるので撮影スポットとしてイチオシである。
淡路島側にある道の駅あわじからは、橋を真下から望むことができ、迫力満点の写真が撮れる。
神戸側に位置する舞子公園は、明石海峡大橋の真下からの景色を楽しむことができる公園である。
舞子公園には舞子海上プロムナードという回遊式遊歩道があり、海上47mの高さから明石海峡を一望できる。ガラス張りの床からは、真下の明石海峡を覗くことができ、スリル満点である。
ブリッジワールドの塔頂ツアーは、普段は入ることができない管理用通路を通り、海面上約300mの主塔に登るツアーであるという。360度の絶景パノラマを楽しむことができ、天気が良い日には大阪のあべのハルカスや関西国際空港まで見渡せることができるらしい。
名称 | ブリッジワールドの塔頂ツアー |
Link | 明石海峡大橋ブリッジワールド:世界最大級の吊橋を体験 |
Link | 明石海峡大橋ブリッジワールド |
このように、明石海峡大橋はその壮大な景観と多彩なアクティビティで訪れる人々を魅了する。
名 称 | 舞子公園 |
所在地 | 兵庫県神戸市垂水区東舞子町2051番地 |
駐車場 | あり(有料) |
Link | 舞子公園 (hyogo-maikopark.jp) |
名 称 | 道の駅あわじ |
所在地 | 兵庫県淡路市岩屋1873-1 |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 【公式】道の駅あわじ |
名 称 | 淡路サービスエリア(上り側) |
駐車場 | あり(無料) |
Link | 淡路サービスエリア(上り) |
あとがき
明石海峡大橋には個人的に大いにお世話になっている。神戸から淡路島に渡るにはこの吊橋が欠かせないからである。かつては明石港(兵庫県明石市)と岩屋港(淡路島)の間を明石淡路フェリーが結んでいた時代がある。
明石海峡の特産品であるタコにちなんで「タコフェリー」と呼ばれていた。船体にはオリジナルキャラクター「たこファミリー」が描かれており、キャラクターグッズの販売や特別クルーズなども行われ、人気があった。
1998年4月5日に明石海峡大橋が開通してからは年々利用客数も減少し、経営が悪化したため、2012年に会社が解散し、航路が正式に廃止された。現在、タコフェリーの航路は淡路ジェノバラインが引き継いでおり、高速船「まりん・あわじ」が運航している。
明石海峡大橋の開通で私たちの暮らしは便利になった反面、その影響で職を失った人々もいる。それを教えてくれるのは歴史だけである。