はじめに
白浜温泉は、和歌山県にある日本三古湯の一つで、歴史と自然が調和した温泉地である。白浜温泉は、道後温泉や有馬温泉と並び、日本書紀や万葉集にも登場するほど古くから愛されてきた温泉地である。
白浜温泉は、古くは「牟婁の湯」と呼ばれていた。658年には斉明天皇が訪れた記録があり、その後も多くの皇族や貴族が湯治に訪れている。
江戸時代には、紀州藩の藩主や武士、庶民にも親しまれるようになり、多くの人々が訪れる温泉地となった。明治時代以降、交通の発展に伴い、白浜温泉はさらに多くの人々に利用されるようになり、特に戦後は新婚旅行のスポットとしても人気を集めた。
1970年代以降は、家族向けのレジャー施設が増え、現在では観光地としても非常に人気がある。白良浜や円月島、アドベンチャーワールドなど、家族連れやカップルに人気の観光スポットも豊富である。
白浜温泉の魅力は、源泉かけ流しの温泉や足湯、共同浴場など、さまざまな温泉施設が点在している点である。そして、滞在を楽しむためのホテルや旅館などの宿泊施設も多数存在することである。さらに、東京から飛行機で約70分、大阪から車で約2時間と、アクセスの良さも人気の要因であろう。
白浜温泉は、歴史と現代の魅力が融合した温泉地として、多くの観光客に愛されている。
白浜温泉
泉質・効能
白浜温泉の泉質と効能は主として下記のとおりである。
- 塩化物泉
- 体を温める効果が高く、保温効果がある
- 体を温め、血行を促進するので冷え性の改善に役立つ
- ストレス解消や疲労回復に役立つ
- 炭酸水素塩泉
- 肌を滑らかにし、美肌効果が期待できる
- 保湿効果も高い
- ストレス解消や疲労回復に役立つ
- 硫酸塩泉
- 血行を促進し、筋肉痛や関節痛に効果がある
- リウマチや神経痛、腰痛などに効果がある
- ストレス解消や疲労回復に役立つ
宿泊施設
白浜温泉には、豪華なリゾートホテルから家庭的な民宿まで、さまざまなタイプの宿泊施設が揃っているのが魅力である。
白浜温泉には多くの宿泊施設がある。白浜温泉旅館協同組合に加盟している施設だけでも23軒もある。
南紀白浜観光協会の情報によれば、さらに多くのホテルや旅館が存在し、全体で約158軒の宿泊施設があるとされている。
白浜温泉の観光スポット
白良浜
白良浜は、約620mにわたる真っ白な砂浜が広がるビーチで、夏には海水浴客で賑わう。ハワイのワイキキビーチと友好姉妹ビーチの関係にある。
アドベンチャーワールド
アドベンチャーワールドは、ジャイアントパンダをはじめとする約140種類の動物がいる動物園に、イルカショウが楽しめる水族館、そして遊園地が一体となったテーマパークである。（詳しくは、日本最多数のパンダに会えるアドベンチャーワールド ）
円月島
円月島は、臨海浦に位置し、南北130m、東西35m、高さ25mの小島で、白浜のシンボルとして親しまれている。正式には高嶋【たかしま】という。
島の中央に円月形の海蝕洞がぽっかり開いていることから「円月島」と呼ばれるようになったのが通称の由来らしい。
円月島に沈む夕陽は「和歌山県の夕日100選」に選ばれており、日の沈む夕景の美しさは格別で、春分・秋分の時期には、中心部の穴を通して夕日が見えるらしい。
少なくとも一度は夕日の撮影にチャレンジしたいものだ。
| 名称 | 円月島（高嶋） |
| 所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町3740 |
| 駐車場 | あり（無料） |
| Link | 円月島 | 和歌山県公式観光サイト |
千畳敷
千畳敷【せんじょうじき】は、瀬戸崎の先端から太平洋に向けて突きだしたスロープ状の大岩盤である。かなり広い岩盤なので「千畳敷」の名が付いている。
この大岩盤は、第3紀層の砂岩からなる白くて柔らかい岩盤であり、太平洋の打ち寄せる荒波に浸食され、悠久の時を経て壮大な景観を形成したという。
千畳敷は、太平洋に突き出しているため、夕日観賞スポットとしても人気がある。
| 名称 | 千畳敷 |
| 所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町594 |
| 駐車場 | あり（無料） |
| Link | わかやま観光 千畳敷 | 和歌山県公式観光サイト |
三段壁
三段壁は、かつて東尋坊（福井県坂井市）と共に「自殺の名所」と不名誉な呼ばれ方をしたこともある断崖絶壁である。
高さ50m、長さ2kmにわたる大断崖であり、近くに寄ればかなりのスケール感がある。一般的には迫力満点の景観が楽しめるらしいが、高所の苦手な私は楽しめるという感覚ではない。
高所が苦手な私からすれば、ここから落下すれば助からないなあと思う前に、断崖の先に立つことすらできない。昔はこれほど怖いと感じなかったように思うが、今は全くダメである。
三段壁は有名な観光スポットでもあり、重要な地質研究の場でもある。「三段壁洞窟」の中にエレベーターで降りるとその地層が水平でないことに驚嘆する。
垂直に変動した地層の上に水平の地層が入り込んで重なるというかなり複雑な地殻変動が起きたことを物語っている。
三段壁洞窟は海に繋がっているので、波が洞窟内部深くにも押し寄せてくる。
三段壁洞窟の開口部は結構大きいとの印象を持った。
三段壁洞窟の開口部からの景色も素晴らしかった。何よりも高所ではないのが良い。
| 名称 | 三段壁 |
| 所在地 | 和歌山県西牟婁郡白浜町 |
| 駐車場 | あり（無料） |
| Link | 三段壁｜スポット｜南紀白浜観光協会 南紀白浜の歴史ある観光名所 | 三段壁洞窟【公式】 わかやま観光 三段壁 | 和歌山県公式観光サイト |
あとがき
かつて白浜が新婚旅行で賑わった時代がある。特に1960年代から1970年代にかけての時期である。この時期は日本の高度経済成長期にあたり、多くの新婚カップルが国内旅行を楽しむようになった時代である。現代と違って、新婚旅行はまだ海外に行くことがなかった時代である。
1960年代から1970年代にかけての日本は、高度経済成長期を迎えており、国民の所得が増加した時代である。現代とは異なり、年々所得が伸びていた時代である。この経済的に豊かになり、旅行が一般市民にも手の届くものとなった。そして、新婚旅行も盛んに行われるようになった時代でもある。
新幹線の開通や高速道路の整備が進み、白浜へのアクセスが容易になったために、白浜は新婚旅行先として人気を集めたという。
白浜は、温泉や観光施設が充実しており、さらには温暖な気候と美しい海岸線を持っているためにリゾート地としての魅力が高かったのであろう。とにかく、多くの新婚カップルが白浜を訪れたという。
現在の白浜の観光地としてのターゲット層は、家族連れとカップルの両方であるらしい。白浜は温泉や美しい海岸線、アドベンチャーワールドなどの観光施設が充実しており、家族連れにとって魅力的な場所である。また、ロマンチックな雰囲気やリゾート感があるため、カップルにも人気があるという。
確かに、家族連れにはアドベンチャーワールドや白良浜海水浴場が人気で、カップルには温泉や美しい夕日を楽しめるスポットが好まれているようだ。
尚、現在の白浜も新婚旅行の旅先として人気があるという。ロマンチックな雰囲気やリゾート感があり、新婚旅行にぴったりの宿泊施設も多く存在するからである。例えば、白浜古賀の井リゾート＆スパや南紀白浜マリオットホテルなどは、カップル向けの高級旅館や高級ホテルである。これらの宿泊施設では、絶景を楽しみながら温泉に浸かることができ、特別な時間を過ごすことができるという。新婚ではないが、泊まってみたいものである。